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裕木奈江とリンチ・エフェクト

http://www.asahi.com/showbiz/nikkan/NIK201001050038.html

裕木奈江さんが離婚したそうです。
今後の彼女の人生がどう転ぼうとこれから巨万の富と名声を得たとしても、失ったとしても、彼女は僕の中では究極の「勝ち組」であるという認識は変わりません。


僕の憧れ、映画監督David Lynchの今のところの最新作「インランド・エンパイア」に、彼女は出演したのです!
勝ち組!
彼女の役どころは「Street Person#2」そう「通行人2」!!!!!!
ショボ!と思ったあなた、間違いです!
もともとは、ライブの場面のエキストラとして出演の予定だった、とのことですが、リンチ監督に会ったところ気に入られて急遽この役が与えられたとのことです。
この作品は、リンチ監督のインスピレーションに忠実に従い、思うがまま、脚本もその場に応じて書いたものをつなげた作品らしく、このような急な起用も可能だったのでしょう。
「インスピレーションに忠実」と書きましたが、忠実すぎて、この映画はストーリーが破綻しています。
最近の「ロスト・ハイウェイ」「マルホランド・ドライブ」で見られたような「ストーリーという概念自体を壊し、観るものを抽象的な悪夢に引きずりこむ」ような作風の究極のかたちが、この「インランド・エンパイア」だと思います。


裕木奈江はその映画のおそらく。。。おそらくは一番重要な(ストーリーが破綻しているので、どこが重要なのかは監督本人しかわからない)場面に「通行人2」で出てきます。通行人2というより、ホームレスみたいな貧しい感じです。黒人男性と薄汚い街で、ストリートに座って・・・。
そして英語でながーいセリフ(もちろん意味不明)をまくしたてます。その後、そのセリフとは関係があるのかないのか、さっぱりわからない展開を見せて映画は終わります。
その場の彼女の雰囲気は、うるんだ瞳で、破綻したセリフを、もっと破綻した英語の発音で、生きている死人みたいな表情で演じていて、さすがリンチと僕はうなってしまいました。彼女に会った瞬間に、この展開を思いついたのでしょう。


世界中にファンを持つ(まあ、マニアックな領域ですが)デヴィッド・リンチ監督の映画に、チョイ役も出演できただけでも素晴らしいのに、こんな重要(おそらく)な役、オイシイ役が出来るなんて、本当に彼女は幸運です。
役者として、彼女を羨ましく思う人は世界中に沢山いるのではないでしょうか?
この映画は今後、メジャーになることはないと思いますが、映画ファンの間で語り継がれる映画、「残る」映画になることは間違いない
と思います。そこに出演、しかもストリートパーソン2だけど、オイシイ感じで、印象的に出演できたのは、大きい!
日本の連続ドラマに主演して「恋も仕事も充実させたい それが私」「課長、高木商事のプレゼン、私におまかせください」とか「ケータイが鳴らなくて。。。」とかそんなようなくだらない作品に出るより100倍意味のあることです。


僕は役者じゃないけど、本当に羨ましい。
本人に会ったら「ぽーけーべるがー」と耳元でささやいて精神的に追い詰めたいくらいに、嫉妬しています。


この映画に出演後、いくつかの外国の映画に出演しているようですが、英語はうまくなったんでしょうか。
「インランド・エンパイア」では、英語で長ーいセリフを話していましたが、なんと英語のセリフなのに、英語の字幕が出ていました(爆)
その時だけ、日本語の字幕が画面に右に移ったので、元々字幕が入っているんだと思います。
確かに英語を話さない僕が聞いても「おいおいこれはないだろXのTOSHI、ビーズの稲葉さんを超越してるぞ!!」みたいな日本語英語でした。
しかも字幕は「彼女はファックのしすぎで性器が歪んでいるの」みたいなひどい内容のセリフで、映画の中の意味のわからない流れと、日本語英語と裕木奈江という存在で、冷や汗をかくほどの緊迫した場面に仕上がってました。


裕木奈江は国費でギリシャに留学しているらしいし、語学はまあまあだと思うのですが。(しらないけど)
もしかしたら、あの発音はリンチ流のエフェクトだったのかも。。。
本当はちゃんと発音できるけど「nae、君はもっと日本語のように英語を話すべきだ」なんて指導したんじゃないかな。


傑作「ツイン・ピークス」の最も重要な、赤いカーテンの部屋の場面。
殺されたローラに、主人公のクーパー特別捜査官、そして踊る小人。。。
小人とローラは、重要な意味が込められたセリフをやがて話しだすが、声にエフェクトがかかり、とても聴きづらい。聴きづらいので英語の字幕も出た。
セリフを録音して、逆回転にし、更に逆回転にして流す、というエフェクトをそこでは使ったらしい。
「インランド・エンパイア」の裕木奈江の異常な発音も、同じような彼流の「エフェクト」だったのかも。
いや、本当に英語がヘタだったんだろうな。
たぶん。