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【書評】とにかくせつない処女小説。林真理子「星に願いを」

書評

本当はV系についての新しい記事を上げたかったけど、書いている途中で地震のニュースを聴き、中断してしまった。下書きには保存してある。

 

https://twitter.com/sawayakamaemuki/status/720917410794999808

「小説を書きたい」というツイートを連投して、その中の一つが結構お気に入りされた。それがこのツイート。たぶんだけど「中島らも」に反応して頂いたんだと思う。

林真理子の「星に願いを」については、みんな知らないと思うから、紹介したい。

新装版 星に願いを (講談社文庫)

新装版 星に願いを (講談社文庫)

 

 

林真理子 - Wikipedia

 

林真理子、僕は高校の頃に凄く好きで結構読んでいた。

高校生の時、自分のクラス担任との雑談の中で「お前本読んでるか?」と言われた。僕の成績は音楽以外、最悪だったから心配してたんだろう。

「はい。林真理子とか・・・」と言ったら「は?林真理子?それじゃダメだろ」と言われた。馬鹿にするように言われた。コイツは本当に嫌なやつだった。

「他にも読んでます。芥川賞全集を図書館で借りて読んでいます」と言い返した。それは本当だった。村上龍の「限りなく透明に近いブルー」とかも読んだ。LUNA SEAの曲名にあったからね。でも正直これはよくわからなかった。今読んだら違うかも。

 

その先生のおかげで「林真理子を読んでるって恥ずかしいことなんだ」と思って、人前ではあまり言わなかった。

 

林真理子の「星に願いを」は、彼女の人生を「キリコ」として、そのまま描いている。自分といろいろ被ってることエピソードが多すぎる。

特に文章について。

キリコは本が好きで、文章を書くことが得意だったとある。それはキリコ=林真理子の成功につながった。

 

僕は小さい頃から、文章を書くのが好きだった。周りから評価されだしたのは、中学の頃。ノートにクラスメイトを主役にした、くだらない小説、「」が中心のくだらないものを書いたら、凄く受けた。そして、中学3年の時、文化祭で選ばれた人が出る「意見発表会」にも選抜された。

そして高校でも、自分の書いた純文化風小説が校内誌に乗った。内容は短編で芥川賞風。よく覚えていない。

そして、修学旅行の感想文も全員がものが製本された。僕のも、もちろん載った。

内容は修学旅行で初めて見た宝塚の事だった。今でも覚えてる。雪組一路真輝がトップの「ブルボンの封印」と「コートダジュール

 

「くやしいけど、高木のはレベルが違うね」と担任の先生が言った。やった!

これで、僕の中との先生との林真理子の事も自分の中で無かったことになった。勝った!と思った。

 

そして短大の受験前の講習会に参加して、受験項目にもあった「小論文」のテストを受けた。「グレゴリオ聖歌の現在の流行についてどう思うか」という題だった。よく覚えてる。なぜならば僕の小論文は絶賛されて、教授が前で全文を読んで、後で一人、前に呼ばれて「君が一番だよ!すごいね!」と言われたから。

内容は、「グレゴリオ聖歌について、中身を誰も理解していない、薄っぺらいものだ」という批判的な内容。林真理子で鍛えられた批判精神が噴出したのだ。「いい加減にしてよアグネス」とか読みまくって、批判すること、論を通すことをいつのまにか学んでいたのだ。

余計なこと、大事なこと (文春文庫)

余計なこと、大事なこと (文春文庫)

 

 

アグネス論争 - Wikipedia

初めて自分の文章がちゃんとした人に評価された!凄く嬉しかった。

わざわざ講習会に参加するために、長野から「急行能登」に乗ってやってきたのだ。確か夜は川越のホテルに泊まって、嬉しくて寝られなかった。多分その時まだインディーズの頃のL'Arc~en~Cielの特番を偶然見た。「DUNE」は好きだったから、嬉しかった。

凄くラッキーだった。ラッキーなことが続いて嬉しくて興奮して眠れなかった。

 

林真理子の「星に願いを」は、彼女の人生を「キリコ」として、そのまま描いている。文章のことといい、人生が自分と被っていることが多い。

彼女の初の小説。これを出す前には「ルンルンを買っておうちにかえろう」というエッセイが大ベストセラーで時代の寵児だった。

ルンルンを買っておうちに帰ろう (角川文庫 (6272))

ルンルンを買っておうちに帰ろう (角川文庫 (6272))

 

 

 キリコはブスで性格や行動に問題があり、それでも周りの人には結構愛されて、でもブスでデブだから男には全くモテずに育った。キリコは林真理子そのもの。これは自伝小説。しかも彼女の初小説だった。僕なんかが読んでも「なんかまだ慣れてないな」っていうのを、当時から感じていた。

でも、文章は上手いし、中身は共感できる事ばかり。

高校の時、何度も何度も読んだ。この本に書いてあることをたまに思い出したりした。

でも、全然読み返さなかった。林真理子がその後もっと出世して、幸せになったこともあり、もう好きではなくなった。

 

そして、最近「また読みたいな」と思っていた。時が経って、自分もキリコと似たような人生になってしまったからだ。

ほんとに?みたいな事が沢山起こる人生だけど、どれも本当だと思う。

冒頭はテレビ局のキャンペーンにキリコが抜擢されて、記者会見を行うところから始まる。これは、実際に林真理子がフジテレビのキャンペーンに抜擢された時のもの。ありえない!ありえないフジテレビ。何を考えているんだ?まだ彼女が直木賞を取る前。「ルンルンを買っておうちに帰ろう」はベストセラーだった。

 

これは嘘みたいだけど、本当。そしてそれから続く人生の羅列も全部本当。

リアルな描写にドキドキして、泣く。かなりの長編。

キリコは就職に失敗して、アルバイトの底辺生活、でもそこからなんとか抜けだして、コピーライターになる。そこで初めての「体験」らしきものもする。その広告代理店は小さいけど表参道にある広告業界では有名な会社。

 

その「体験」が理由、要するに男に振られて恥ずかしいからその会社をやめるということ。

そして2流の会社にまた入り直し、そこで少しの夜遊びと男を覚えて、堕落したセックス三昧の日々を送る。男の苗字は「高木」久々に読んで忘れてた。びっくりした。

 

そしてコピーライター専門学校で見下していた同級生がコピーライティングの賞を取って、悔し涙を流し、決断をする。有名なコピーライター(実際は糸井重里)の講座にお金を払って参加することになった。

 

そして、その後はあっという間。

高級マンションで親友に「あなたすっかり生活が変わったわね」と関心される。「でも私は幸せになりたいだけ、大学の時と変わってないわ」と言ったところ「あなた、昔から野心がメラメラしてた。でも気づいてなかったみたいね」と言われる。

そして高木とは別れることになった。ひとりで夜道を歩いて・・・「星に願い」で完結する。

 

とにかく、全体的に切ない。感想は上手く言えない。

今日、衝動的に読みたくなって、電子書籍で買ってしまった。

ブックオフによく100円で売ってるし、Amazonでは1円で売っていた。

でもどうしても読みたくなった。

 

そして長い小説だけどあっという間に読んだ。やはり僕の人生に似ている。そこまでの頂点を僕は味わってないけど、いい思いをした。そして苦労もした。そして今も苦労している。

でも電子書籍では最後の山田詠美の解説が無かった。

また買い直すことに決めた。

 

山田詠美の解説は、

ドラマ化された「星に願いを」を見て、「良い小説よ、凄く、せつないの」と男とベッドに話したという内容だった。彼女はこの作品に刺激を受けて、小説家を目指した

みたいな内容だった。的確なとにかくこの小説は「せつない」それに尽きる。

 

ここまで読んでくれてありがとう。

長々とごめんなさい。