本日2017年6月11日(日)上田市サントミューゼ大ホールにて、僕の愛しき母校、上田東高校吹奏楽班の定期演奏会が行われたので、観に行きました。
僕は、もう今から…22年ほど前に上田東高校を卒業したのですが、高校3年間、吹奏楽班に所属して、頑張って頑張った。それ以外の高校生活の思い出がほとんど無い、と言っていいくらいの、思い出たっぷりな、大事なもの、吹奏楽班はそういう存在でしたが。
実は、高校卒業以来、全く彼らの定期演奏会に行っていませんでした。
今日はだから22年振りくらいに見た、そして、出たのはあったけれども見たのは初めてだったのかもしれません。
この演奏会が今日行われることは、街中に貼ってあるポスターを見て知りました。
やはり、このポスターを見ただけで「うわぁ」と何かが湧き上がります。
僕はすっかり彼ら、東高校の吹奏楽班のことを忘れて、はいなかった。心の中にはずっとずっとあったけれども、無視していた、もう過去のことだからと忘れるようにしていました。
しかし、僕は彼らの近く、上田市に一人で暮らすことになりました。なってしまいました。かつて、上田東高校に通うために、一人で住みはじめたその街にまた。
その家は、上田東高校から近くでははないけれども、田舎的な距離感からは十分に近いところです。そして、僕が1度定期演奏会で使った文化センターのホールは、歩いてすぐです。(かつて上田東高校の目の前にあって今は移転したツルヤのちかくですー)
でも、僕はここから出ること。この街からまた離れること。
その事ばかり考えている。しかし、彼ら達がどんな活動をしているのか。かつての自分の姿がそこに見られるのかな。なんて考えたりしながら、開演を待っていました。
赤いブレザー。僕の頃にはなかったものです。
その他、MCの導入など、僕の時にはなかったものがたくさんありました。
そして一番の違いにも気づきました。演奏です。
ちょう下手くそだった僕達とは違う、上手な演奏。プログラムを見たら、地区大会金賞で県大会代表、だなんて自分たちの世代には考えられなかった事を、前年に成し遂げていいました!すごいです。
曲も大栗裕の「大阪俗謡による幻想曲」 これは、僕達がコンクールか何かでやろうとして楽譜を購入したけどやらなかった、「怪しい曲はイヤだ」と却下された曲です。
それをやっている!すごい!進化しています!ありとあらゆる面で!
プログラムは1部は「クラシック」2部は「音楽劇」3部は「ポピュラーミュージックメドレー」と、考えられている構成です。
1部では、上田第2中学校との合同演奏でした。そしてOBとの合同演奏もありました。全てが当時なかったこと。昨年まではあったのかもしれないけれども20年くらい前にはなかったこと。
どれもこれも楽しそうです。羨ましい。羨ましい、というのは過去の自分からみても、そして今の自分から見ても、うらやましい。ただただ。。。
2部の「音楽劇」は「夢見る少女と魔法の本」というシンデレラをモチーフにしてクラシック音楽の有名な音楽を吹奏楽アレンジした生演奏との融合をしたものでした。
演劇の部分は、吹奏楽班のメンバーが担当しています。セリフも沢山あって覚えるのが大変そう…。主人公は夢叶ちゃん。長野県に住んでいる女の子です。シンデレラは登場しますが、主人公ではない。長野県に住んでいると劇中でも言っていてちょっと笑ってしまいました。
基本的に「シンデレラ」の話の通りに進んでいくので、登場人物も同じです。物語の大きな象徴のひとつに「シンデレラをいじめぬく意地悪な義理の姉たち」がいますが、ここでも登場です!トロンボーンとチューバの女性お二人が、かなりの熱演「オーホホホ!」「灰被りのシンデレラあ!!」などと、他の演者を引き離す熱演に、会場も大受け!王子へのアピール「王子さま〜こんな娘はいつもわたしたちのドレイなのですよお〜」とか「わたしくはそよかぜのようにきよらかで〜」とか滑らかですし、最後に「ヒーー!」というジェラシーなどは岡田あーみんの「お父さんは心配性」のシンデレラパロディを思い出させるほど(もうわかんないだろうなー)でした!
衣装もセットも、出来る限りのことを頑張ってやっているのが伝わってきます。すごく頑張ったんだな〜と、今のわかものはスゴイ。と実感させられました。僕らがアレすぎたくっそすぎたせいなのかしれませんが、凄いです。同じ学校とは思えない!
最後に夢から醒めた夢叶ちゃんは、夢を目指すして努力をして、叶うまでシンデレラに会える「魔法の本」を開けないと誓い、そして夢「教師になる」ということを叶えて、シンデレラと再会して終わります。
この演奏会のテーマは「夢」でした。夢をあきらめてはいけない、というとっても平凡でありきたりだけど、そんな気持ちが伝わってきました。
次の3部では2部でも見られた「みんなで協力して来た人に楽しんでもらおう」という姿勢がよく見えました。
「イントロ当てクイズ」では、その名のとおり、生でイントロを演奏して、わかる客を挙手させて、指名して当てる、というもの。びっくりしたのが、何曲かクイズがあるのですが、全曲答えが出たあとに、ワンコーラス生演奏で演奏するのです!大変だぁ〜
中でもAKB48の「フライング・ゲット」が出題の正解時にはなんとなんとAKB的な制服を着た女性部員があの振りをそのままダンスしていました。ちなみに上田東高校は私服です!制服ありません!みんな指定ジャージ着てるけど!
あの振りは、素人にはかなり難しいものだと思います。でもみんな頑張っていました。
更には、このコーナーには女性班班員二人によるMCがあるのですが、「私!元AKBのメンバーに似てるっていわれます!前田敦子です!秋元先生私をセンターに抜擢してください!」と言う相方に「全然似てない!アンタどっちかっていうと秋元康似でしょ!」と返して場内大爆笑でした!!
その他ニセ女性星野源による「恋」女子高生17歳が熱唱した「津軽海峡冬景色」など、見ごたえがありました。
3部は、僕にとって忘れられない曲もありました。
「Fight」という曲を私達が演奏します。歌詞がプログラム載っています。私達の気持ちのこもった歌詞です。というアナウンスの元に、ピアノからはじまって、ステージに並んだ班員達が歌いだします。
驚きました。吹奏楽班が歌うなんて。僕達の時にはなかったこと。しかも、うまいのです。合唱班なのかと。合唱班ってあったかな。あったような。忘れてしまった。
そしてその歌詞です。
こんな、普通の歌詞。
こんな、ストレートな歌詞に。
僕は泣いてしまいました。
この曲を普通の歌手が歌ったら、僕は耳を塞ぐでしょう。
でも僕には届いたのです。
彼らが産まれる前に、同じ高校を卒業して同じ班にいた、この僕に。
20年かけて、ネジ曲がってしまったこの心に届いた。
こんな気持ちで会場で聴いている人が他にいたのでしょうか。
彼らには、僕のようになってほしくない。
僕は泣いているのは、自分の今の状況が悲しいからじゃない。
彼らの純粋さに感動しているからなんだ。と自分に言い聞かせて、必死に言い聞かせていました。
僕は、この街から出ていくために、必死でがんばろうと思います。彼らが勇気をくれたから。夢をあきらめてはいけない、と教えてくれた。自分の子供でもおかしくないような子たちから、元気をもらえた。何か間違っている気もしますが、よいのです。がんばるのです。夢を叶えるために!!
素晴らしい一日でした。そう思います。
明日、僕は東京へ行きます。
それは、東京へ帰るための手段のためです。
なんだかよくわからない状況です。
来年の上田東高校吹奏楽班の定期演奏会は東京から新幹線で駆けつけて、上田駅からサントミューゼまでえっちらおっちら歩いて行きたいです。
できれば、今日のように自転車で坂を駆け下りて快適にでも帰りは地獄!みたいな感じではなくなりたいのですが。もしそうなっても、別にいいかな〜なんて。
上田東高校吹奏楽班のみなさま!今日はありがとうございます!
僕のようには、ならないでくださいね><
おじさんより