さわやかトラウマ日記

さわやかな音楽ブログです from 2004


さわやかでまえむきな人間になりたい男が
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【吹奏楽】知られざる「田村文生」の世界〜謎の女シリーズを追う

みなさんこんばんわ!さわやかでまえむきなさわやかまえむきです。

さわやかまえむき、相変わらずうんざりする名前です。長野県民が外向け県外向けだけには長野ではなく「信州」と連呼するのと同じくらいにうんざりします😫

そんなことはどうでもよいのですが、何かステージネーム(例:えみる、クレイジー・デンジャー・ナンシー・ケンちゃん)みたいなのは無いですかね?いくらなんでも「さわやかまえむき」じゃ痛すぎるし、実態にそぐわないのです。募集しますね!応募されても絶対採用しないと思いますがごめんなさい!

 

そんなこんなですが、最近のこのブログを更新していなかったせいか、数字や反応がさびしく、そんな時は、過去に書き溜めた「下書き保存」のものをサラッと書き足してどんどんアップしてやろうと思ったのですが、きゅうきょ書きたくなった、それはどうやっても反応がなさそうなものですが、書きたくて書きたくて書いていないのに書きたくて。書きますね。

 

今日は吹奏楽!僕が中高の青春をささげた吹奏楽における、僕がずうっと関心を持って、追い続けていた作曲家「田村文生」センセイ を紹介しますね。

田村文生 - Wikipedia

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かわいい!ふみおさん!そんな事はどうでもよいのですが、田村文生先生は、東京都杉並区出身。埼玉県川越市育ち!県立川越高校(超名門!)東京藝術大学(もちろん超名門)をご卒業されて、その後海外での作曲コンクールなどの入賞もあり、現在は神戸大学にて教鞭をとられているようです。

そんなふみおサンとの出会いは、僕が高校3年生のときでした。

吹奏楽コンクールの課題曲に田村文生サンの曲があったのです。公募で選ばれた曲でした。僕の中学時代の先輩!金井勇さんと同じですね!凄い…金井せんぱーい逢いたいよう💧あっごめんなさい。それで、「吹奏楽コンクールの課題曲」というのは、毎年4曲くらいあって、その中から選ぶのです。大体マーチ2曲と、普通の感じの曲2曲だったのですが、その年はなぜかマーチ以外の長い曲だけだったのです。

その中の1曲が田村文生の曲「饗応夫人-太宰治作「饗応夫人」のための音楽」だったのです。

饗応夫人-太宰治作「饗応夫人」のための音楽

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この曲をはじめて聴いたときの感想は「めちゃくちゃ」でした。実際に今でも「めちゃくちゃ」に聴こえてしまいます。最後の方にサンバホイッスルがピーーーって鳴るところで爆笑してしまいました。サンボホイッスル吹いている場合じゃない!みたいな曲なのに!

もちろん、藝大を出ていてアカデミックな方なのですから、理論に基いて作っている…はず!なのに、全く理解できない。理解できないけれども、太宰治の「饗応夫人」という小説に基づいた曲だ、ということはそれを読んでみればいいんだ〜と思って読んでみたのですが、さっぱりわかりませんでした。小説も…

饗応夫人

饗応夫人

 

 

ただ、「狂ってしまったご婦人」みたいな捉えかただったら、わかるかなあ〜と。

「現代音楽」はその時にはもう理解をしていたつもりでした。尊敬すべき大センセイ、三善晃の「深層の祭」これも課題曲でしたが、かっこよくてかっこよくて、現代音楽でしたが、理解はできました。

もちろん、こんなに難解な、演奏至難な曲は万年地区大会銀賞のわが校ではとても無理でしたので、選考の対象外でした。ちなみにこの時演奏したのは、間宮芳生の「ベリーを摘んだらダンスにしよう」でした。素敵なタイトル!曲も素敵でした。ちなみに地区大会銀賞でした><

長野県ではこの曲を演奏する学校はなかった、と記憶しています。もちろん全国大会では、中学生も演奏をしていた、と記憶しています。こんな曲を演奏するできるなんて凄いです。今も何かの役にたって…いると願います!

かわいい女

そんな田村文生さんは、一部で伝説として語り継がれる…はずでしたが、再度、コンクールの自由曲にて当時、今でもトップのアマチュアヤマハ吹奏楽団浜松(アマチュアではないですよね会社的に)によって演奏されたその曲が「かわいい女」です。

あれ?女?気のせいかな?と思ったのですが、それは違いました。のちほどわかります。

「かわいい女」ってなんだろう。歌謡曲みたいなタイトル。前はあんな感じで血みどろの地獄絵図みたいな曲だったから、ふみおさん反省したのかな?と思って、全国大会で金賞を取った演奏のCDを買って聴いてみたのです。

そしたら…こんなんでした。

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チェーホフの同名小説「かわいい女」にインスパイアされた、とのことで早速冷静になるべく、読んでみたのですが、やはり頭が悪いのか、わかりませんでした。

 

かわいい女・犬を連れた奥さん (新潮文庫)

かわいい女・犬を連れた奥さん (新潮文庫)

 

 

しかし、この「かわいい女」は「饗応夫人」に比べると聴きやすいです。聞きやすくはないのですが、演奏も…更に難しそうですが。ところどころちょっと聴きやすいかな?音の意味がわかりやすいかな?と思うのです。いちばんのお気に入りは、最後のユニゾン、絡まった線が一つになって上下に激しく動くところ!がセクシーに感じます。まるで「かわいい女」をりりりつじょくしているかのような…。そんな気のせいかも?みたいなことが味わえてしまう、曲なのですがたぶん勘違いです。謎なのです。

アルプスの少女

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みなさん、これを読んでいるほとんどの方が知らないと思いますが、「饗応夫人」「かわいい女」ときて、その次が「アルプスの少女」という曲が演奏された。そんな事があったのです。信じられません。前年と同じようにヤマハ吹奏楽団浜松が、全国大会で演奏をして金賞でした。噂は、広まってきました。「ヤマハは今年も田村文生」「曲名はアルプスの少女」その時点で「ああアルプスのしょうじょお?」って普通の曲でも「なんじゃそりゃ?ハイジ?」って普通考えるしかないでしょう?実際にご本人が「アルプスの麓で見た印象的な少女について」とか言っていてありゃーって感じですが…

この曲は編成もすごくて、ピアノ、ハープ2台、鍵盤楽器はありとあらゆる、アルペンホルンも入っていたような。聴いていて、どんな楽譜なんだろうなんて怖くて想像もできません。怖いのは楽譜だけではありません。今までの狂気のまとめがここに詰まっているような気がしたのです!まさか文夫さまはアルプスの少女を!なんて…

これは理論に基づいた理知的な音楽なんだ!って自分に言い聞かせながら、音の洪水に身をまかせるのが、田村文生音楽の愉しみ方なんだって…気づきました。

でも、まだ続くのですよ><

シャルロット〜グロテスクなもの

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「いい加減にしろよ田村先生」と言いたくなるような感じですが、またやらかしていて、安心できるけど、できない!そんな感じの曲です。ちなみに「シャルロット」はみなさんが思いついた通りにシャルロット・ゲンズブールです。お好きだったみたいです。シャルロット、はわかります。でも「グロテスクなもの」て何なんだろう。そして曲は「グロテスク」です。となると「シャルロット」はどこにいったんだろう。

この曲はなんと長野県の名門高校屋代高校の委嘱作とのこと。果たして演奏できたのでしょうか…。

このあと「Snow White」というそのまんま恐怖の白雪姫てきな曲があり、この後がこれです。

残酷メアリー

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「残酷メアリー」……。なんてかっこいいタイトルなんでしょう。「残酷メアリー」というヴィジュアル系バンドを組みたいです!メンバー募集!当方プロ!アマは禁止!ヤンキー不可!ごめんなさい。でもかっこいいですよね。ざんこくめありー!

これは「ブラッディー・マリー」から発想を得たらしいですが…「ブラッディー・マリー」は「血まみれのメアリー」メアリー1世イングランドの女王なんですね。つまりまた女!女なのです。また女かよお!この女好き!しかしこの「残酷メアリー」僕は結構好きです。「女ランキング」は1位かわいい女、2位残酷メアリー3位アルプスの少女、ああ変態のようではずかしいです。クラシック吹奏楽なのに!!

美しい水車小屋の娘。

この曲はCDにはなっていないかもしれない?武蔵越生高等学校に委託されて書いた曲のようです。おごせ!!東武越生線!さすが東上線の星!東上線が産んだ鬼才田村文生さま!!Youtubeにはなくて僕も聴いたような聞かなかったような曲なのですが…

注目すべきはそのタイトルです。

「美しい水車小屋の娘」はシューベルトの歌曲の組曲でとても有名な曲のタイトルです。

注目すべきはそのタイトルです!

最後に「。」があるのにお気づきでしょうか。

そうです。最後に「。」といえば……モーニング娘。です!

なんということでしょう。吹奏楽、高校生が演奏することを前提に書かれた曲、「美しい水車小屋の娘」で最後に「。」を付ける。これは……そういうことなのでしょうかハアハア。たすけてたすけてふみおさま…。

その他「女」シリーズはまだ続いています。タイトルその他列挙しますね

こんな感じですが、他にも「女」ではない、と信じたい関係ない、クラシック音楽吹奏楽へのアレンジも素晴らしいものがあるのです。リストのオルガン曲「BACHの名による変奏曲」など…ですが、僕がいっちばん「田村文生ワークス」で好きなもの、はこれです!

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この「おお、神秘なる力よ!」は、僕が大好き大好きなロシアの最初は同じ学校のライバルだったラフマニノフ!を凌駕するようなメロディックショパン的な音楽だったのに、だんだんおかしくなって変な曲、当時は理解されず、それでもだんだん理解されてきて、今はネ申のように扱われている神秘主義、アレクサンドル・スクリャービンピアノソナタ第5番吹奏楽にアレンジした曲なのです。この「おお、神秘なる力よ!」というのは、スクリャービンがつけたものではありません。ただし文献として似たような文章は残されています。しかし、「ピアノソナタ第5番」だけ、つまり、田村文生さまがこの素敵なタイトル「おお、神秘なる力よ!」をつけたに違いありません!さすが現代のスクリャービン田村文生!

すばらしいアレンジです。ピアノ・ソナタの構造的な部分、美しい部分が引き出されていて、もしかしたら原曲より好きかも…なんて。やはりあれだけの曲を作ってきたからこその、このアレンジなんだと考えます。おお!神秘なる田村文生さまよ!「女」は一体何だったのか、いつか大学でオープンセミナーやってください!すでにやってたりして…

おわり