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【フィギュアスケート】ショパン「バラード第1番 ト短調 Op.23」試合バージョンでの最悪なカットについて

今日、現代を生きる現存天守羽生結弦さまが、今シーズン、五輪シーズンの初戦のショート・プログラムをなんといきなり自身が持つ歴代最高得点を更新して、優勝しました。優勝した、なんてことが霞むくらいにすごいことです。

僕も、You Tubeで海外のテレビ局の映像にて確認をしました!素晴らしいです。特に後半のクアドラプルトゥループとトリプル・トゥループのコンビネーション!凄い!

表現力も更に高まって、フリーの演技が楽しみです。

 

しかし、在命神羽生結弦さまの演技には一点の曇りはない、それは確かなのですが、僕はどうしてもフィギュアスケートで、どうしてもどうしてもせつなくなってしまう、ことがあり、今日もそれも感じました。

それは、「ショパンのバラード第1番をプログラムで使っていて、試合の時間のためにカットするのは仕方がないけど、いちばん良いところだけが省かれていて、つまんなーいところだけが、いっつもいっつもこの曲では採用されている!!」ということです。

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クリスティアン・ツィメルマンポーランドショパンの生誕地出身の素晴らしいピアニストの「バラード第1番」の動画です。

 

ショパンの「バラード第1番」一般的には有名ではない曲かもしれない。しかし、僕がピアノを学校で習っていたときは、みんなの憧れだった曲です。弾けそうで弾けない。でも頑張ったら頑張ったらひけるかもしれない。頑張って弾けるようになりたい。僕にはそういう曲でした。そして未だに僕は弾けていません。

弾けるか弾けないか、なんてどうでもいいですよね。この曲は9分近い、弾く人によって演奏時間も変わる曲なのですが、長い曲です。でもあっという間に過ぎてしまいます。ショパンが独特のロマンティック、ペシミスティック、センシティブ、ヴィルトゥオーゾ、全ての魅力が詰まっている曲だと感じています。

この曲に関しての思い出も沢山あります。この曲を知ったのは漫画、くらもちふさこ「いつもポケットにショパン」でした。

主人公須江麻子の幼馴染の「きしんちゃん」が漫画の中で弾いていた曲です。きしんちゃんが弾いてる!あさこは久々でも彼が弾いているとわかった。そのような背景もありました。

そして、一番大きな実体験の思い出は、サントリー・ホールにて現存ピアニストでも最も大物ともいえるマウリツィオ・ポリーニが、アンコールでこの「バラード第1番」を弾いたのです。アンコールの曲目というものは、発表されない。それはどこでも同じです。ポリーニはすでに高齢です。その日はブーレーズソナタ第2番など、ハードなプログラム、そして数曲のアンコールのあとのラストに、この曲を弾き出した。普通、アンコールでこの曲は演奏しません。長いからです。しかも高齢なのに。弾いてくれた!

 

「バラード第1番」の最初の1音、「C」ドの音のオクターブが会場に響いたときに「ハアー」という驚きのため息が会場に響いたこと、僕はわすれません。みなさんもその音だけ「ド」だけで、「バラード第1番だ」とわかった。そしてため息がでたのです。みんなこの曲が特別なものだったんだ、とわかったのです。

 

そして、わたしくがもっと言いたいことを補足すると「バラード第1番のもっとも良いメロディ、もっとも重要な部分がフィギュアスケートの演技ではおおよそ、しかしバッサリとカットされている。そして、正直つまらない部分、タリラリララ〜テンテンの部分がフューチャーされていることです。出だしは良いのですが、一回のピークの後にもう一回でてくるとこが、短い演技の中でもう1回でてきて、あちゃあーと思うのです。

羽生結弦選手だけではなく、浅田真央選手でも同じでした。ということは、たくさんの人が「バラード第1番」を聴いている。のに、ほんとうに良い部分は聴けていない。

それが哀しいのです。

「もっと良い部分ってどこなのおじさん」って思われると考えたので、その部分で自分が弾けそうな部分だけをちょろっと弾いてみました。

ショパンのバラード第一番の一番好きなメロディです。フィギュアスケートではいつもカットされているのですが……ここが一番よいのです!#chopin #piano

これは最初に出てくる部分です。ここはあくまで触り。この後に、いろいろ展開をしていって激的に再現されるのです。そこが凄く感動的でこの曲のピークです。ショパンの音楽の真髄はメロディだと僕は考えています。このメロディが全く出てきていない「カット」なんて、哀しいし勿体無いと思うのです。

でも、みなさんが興味をもち、普通にカットがされていないものを聴くきっかけにはなっていると思います。そして感じてほしいのです。この曲はこんなに良い曲なんだ。ショパンって素晴らしいし、羽生結弦浅田真央も素晴らしい。と。

 

更に…別件ですが、もうひとつだけいわせてください。

それは「ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番」についてです。

浅田真央ソチオリンピック、フリーの素晴らしい素晴らしい演技で使用されたことで、一躍有名になった曲です。が、そこで使われたのは「ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番」の「第1楽章」のみでした。

この「ラフマニノフのピアノ協奏曲」は縁起が悪い曲だ、という定説がフィギュアスケートのファンの方たちの中にはあるようです。そうです。縁起が悪い曲です。第2番の第1楽章は、演技が悪い曲調なのは否定しません。僕は縁起悪い系は好きなのですが。

この曲が使われた試合の実況で「ラフマニノフの中でも最も美しいとされているメロディ!!」なんてことを、ぬかしておられました。この曲が?ラフマニノフの中で一番美しい?そんなことは、ありません。それがもしあるとしたら同じ曲の「第3楽章」であること。みんなそうだと思っていると思います。元からラフマニノフが好きな人であったら。

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 第3楽章」だけの動画を貼りますので、御覧ください。辻井伸行さんの素晴らしい演奏です。

 

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この曲は明るく、壮大で、光があふれるようです。しかしやはりロシア的であり寒さ冷たさを感じさせ、チャイコフスキーの影も見えます。ああロシアおおロシアおそロシア!この曲、聴けば聴くほど、浅田真央、ならびにフィギュアスケートに演技にはピッタリな曲だと感じてしまうのが哀しいです。

 

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番」が、縁起が悪くはない、という証拠もあります。

伊藤みどり。偉大な名古屋の宝世界フィギュアスケート殿堂入り!の方がアルベールビル・オリンピックで「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番」を演技で使って「みどりさんと真央ちゃんは同じ曲で…」なんて仰っている方がいらっしゃいましたが…。

違うのです。

真央ちゃんのソチオリンピックの演技は「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番」の「第1楽章」だけ、伊藤みどりアルベールビルオリンピックの演技は「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第1番」の「第1楽章」が前半で後半は「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番」の「第3楽章」です!同じ曲ですが、楽章は違う。そして曲調も全く異なるのです。

そして、伊藤みどりアルベールビルオリンピックの演技は、「ピアノ協奏曲第1番第第1楽章」の部分では、残念ながら、コンビネーションジャンプがひとつ2回転になったり、そしてトリプルアクセルにて転倒、しかし後半「ピアノ協奏曲第2番第第3楽章」の部分、曲が明るくなると、演技もなんだか活き活きしてくるのです。そして予定にはなかった「後半でのトリプルアクセル」に成功します!すごいです!今でも女子で後半にトリプルアクセルを飛ぶ人なんていない!

どうでしょう?縁起が悪い曲ではないのです。そして「第1楽章」だけがもてはやされてしまう状況は、僕としては心くるしい。

 

さらにダメ押しですが…僕がフィギュアスケートに本格的にウォッチングを始めることになったのはこの「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番第1楽章」を使った演技でした。

こちらです。

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伝説の…2005年、トリノオリンピック直前の全日本選手権。日本フィギュアスケート界の真の功労者、村主章枝の演技です。

悲壮感がある曲と、悲壮感が隠せない村主さんに合っていて、なにかスゴイものがあふれてきて避けられないような。後に金メダリストとなった荒川静香を抑え、そして出たてでトリプルアクセルと無垢でレベルの違う演技で圧倒していた、オリンピックの出場権は年齢の関係でなかった浅田真央を抑え、そして、オリンピック出場にはなったが、調子は悪かった安藤美姫、そして、ベテランで調子をあげていた恩田美栄、そしてそして!この年に妙に調子をあげてきて昨年までには考えられなかったオリンピックが見えてきた、中野友加里ゆかりん!そんなメンバーがひしめくなかで、この悲壮感漂う演技。そして彼女は第1位を勝ち取った。このメンバーの中で頂点に立ったのです!

彼女の演技こそ、「ラフマニノフ的」でありこの「ラフマニノフピアノ協奏曲第2番第1楽章」があっていると思うのです。「お花をありがとー」「チカ(妹さんの名前ですよ)アイラビュー」という言葉の優雅さも、フィギュアスケート的、貴族のスポーツであったのですから、そのように思います。

 

以上です。