みなさんこんばんわ。鬱ですが休みが続いていて、その分収入は下がるので鬱でしかも給料日前なのでどうともいかなくて、鬱。うつうつうつ!2行で3回も鬱となってしまって、いま4つめになってしまって鬱です。ああ5つつめの鬱です。ああ6個め。
なぜそんなにうっつなのか(ちょっと変えてみましたよ)、それはタイトルの通りです。
今日、前から「うわ」と思っていた映画の詳細、予告編が公開されました。
映画「DESTINY 鎌倉ものがたり」
なんでしょう付け加えられた「DESTYNY」とは。思い起こされるのは、同じ、原作西岸良平センセイの名作漫画!「夕焼けの詩(三丁目の夕日)」の実写版「ALWAYS 三丁目の夕日」のp悪夢です…。
西岸良平先生。僕はずっと前、子どもの頃から読んでいました。僕の「人生三大マンガ」は「美味しんぼ」「ガラスの仮面」「サザエさん」だということは、前に言ったか言わないかはどうでもいいことですが、西岸良平先生のマンガも家に沢山あったのです。それが「夕焼けの詩」と「鎌倉ものがたり」あとは、変なこわい話が沢山入っている短編集!
西岸良平先生の作品は、どれもパッと見は、親しみやすい。そうサザエさんのような、コボちゃん、植田まさしのような。
でも、中身はそうではありません。ただし、「夕焼けの詩」後に「三丁目の夕日」とされてしまって、映画化にも変な「ALWAYS」とかつけてヤケにヒットして「昭和の懐かしいあの頃」みたいなこと、だけ!がわかりすいように、そのようなものにされてしまった。
「ALWAYS」なんて言葉、原作を読んでいる限り、全く思うことはありませんでした。
「常に」あるとしたら、生々しい人間たちの姿です。映画にもそれはあるのかもしれない。実は、見ていません。明らかに原作と違うテイスト、大衆的なものだけが抽出されたものだ、と感じたからです。だから大ヒットしたのでしょう。無難だから。
「三丁目の夕日」はもともとは、「夕焼けの詩」というタイトルから始まりました。主人公は茶川龍之介という名前、芥川賞29回連続落選で、全く売れない作家。駄菓子屋を経営しているしょぼくれたオジサンです。名前「茶川」ですが、こういうパターンは西岸良平先生の得意技です。茶川さんが引き取ることになったのは「古行淳之介」の母親は「古行和子」。吉行淳之介と吉行和子!
そして、駄菓子屋だけでは食えないので、エログロ小説を書いて、生活をしているのです。映画ではその部分はあったのでしょうか?「エログロ」は西岸良平先生では、基本的なところなのです。「絵はかわいらしいけど、描いていることはとてもグロい」というのが、基本なのです。
そして…僕が「夕焼けの詩」より好きな、一番好きな西岸良平の先生の作品が「鎌倉ものがたり」です。
これは、主人公のひとり、亜紀子が出版社のアルバイトで行ったミステリー作家の一色正和の鎌倉にある家に行って、お互いにひとめぼれをして、そのまま結婚をして、鎌倉で暮らし始めて…という内容です。普通でしょう?僕はこの漫画で「鎌倉へのあこがれ」が強くなりました。
でもそれだけの漫画ではもちろんありません。
「鎌倉ものがたり」の概要を箇条書きで乱暴に説明しますと
- 毎回、殺人が起こる
- 毎回、何か嫌なこと悲しいことが必ず起きる
- 毎回、のようにひどい殺人シーンがある
- 毎回、現実ではありえない事が起きる
- 毎回、一色先生か、亜紀子が解決する
- 毎回の殺人の動機は、怨み辛み欲望金欲呪い祟り幽霊怨霊毒殺絞殺刺殺惨殺惨殺
- 鎌倉警察署の所長の名前は「大仏さん」
- 本当に鎌倉の大仏なのではないかと後に匂わせられる
- 鎌倉のトップは大仏→だから鎌倉署署長→だから人間とも魔物とも仲良し♪
- 鎌倉警察署の恐山刑事はイタコの捜査が得意
- 鎌倉警察署の稲荷刑事は「コックリさん」の捜査が得意
- 葉山はタヌキ中心の街
- 葉山署には「狸山ポン吉」というタヌキの刑事がいる
- 葉山署に派遣されてきた他の署の刑事がそれを見て絶望する
- でもポン吉はできる奴だったので頑張る
- おつきのばあやは、何時から生きているのか不明(一色先生が幼いころから”ばあや)
- 掛かり付けの医師、家まで来てくれる宅間先生は、幽霊
- 隣りの家の人は戸成さん
さらっと書いてこんな感じです。大事なところは、殺人!これです。一色先生は、ミステリー作家なので、いつもネタに飢えていることもあってか、殺人事件が起きると、現場に行って、捜査に加わるのです。そして解決をする。
でも、
予告編を見て、違うと思うことはいけないことなのかもしれません。漫画は映画ではないし、映画は漫画ではない。別物です。
そうです。人がバンバン殺されていたら、映画倫理委員会も通りません。R-15どころか、R-18になるかもしれない。どのみち、スポンサーもつかないし、テレビでも宣伝できません。「ALWAYS 三丁目の夕日」と同じ日本テレビも係わっているようなので、プロモーションで堺雅人と高畑充希が「火曜サプライズ」に出て「DESTINY鎌倉物語 妖怪もびっくり激ウマグルメツアー」なんてやったりもできません!!
でも「人がバンバン殺されている」ところが原作では、大きなもの。「魔物みたいな物」との戦いが、メインではないのです。魔物にも動機があって、人間を殺したりするのです。妖怪魔物は、むしろお友達なのです。亜紀子が魔物に拐われるという話は、原作にもありました。が、それはエピソードの中のほんのひとつ。
キャストに関して…やはりそれも「違う」だなんて、言ってはいけません。一色正和先生は、もっとハンサ…とか亜紀子はもっと明るくてシャキシャキしててキャーキャーしててミーハーっぽいよとか…そんなこといちいち思ってはいけません。
はあ…西岸良平先生の漫画「鎌倉ものがたり」は傑作です。鎌倉の魅力と、殺人事件の面白さが同時に味わえます。「夕焼けの詩(三丁目の夕日)」もそうだった。昭和ノスタルジー、昭和の美しさだけを描いた漫画ではありませんでした。
願わくば、もうひとつ西岸良平の作品で好きな「たんぽぽさんの詩」がイモトアヤコ主演とかで、実写化されませんように。
終わりです。