最近Twitterで「#自分の人生を変えた3曲」みたいなハッシュタグが流行ってましたよね。
僕のそれは何だろう、と3秒位で3つがすぐに浮かびました。
それは
・筋肉少女帯「踊るダメ人間」
・まんが道「ボヨヨンロック」
これです。これ以外ありません!
「元祖高木ブー伝説」は僕そのものの曲です。まあ僕が「高木」だからです。どうでもいいですよね。でも、まごうことなき「産まれながらの筋少人生」だったということは、わかってもらえるでしょう。
このように「名字が高木なのに元祖高木ブー伝説を聴いてファンになった」なんていう歪んだ人間、ちょっとだけ人とは違う人間だということ。それは筋肉少女帯に出会う、中学生のころより前から、ずっとそうでした。
ずっとそうだった、ということを忘れてしまうくらいに、年も取ってしまいました。
そして忘れていたことをこの「エニグマ」のPVを見て、思い出しました。
筋肉少女帯は「アンダーグラウンドのロックシーンから派生したバンド」だということです。
歌詞はほんとうに意味不明な単語が、無分別に並べられている。それをがなりたてる大槻ケンヂの歌、のような声。しかし、類まれすぎてこれまた理解不能なまでにテクニカルなバックの演奏。
今回は三柴理こと三柴江戸蔵も参加して、好きなように、でもバックも活かしてガンガンガンやはり頭がちょっとおかしいのではという面持ちで、ピアノを弾いています。
彼にしては、統制が取れているのかもなんて思いましたが、当たり前です。計算してこの音符を弾いているのです。彼は音大出身です。譜面に起こしているのかもしれません。してるでしょう。真実はわかりませんが。
そして、橘高文彦氏はいつもの通りの扮装で、いつもの通りに好きにソロをてろてろ速弾きをしています。とても楽しそうです。
内田氏のベースも相変わらず、ドラムのサポートの方も素晴らしい。
それらが、渾然一体になって、何かを生み出しています。しかし、何がなんだかわからない。それをサポートするのが本来、ボーカルのはずだ、というのが普通だと思います。
しかし、筋肉少女帯は、そのような普通のバンドではなかった。最初からそうです。自分が最初に聴いた曲は「踊るダメ人間」のころです。それから遡っても、過去のものを漁れば漁るほど、わけのわからない曲ばかり。
そして、大槻ケンヂが影響を受けたらしい音楽も聴いて、その「わけのわからなさ」は深まりました。
僕の中でずっと存在していた「歌謡曲の呪い」に侵されていた!なんてことに気づいたのは、筋肉少女帯を聴いてから、何年も経ったころだったと思います。
アンダーグラウンドシーンというものが、その頃になんとなく理解をして、筋肉少女帯への理解、大槻ケンヂへの理解も深まった、と当時は思っていたのかもしれません。
さらにわけがわからないのは、次にリリースされるアルバム「FUTURE!」は大槻ケンヂのインタビューによると、「若者への励まし」みたいなものが入っている、ということです。「蜘蛛の糸」のように「ダイジョブダイジョブ」で始まって「友達がいないからノートに猫の絵を描く」みたいなものだったらどうしよう。そしたら嬉しいのですが
しかし、そんなものがあること。それすらも普通であり、彼ららしいのです。
もう何でもありなのです。ベストアルバム「筋少の大車輪」のラストのボーナストラック「パンクでポン」を聴いた時の衝撃のように。「真のロックはラ・ムーのボーカリスト!きくち!ももこさんだ!!!」という大槻ケンヂの雄叫び、自宅ひとりラヂオ番組を模した寸劇の中で叫んだ言葉、それが筋肉少女帯なのです。
この「エニグマ」のYouTubeの動画のコメントの中に「やりすぎ」というコメントが付いていました。
「筋肉少女帯」に「やりすぎ」なんて概念はありません。むしろ「エニグマ」はやりすぎていないほうです。
「パンクでポン」まんが道ですが「ボヨヨンロック」アラフォーだったら「元祖高木ブー伝説」を聴いて、もう何十年前に既にやりすぎもやりすぎていたことを理解するべきなのです!!
ああ、新しいアルバムが楽しみです。
もう何があっても気にしないのです。新しいアルバムが、楽しみです。
終わり