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【映画の感想】「エキストランド」"田舎町のフィルムコミッション"がテーマの映画でしたが!!

みなさんこんばんわ!田舎から…こんばんわ!!田舎なので寒くて今も本当に寒いのですが、まだまだこれからもっと寒くなるのです!もう考える事はそんなことばかりです。当たり前です。寒いと死ぬ可能性が高くなるのです。凍死。寒冷地は常に死と隣合わせです。

そんな田舎ですが、数少ない楽しみが映画であることはもう何回も書いてしまいました。そして、今日も映画館「上田映劇」に行ってきたのです。

みた映画は、2つ。短編の「FIVE PERCENT MAN」というショートフィルムです。あの高岡奏輔が主演でした。最初わからなくて、最後のエンドロールで名前をみて、あああの人かと気づきました。映画の内容は、映画監督に専念するためにサラリーマンを辞めた男性のインタビューの場面から始まります。そして…厳しい現実と対面をする、という映画でした。この前にここで見た「神奈川芸術大学映画学科研究室」も同じような映画制作の現場の厳しい現実をみせてくれた映画でした。

 

そして次に見た「エキストランド

extrand.jp

こちらは今住んでいる上田市が「フィルムコミッション」で制作に協力をして、エキストラも動員した映画だということでした。

フィルムコミッション」というのがどういうものなのか、なんとなくしかわからなかったのですが、映画を観て、それはすぐに解決されました。

この映画はフィルムコミッション」で作った「フィルムコミッションがテーマ」の映画でした。そして舞台は、田舎町、そしてロケ撮影で使われた場所、そしてエキストラは「フィルムコミッション」で協力をした、この上田市だったからです!!

フィルムコミッション」がどういうものかを、主人公の吉沢悠が演じる映画プロデューサーが、架空の田舎町「えのき市」の市役所の観光課の人に、説明をするのです。

プロデューサーは、過去に映画制作を大失敗をして、会社を潰してしまい、もう後がなくて、制作会社で下働きをしているような人だった。だから、「フィルムコミッション」を利用をして、なんとかかんとか這い上がろうとしていた。そこで、ある建築会社の社長が書いた脚本をお金を出すから映画化に協力してくれないか、という話が転がりこんできます。

しかしその脚本はひどいもの。「フリーター、一人で家を建てる」という、誰が呼んでも「これはひどい」というものでした。社長は、勘違い系のくそおやじで、「スマホで現場で脚本を書いたんだよお こう…文字ひとつひとつに気持ちをこめて…」などと言い、更に「わたしの脚本はほんとうに素晴らしいから、これを一時一句逃さずに全て脚本どおりに映像化してくれ!」とか言うのです。

プロデューサーは、最初は「こんな素晴らしい脚本ではレベルの低い観客達には理解できないから、ちょっと変えましょう」なんて言うのですが、まったく聞き入れません。

ここで、普通それに抗うことで映画が進んでいくのかな?と思いましたが、そうではありませんでした。

プロデューサーは、全てを受け入れて、そのまま映画にすることにしました。映画を一つでも適当に撮って、次につなげるためです。そして同じように映画が大コケした監督に、話を持ちかけます。その「フリーター、一人で家を建てる」の脚本を読んだ監督は、こんなクソなもの映画にしても誰もみねーよアホかとかキレるのですが、同じように、これをきっかけに…とプロデューサーに諭されて、話にのります。

「フリーター、一人で家を建てる」の内容は、フリーターが家を一人で家を建てるために、日本全国を渡り歩いて、材料を集めて、家を無事に建てて終わり!というような内容でした。必要なロケ地は「田舎」「」「」「砂漠」「都会」。それを映画化するためには、沢山のロケが必要になります。予算は100万円!どうしよう、そこで「全部があるような町がないかな」ということになりました。

それはみつかりました。そこが「えのき市」です。そのロケ地がここ上田でした。あらここは海無し県!でもそこは、フィクションなのですから、ちゃんと別ロケで海で撮影が行われていました。

しかし、その他は上田市の「フィルムコミッション」なのですから、市内各地でのロケがされていました。僕が見ている風景が出ていた。上田の映画館でそれを観ていた。

 

普通「田舎の町のフィルムコミッション」だと、こう、のどかな、こう…農業とか、山とか自然とか、ふれあい、木と風のささやき、心のあたたまる交流…みたいな、そんな感じになってしまうと思われます。

しかし、この映画には、そんなものはあるようで全くありませんでした。

 

「田舎らしさ」の象徴だったのは、フィルムコミッションの市役所の観光課の担当の内山さんです。内山さんは、「わろてんか」にも出演している前野朋哉が演じていました。

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内山さんは、ほんとうに見てのとおりに純粋で、プロデューサーの良いように使われてしまいます。理由は町をもりあげたかった。町おこしです。プロデューサーは相手が何も知らないことを知り、「フィルムコミッションのマニュアル」をデタラメな内容で作成して、それを読むように従うように指示します。そしてそれを全て信じてしまう。

撮影がはじまるとプロデューサーはもうやりたい放題。ルールは守りません。えのき市市民のエキストラを集めたのに、ロケ中止にしてしまう。ロケ中止にしても、ほったからしで、個室に閉じ込めたままにしたり。ロケ弁にエキストラだけ箸がついていなかった。それに気づかずに、みんな指で食べていたのです。それ見つめる内山さんのせつない顔!!

 

そんなこんなで、だんだんと破綻をしていきます。

その中で、僕が印象に残ってしまったのは、ロケ地の中の「都会」をどうするか、ということです。脚本の「都会」のイメージは、なんと「渋谷」でした!!

ししし渋谷を想起させるところなんて、ここには無いのです。隣町にもありません。というか長野県にはありません!!!

しかし、「あるから大丈夫」だなんて、話になってしまいます。そして、「この地で一番都会なところ」でロケをするというのです。

そこは…ここでした。

ここを渋谷のように見せるために、2回建ての古い建物に「OIOI」と書いてあったり、内山さんが茶色いダンボールで作ったハチ公、「ハチ公」という蛍光色のノボリつき!ノボリは「えのき市」のノボリもたくさんありました。ノボリは田舎の象徴です!ちなみにロケに不必要だということで「えのき」をモチーフにした像を移動しようとして、誤って破壊してしまいました!!えのきーー!

 

この場面では、もうひとつ悲しいことがありました。

プロデューサーが内山さんとその仲間たちに「ロケ当日は渋谷だから渋谷っぽい格好をしてきてね!」とか言ったのです。「し、しぶや…」内山さんと仲間たちは「どうしよう」と戸惑います。渋谷っぽいかっこう…わかりません。どんな…。

と、思っていたら、みなさんが思うような「田舎物が渋谷ときいて思いつく勘違いをした格好」で、3人が来てしまったのです。プロデューサーは言いました「君たちは渋谷がわかってない!」と非難をしたのです。

その日、上田は雨だったようで、雨がザザ降りでした。この地上田の売りは「晴天率の高さ」があったのですが…雨のおかげで、田舎の惨めさがちょっと和らいだような気がしました。

 

最後は、映画の話は完全になくなり、プロデューサーは駆逐されて終わります。この映画は「都会の人」と「田舎の人」が協力をして現実は作られた映画でした。でしたはずなのに、内容は「田舎の人」と「都会の人」がわかりあえずに、破綻に終わったというような内容でした。

プロデューサーは、なんども致命的なことを口にしていました。

「映画で町おこしなんて、無理だよ!」

「こんな映画は、シネコンで公開なんてされない!」

「地方の映画館で流されても観客は…5人くらいかなあ」

なんて、言っていました。

実際に、この日の観客数は5人でした。。

 

しかし、この映画の公開日は沢山の人が来ていた。そして前売り券をもとめて、何人もお祖母様方たちが受付にきていたのです。やさしい受付のお兄さんは前売りよりも、シルバー割引の方が安いですよと案内をしていたりもしていました。

そんな方たちが、この映画を観て、どんな気分になったんだろう、と考えてしまい、せつなくなりました。

 

しかし、この映画の感想は「面白かった」と思った自分もいます。現実は今は「田舎の人」なのですが、僕はこの地で過ごした時間よりも、渋谷で過ごした「都会の人」の方が長くなってしまった、ということにも気づいてしまいました。

2つの世界があるということは、悲しいことなのかもしれない。ということに気づいてしまいました。

 

終わり