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【映画の感想】「ギフト 僕が君に残せるもの」を上田映劇で観ました

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今日も映画を観ました。本当に寒い日でしたが、本日は休みでしたので、リラックスをして、行きました。この前の「椿姫」は鑑賞後に、時間を開けて仕事があったのです。あんまり良くないですね。余韻にもっと浸りたかった。

今日の映画のあらすじは、これです。

アメリカンフットボールの元選手スティーヴ・グリーソンは、引退後しばらくしたある日、ALS(筋萎縮性側索硬化症)を告知され、さらに妻ミシェルの妊娠が判明。生まれてくる子供を抱きしめることができるのかもわからない中、スティーヴは子供に残すビデオダイアリーを撮り始める。

 これだけを見たら、まあ、ありがちなアメリカ映画のように思えるかもしれません。しかし、これはドキュメンタリーの映画で、映っている場面は、全て、本物です。

そうとは思えないような、壮絶な映画でした。

 

日本でのタイトルは「ギフト 僕が君に残せるもの」になっていますが、原題は「GLEASON」です。普通に「グリーソン」で良かったような気がします。良かったと思う理由は後ほど。公式サイトでは「全米が感動!!」みたいなサムいキャッチコピーが一番大きく表示されていて、ちょっとなあ、と思いました。

Steve GleasonはNFL、アメリカン・フットボールの元選手、ニューオーリンズ・セインツに所属し、スターでした。NFLはスポーツおんちの僕でもわかる、アメリカでは最も人気のあるプロスポーツです。野球よりも人気があり、年俸も高い。実際に、大きなスタジアムのシーンが何度か映るのですが、いつも3階席まで客席が埋まっていました。

当時の試合のシーンも、移りました、中でも、ニューオーリンズがハリケーンカトリーナに襲われ、スタジアムには沢山の人が避難をし、電気水道の無い生活を送り、1年半後にやっと試合が再開された時にも、グリーソンは出場をし、活躍をしました。

試合で、グランドを駆け抜ける場面。普通の場面ですが、この後の事を考えると、切なくなりました。

 

引退後、彼は結婚をします。パーティー好きの明るい女性。沢山いる友人、仲間たちに祝福され、結婚式の場面も流されました。もちろん、映画の為に撮った映像ではありません。でも、それは気になりませんでした。あまりに幸せな場面だったからかもしれないです。

その後、彼は体の変調を感じます。全身がおかしい。痛みがある。医者に罹るのですが、当初は病名が不明でした。しかし、「ALS」という病気だと、判明しました。

 

ALSとは、筋萎縮性側索硬化症のことです。自分はやはりあまり詳しくないのですが映画では、このように説明がされていました。

・発症をすると、頭はそのままだけど、身体の神経への伝達が徐々にできなくなる。

・徐々に症状は進行する

・会話も困難になる

・発症後、3年から5年で、死ぬ。

・治療方法は、見つかっていない

このようなものです。「脳は止まらない」というのが、この映画でもわかりました。

 

病気が発覚後、妻の妊娠がわかります。「もう口が聞けなくなる」「子どもとコミュケーションを取れる年齢は4歳くらいから」という理由から、彼はビデオでまだ見ぬ子どもに向けて、ビデオでメッセージを残しておく、というのが映画のテーマです。

 

その後、病気は進行していきます。

徐々に徐々に。まだ傍から見ると健康なのですが、本人は変化を自覚しています。奥さんがそれがわかったのは、友人たちと池に泳ぎに行った時です。かつてのように泳げなくなってしまった。最後は友人たちに助けられていました。グリーソンもそんな自分を強く自覚した瞬間で、奥さんもそうでした。

ビデオのメッセージの内容は、子どもにむけて、どんどん言葉が重くなっていきます。病気の進行も話します。あれができなくなった、これができなくなった。そしてその様子も、流されました。

一番、心が痛かったのは、グリーソンのお父さんとのことです。

グリーソンの両親は離婚しており、父に育てられたとのこと。スター選手になったことで、親孝行は果たしたのですが、確執はあったようです。

父は息子を心配して、自信が信仰をしている宗教を、信じるように、信じられば、もしかしたら症状がよくなるかもしれない、と諭します。しかしグリーソンは拒絶します。そんなものを信じても、なおらない、と当然の反論をしました。

しかし、その宗教で「信仰治療」の集まりに参加をします。彼は乗り気ではなく、奥さんもそんなもの信じてもなおらない、といいますが、ひとまず父親と3人で参加します。

集まった人たち皆で、「神よわれに治癒を!」みたいなことを叫ばされます。その後に、「これで走れるようにもなるから」と、言って、集団の前でグリーソンが走らされるのです。彼は、もう歩くこともままならないはずなのに。

グリーソンは走りの構えをし、THREE、TWO、ONEのカウントダウンの後に、走り…4歩で、崩れ落ちてしまいました。奥さんが号泣していました。

 

「昔の動画を見たら、自分が前よりも話すことができなくなったとわかったよ」とカメラに向けて、話していました。あまりに、「自然」に病気が信仰していたので、傍から見たら、それは気づきませんでした。が、その後に、それがわかるようになった。病気は自然に進行していったのです。

 

奥様だけは、介護も大変になり、介護人が一人加わりました。そして、待望の子どもが誕生しました。男児です。名前は「RIVERS」安産でした。

「今までは、代名詞だったけど、これから名前で呼べて嬉しい」とメッセージの動画の中で、彼は、微笑んでいました。

 

子どもは順調に成長します。奥さんの負担が増えました。とても辛そうでした。子どもも成長すると同時に、グリーソンの症状も、悪化していったからです。

立てなくなり、食事もできない。電動車いすも導入されました。そこに一人で乗れません。

しかしここで、大きなものが彼の支えとなりました。それは、アイトラッキング(視線認識)による文字入力です。彼の脳と目は正常なので、それでコミュケーションが可能になりました。コミュケーションが可能になった、ということは、思った事が伝えられる。

思った事は、脳が正常なので、良いことばかりを伝えられるということではない、ということもわかりました。夫婦のいさかいは、その状況でも当然あるのです。しかしそこで奥さんは、激しい反応などはせず、受け流していました。

 

幹細胞治療も試しました。、寿命は伸ばせるけれども、これは高額の費用がかかってしまい、ほとんどの患者はそれをすることができない、とのことです。

治療完了後、症状はよくならず、副作用がひどくなり、排便もできなくなりました。

奥さんも含め、何人もがかかわり、排便をします。その場面も映ってしました。さすがに彼の顔はうつされてはいませんでしたが。みていて、とてもつらかった。これが現実だなんて。

前半にて、彼がスター選手で何万人の前で、プレーをして喝采を浴びていた。それがこんなことになってしまった。そしてこれは創作ではない、ドキュメンタリーなんだ、ということが、辛かったです。が、現実なのです。

スタジアムに彼の功績を称える銅像もできました。観衆と記者にかこまれた後に「自分の2つの現実がつらい」と言っていました。沢山の人に囲まれ、喝采され、励まされ、現状を凄いね頑張ってるね尊敬します、と言われ続ける自分と、そのような現実の自分にです。

時折、子どものような泣き顔を見せることがありました。ほんとうに、子どものようでした。

 

その後のアイトラッキングが保険適用外になってしまうかもしれない、という事態になりました。それをカバーするために「グリーソン基金」を立ち上げます。それはうまくいき、世間にも評価された。そして彼は今も、生きています。

 

アイスバケツチャレンジ」というものが、数年前に国内外のセレブレティ達が、実行をして動画を上げるのが流行していました。あれはグリーソン基金に関して、ALSへの理解を深めたいというものでした。しかし、日本では「セレブレティたちのおたわむれ」という事だけに報道は集中していたように、感じます。

この映画の邦題は「GLEASON」から「ギフト 僕が君に残せるもの」になった、「感動モノのお涙ちょうだい映画」のようになった、公式サイトでまず目に入るのが「全米が感動!」というキャッチコピーだった、こと。

それが象徴しているのでしょう。

現実は、映画よりも残酷なんだな、ということも感じました。ALSという病気の本当の実態をこの映画で知ることができて、良かったとも感じました。

 

おわり