さわやかトラウマ日記

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新垣隆「音楽という<真実>」音楽は平気で「人を騙せる」という真実を教えてくれました

 

音楽という<真実>

音楽という<真実>

 

 新垣隆ゲスの極み乙女。の川谷くんと芸人たちとコラボをした「ジェニーハイ」のPVが公開されました。

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新垣隆がピアノで参加しています。素晴らしいのですが、彼の実力はこんなものではありません。本当は、もっと凄いのです。もっと弾ける。

 

新垣隆が初めて公共の場に姿をあらわし、その名前は告げた生中継を僕は見ていました。「新垣隆」その名前をすぐに検索しました。すぐにわかりました。

この人は、本物だと。

 

桐朋学園大学の作曲科を卒業し、三善晃に師事した。という経歴を見て、クラシック音楽が好きな人なら、誰しも思うでしょう。そして驚愕するでしょう。

三善晃先生は、偉大な現代音楽の作曲家で桐朋学園大学の学長も務めていました。亡くなられたのは、佐村河内の件の前です。記者会見でも佐村河内が三善晃の名前を出していました。ろくに聴いたことなさそうなのに。

 

佐村河内守がやっていることは全て詐欺、曲は全て新垣隆が作った。そしてその曲が大衆を欺いていた。佐村河内は音楽が全くできない。楽器もできない。音楽の勉強の経験がない。音楽経験も貧弱。そして目は見える。でも楽譜は読めない。そして耳が聞こえない。でも耳はきこえて、その耳は間違ったことばかり指摘するようなことに機能している。全部嘘だった。

この本「音楽という<真実>」は、新垣隆による、欺いた大衆への謝罪が主なものです。彼は、佐村河内が望んだ「聴きやすい音楽」をやっているような人ではなかった。

それは本人の曲を聞けばわかります。全く異なる「現代音楽」を現在でも志向している。なぜ、そのような人が大衆的な聴きやすいような、そして現代音楽も交えてプロの作曲家評論家を騙せたのか、そしてターゲットである大衆も騙せたのか。

 

それは、新垣隆が天才だからです。そして技術もあった。音楽というものは、別に感情をこめたり、思いをこめなくても、人を騙せてしまうものだ、ということを証明したのです。

そうです。それが音楽という真実です。そしてその音楽により、佐村河内の詐称も判明しました。昔に新垣隆が伴奏をした少女に佐村河内が作ったとして提供した曲を聴き、少女と母親が「これは新垣さんの曲だ」と思ったのです。それが、真実でした。

 

でも、大衆はそれを見抜けなかった。なぜか。それはメディアによる「ドラマの演出」があったから。テレビ、NHKなどが佐村河内を「悲劇の作曲家」などとマンマと騙されて放送をした。それを見た大衆が涙をして、曲をきき「素晴らしい」「感動する」「癒された」「クラシックで初めて感動しました」なんて盛り上がる。作り上げたドラマに自分も乗りたかった。

しかし現実は、佐村河内の嘘。新垣隆が自らスコアを書いたものだった。あれだけの大作を仕事だと割り切り、テキトーに書いた。

この本では、「自分で何が良いかわからない」なんて思っている曲が、支持されて評価されてしまったことも悔いています。

 

僕は佐村河内守を見たときに、「こいつはあやしい」「うさんくさい」と思い、聴きませんでした。全く興味がなかった。沢山のプロの作曲家や批評家が賞賛しても、全く、聴くきにはなれなかった。

「メディアによるドラマの盛り上げ」というものの例に、ピアニストのフジコ・ヘミングがいます。彼女はもう老齢で、ピークを過ぎている。ピアニストとしては、もう終わっています。しかし「悲劇のカンパネラ」などとドキュメンタリーが盛り上げた。その後押しで、大衆は「感動しました」「クラシックはフジコさんがはじめてですが一番です」「涙がとまらない」などと、感動の嵐。

でも、フジコ・ヘミングはもう弾けていません。しかし「ミスは味」とファンもろとも、洗脳されたかのように、言います。

騙されている、とは言いません。詐欺師ではない。佐村河内のようなクズとは違います。

果たして「ドラマの盛り上げ」がなかったら、注目がされたのかどうか?それが疑問です。そんなものが無くても、音楽というものは素晴らしいもの。

クラシック、音楽は「ルックルックこんにちは」の「ドキュメント女ののど自慢」のような「不幸自慢の後にのど自慢で観客審査員涙涙」のようなものではないのです。

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新垣隆さんには、今後も頑張って頂きたい。

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DJ KRUSH新垣隆のコラボレーションです。完全に即興演奏だと思います。彼は本の中で、ジャズ・ピアノを弾くアルバイトしていたと印していました。基礎があると何でもできるんですね。