さわやかトラウマ日記

さわやかな音楽ブログです from 2004


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愛狂います。は結構狂ってる

たま〜にニコニコ動画で「全く興味の無いバンドを聴いてみよう!」と偏見除去と発掘作業を兼ねて色々見るのですが、今回は「愛狂います。」というバンドを聴いてみました。
最初は「う」と固まってしまったのですが、徐々にこのバンドの持つカオスが理解できました。
結果的に、いろんな音源を聴いてしまうはめに。。。結構好きになりました。
一番好きな曲は「球形無限連鎖 〜ミズタマ〜」です。


まずは、なんとも素晴らしいそのご衣装。
いつも読んでいるサイト「誤訳御免!」で[日本のストリートファッションについての海外の反応 http://shirouto.seesaa.net/article/126124757.html]の中にもでてきた「デコラ」というところでしょうか。
こんな狂った格好をしてる人達は世界中のどこにもいないわけですから、最近のヴィジュアル系の海外輸出の目覚ましさも理解できるものです。
この狂気を、ある意味ストレートに表現したのが「愛狂います。」の音楽ではないかと思いました。とにかくいろいろ付ける、派手、数でバランスを取る。すごく共通していると思います。
先ほど「ストレート」という言葉を使いましたが、愛狂います。の音楽は全くストレートではありません。過去のどのバンドとも比べても、カオティックな曲です。
変拍子の雨嵐、一曲の中でころころ変わる曲調。ほぼ、狂ってます。いや、結構狂ってます。
曲のほとんどを、ボーカルのえみる さんが作詞作曲しています。凄い才能の持ち主です。
しかし、「えみる」という名前を誰か止めなかったのでしょうか。やっぱり狂っています。

「トウメイニンゲン」という曲ですが、これはかなりまともな方です。シングル曲ですからね。
唄いだしの「ハーロぉ〜」という調子はずれのキンキン声で、もううんざりなのですが、さらに囁き喘ぎ声、お約束のタイトルコール、と「あら、狂ってないな」と思い、爽やかなオープニングもああそうという感じで、曲は進むのですが、突然テンポが倍速になります。
何やらトウメイニンゲンの成り立ちのようなものをズラズラ並べ立てる歌詞を続きますが、意味がわかりません。
ここまで結構既知感があるのですが、その後の追い込みはまさしくカオティックなデコラティブ!
よくここまでやるものです。倍速するにしても、その後はもう少しまともなやり方で爽やかなサビ部分に持っていくやり方もあると思うのですが、かなり追い込んでます。
よく難しい曲を作ったりすると、「細かいことをやればいいと思っている」「余計なものを身につけて本質を見えなくしている」とかのたまう楽器素人がいるのですが、僕は言いたい。お前らは黙っていろと!変拍子や演奏困難なものに立ち向かうロマンがわからん奴が音楽語るなと!そうやって音楽は進化してきたんだこのヤロ〜!と言いたいわけです。
この曲に限らず、「ねえ、なんでそんなことやってるの?」みたいな狂ってる曲ばっかりの愛狂います。「はいここで5拍子、はい八分の3でシャウト、また5拍子、ここでテンポアップ」とか考えているデコラなヴィジュアル系とか、明らかに狂ってます。だから応援したいと思います。


しかし、真の狂気を感じるのは、ほとんどの曲に「ねえ〜僕たち売れそうでしょ〜ほら〜ポップでしょ〜勝ち組オーラ漂ってるでしょ〜」みたいなポップなメロディのサビが付いている事実です。
何かのプライドでしょうか?
昔からこの手のバンドは「どんな曲でもサビは聴きやすいメロディを心がけてます」みたいな事を言うバンドが多くて、その手のインタビューを雑誌で読むたびに「まーた言ってるよ!バーカ!」とか思ってたのですがw このバンド、というかえみる氏は強烈!


そのメロディも、アヤビエ時代の涼平に強く影響を受けたと思われるような、「ドレミファソー」みたいなパターンのものが多いです。歌詞もそういえば「涼平さんには偏差値では負けてますが、読書量では負けてません」みたいな感じです。
音楽的には、僕の定義する「おかしな僕ちゃん系」です。系譜は
初期蜉蝣〜初期Kanivallism〜(初期ヴィドール)〜初期彩冷える みたいな感じです。
「なんだか僕ちゃんおかしいピッコロ大魔王大爆発ズドドドドド〜サビのメロディはドレミファソー」みたいな感じです。わからないですよね。すみません。ドレミファソーというのは蜉蝣でいえば「縄」Kanivallismでいえば「大好き」浜崎あゆみでいえば「Trust」みたいな感じです。
ちなみにこの系譜の元祖バンドはカリガリです。


まあ音楽に関してまとめれば、彩冷えるが更に狂わせて演奏が上手くなった、という感じでしょうか。そう。演奏、上手いです!あんな格好ですが、やる時はやるんですね!男らしい!
心配なのは、インディーズシーンの流れで仕方ないのですが、かなり音源のリリースがハイペースなことです。なぜヴィジュアル系はここまでリリースしなくてはいけないのでしょうか。これではどんな天才でもすぐに枯れちゃうと思います。
更に、バンドのマスコット的な美形メンバーが脱退してしまったのも気になります。やはり顔顔顔、この世界は顔です。ほんとうに、ヴィジュアル系バンドをやらなくてよかったと自分は思います。
どうか愛狂います。が、Aicleとかに完全改名して、スーツを着て「君と夢を見れるなら 華を咲かせるよ〜」とかそんな感じになっちゃわないように祈ります。
maemuki.hatenablog.com
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