さわやかトラウマ日記

さわやかな音楽ブログです from 2004


さわやかでまえむきな人間になりたい男が
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昔にあって今にないもの 葵&涼平「情景ならびに喉、指先」

この前、昔バンドをやっていたギタポ仲間(恥)と昔イベントをやった時に配布した><デモテープを聴いたんです。久々に発見された?らしく…。わざわざカセットプレイヤーまで買って。
当時それぞれにバンド?やらユニットをやってたのでその音源が入って…。ちょっと恥ずかしかったけど、懐かしいって感じですね。
まさしく「鬼ときめく季節に埋もれたデモテープが発掘されます」(彩冷える『最終変態頁』)だな なんて心の中で思ってたんだけど。その中の一人の女の子の友達がV系に全く興味無いはずなのに、最近元彩冷えるで現在AYABIE(ややこしい)のインテツのTwitterをフォローして彼は女子力が高くて面白いみたいな話をしたんです。
彩冷えるで現在AYABIEみたいな状況をうまく説明しようとしたんですけど、できなかったので、とりあえず遷移図を作ってみました。




彩冷えるアヤビエ,AYABIE)のバンド名、メンバー変遷遷移図





結成当初から見守って来たものとしては、まあこんなことになるとは。
メインソングライターの涼平が脱退したのも、脱退した後売れ出したのもびっくりしたんですけど、ボーカルの葵君を残してみんなで脱退して「AYABIE」結成とか。AYABIE結成が一番凄い。V系史に残る珍騒動。
そんでもって、かつて脱退した涼平と残された葵がヨリを戻して「葵&涼平 incl. アヤビエメガマソ」としてシングルをリリースして、今度は「葵&涼平」名義でアルバムを出したのが今回の「情景ならびに喉、指先」です。


お二人で活動するのは4年半ぶりだそうで。
まあまあ4年も経つといろいろ変わりますよね。

こんな葵さんが・・・

ナチュラル派イケメン><の葵さんにグレードアップ!
ジェムケリーのCMだってやっちゃいます!

涼平君はあんまり変わってないな。


今アルバムの触れ込みは「アヤビエ初期を思わせる曲」みたいなもので、ジャケットのデザインも「鉄の島」やメガマソの「涙猫」などでお馴染みの大山美鈴さん(http://www.misuzu-oyama.com/)ですね。デザインを見ているとやっぱり「あの頃」を思い出させますね。
サウンド面もあの頃に比べると向上が…って初期アヤビエのしょぼさといったらその後の追随を許さなかったレベルだから当然ですね。意外とハードなのでびっくりしました。確かに初期アヤビエってヘビーでしたね。「ギミック・オブ・ヘビーメタル」なんて曲もあったくらいだし><


1曲目「ぬめり取りねぶり」から懐かしい感じですね。何が懐かしいかって歌詞の上から目線ですね。メガマソの初期くらいまではこの上から目線路線歌詞があったのですが、「櫂の目塔の属領」あたりで上から墜落しちゃたのかな?ってのがあったのですが、久々に復活ですね。「ぬめり」を取るまではよくあると思うのですがそれをねぶるのは涼平氏らしいなと。

この儀式は標となる
君が目指す、あの夜への。


キターって感じですよね。ただし全体的な言い回しは直接的ながらも核心は見せてないというより、無いって感じしますね。
2曲目「Dear my suite…」はポップでなんかサビもかなりキャッチーだけど、歌詞を見ながら聴いてるとちょっと怖くなってきますね。この曲…「葵&涼平」からAYABIEの4人に向けての曲のような気がしますね。あの4人がAYABIEを名乗ってる限り、僕達も含めて君たちも組曲(Suite)なんだよって。呼びかけているかのようですね。もうこの2人とAYABIEとメガマソでみんなでバンドやればよくね?結構新しくていいと思うんだけど。
3曲目「破軍の時」は葵さん作詞作曲ですね。
1曲目2曲目と濃い感じときて、葵さんのわりとどこにでもありそうな(すみません)普通の曲のギャップ!懐かしい!
歌詞を読んでたらこれまた悲しくなってきました。これって「洗濯物干してたら干された」事件(自分以外メンバー全員脱退)の事なんですかね?タイトルもそのまんまだけど…

与えられる時を 待っても来ないから
変わるしかない 僕が 僕が

最後の行が太字なのは歌詞カードも同じですね。
なんか執念のようなものを感じますね。LAREINEのKAMIJO以外全員脱退時の名曲「Grand Pain」と併せて聞きたい曲ですね。


5曲目「カメレオン症候群」は、小室哲哉におけるバブル青田の「ジーザス」みたいな、「ああ全盛期っぽい曲〜」って感じの曲ですね。本人も狙って作詞作曲したんじゃないですかね?
それにしても葵さんは見た目も変わったけど、声も変わりましたね。4年でここまで変わるもんなんですかね。
よく伸びる付きたての餅が四方八方に広がるかのようなボーカルが、今やスッキリ鼻メントール餅を狙ったところに飛ばしますって感じで、色んな意味ですっきりした歌声になりましたね。
涼平脱退後の彩冷えるはほとんど聴いてなかったんだけど、動画でちょい聴くと涼平在籍時より音域幅の広いメロディで、サビの途中で「アフンアフン」とか裏声で言い出すような変なメロディだったので、そういう流れを経たと思えば、声質が変わりながらも割りと自然に歌えているのはまあ納得かなと。
10曲目「良秀ノ深遠ナル悩ミ」はグラビアでいうサービスショット?「ツェッペ氏食べる」を思わせる煽り曲ですね。2005年あたりの空気が蘇ってきます。歌詞がかなり飛ばしてて「ゲレゲレゾンべ」「君ヲマダペンテリペンテリネ」などやりたい放題でやっぱり涼平って凄いなって思います。本人的にはこんなのいつでもできるよみたいな感じなんでしょうねえ。
通常盤を買ったので、ボーナストラックが入ってます。っていうか通常盤でボーナス・トラックってなんか変じゃね?まあいいか…
11曲目「蝶」涼平脱退前に中野サンプラザのライブで配布した曲。っていうか中野サンプラザでやってたんだね。。お客様入ったのかな。今さらながら心配してどうするんだって感じですが。ライブには行かなかったので、初めて聴きました。開ける前の缶ジュース降るようなサビの起伏の激しいメロディがそれらしくて好きです。
12曲目「閉園の後、雨」は懐かしいですね。昔と同じくピアノ1台のアレンジですね。この曲バンドアレンジで聴いてみたいんですよね。収録されていると聞いてちょっと期待したんですけど。この曲の歌詞が興味深い。背の低い僕は同じ帽子を被るための表面積が足りないのだけれど、この様子なら誰も同じだ。って何のことなんだろう。


というわけでダラダラ書いてきたわけですが、アルバムとしては真ん中あたりの消化試合って感じの曲が退屈というか「薄い」という印象かな…
昔にあって今は無い、とまでは言わないけど、とりあえずこのアルバムには「野心」が無いなあと。
野心があるが故に、バンド自体の変遷も招いたということも考えられたりするけど。
それは野心はここにぶつけるところではないということもあるかもしれないし、あえて、今のこの状況でとりあえずやってみました、というのがアルバムタイトルにも出てるのかもしれない。
まあたまにはノスタルジーには浸るのも悪くないということで…。


<過去の記事>
メガマソのメジャーデビューに寄せて http://d.hatena.ne.jp/maemuki/20090915/p2
クロイツカササグイトシネガイ http://d.hatena.ne.jp/maemuki/20050527/p1
即完音源集 http://d.hatena.ne.jp/maemuki/20050324/p1
鉄の島 http://d.hatena.ne.jp/maemuki/20050112/p1