イジワルしないで 抱きしめてよ/初めてを経験中 (初回生産限定盤B)
- アーティスト: Juice=Juice
- 出版社/メーカー: アップフロントワークス
- 発売日: 2013/12/04
- メディア: CD
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祭りも第3回になりました。今回は前回に紹介した「イジワルしないで抱きしめてよ」の両A面「初めてを経験中」です。
このタイトルを初めて見た時には「うわ・・・これって”10代の性典もの?”って思いました。
古くは山口百恵の「あなたに女の子の一番大切な物をあげるわ~♪」(ひと夏の経験)をみたいな感じです。しょしょしょ少女のイケないははは初!体!験!
ところがいざ聴いてみて何を経験しているのかというと、「こんなに人を好きになるなんて~初めての経験なのぉ~♪ ルンルン(死語)」って感じです。性典、なんていやらしい事を連想した自分を恥じました。
ルンルンルンルン書いていたら、この曲に合う言葉はルンルン♪しか無いような気がしてきました。このリズム、雰囲気・・・。
第2期タンポポ(例:乙女パスタに感動)との類似性が語られているこの曲ですが、サウンドは現代風というか、かなり独特ですね。
ズッズズッズズッズズーンというヘヴィなシャッフルのリズムに乾いたドラムの音、モッサモッサしたギターが異形のお花畑具合を演出しています。ギターはところどころフィードバックノイズとなり、ほとんど音程すら無くなります。ルンルンどころじゃありません。狂ってるの?
編曲はR&Bの貴公子、AKIRA先生なのが意外!ただし垢抜けたコーラスワークにはやはりR&Bの風を感じます。
そして2期タンポポの永井ルイ先生のクイーン風オーケストレーション・ギターの役割はここではコーラスワークに替えられてる感じがしますね。
そんな現代風ルンルンサウンドに乗せられて展開する歌詞とボーカルは、お砂糖と蜂蜜をかけた砲丸をグランドの向こうからぶつけてくるような暴力的なまでのぶりっこ歌謡です!危険!よけて!
細かく刻まれるクランチ・ギターも謎の暴力性を増長しています。怖いよぉ~ルンルン!
例の背景
そしてPVを見て始まった瞬間に「あっ」と思いました。
この背景・・・
何度も(特に全盛期過ぎたあたりから)ハロプロ各ユニットのPVではお約束のキラキラ背景!世間では「例のプール」なるものが騒がれていますが、僕は「例の背景」と呼んでます。これぞハロプロ!
※参考画像 例の背景
忘れかけていたイメージ・フルーツ設定
この曲のPVでは忘れかけていた(僕だけ?)メンバーそれぞれの「イメージ・フルーツ」の設定が活かされています。アイドルグループ定番のメンバーのカラー分けですが、Juice=Juiceだけにカラーだけでなく、果物がそれぞれ設定されてるんですね。
ルンルン状態インマイルーム、といった設定でそれぞれの果物の色が、カーテン等の小物や机の上にさりげなく置かれた果物でそれらを表しています。
この曲ではセンターをもぎ取った植村あかりちゃん。彼女のイメージ・フルーツはメロン!でも本人はメロン食べられなくていちごが大好きだそうです。この時点で何かが崩壊しています。さすがですね。
とにかくイチゴ大好き!苺苺苺苺!メロンの事なんて知りません!メロン記念日に謝ってください><
宮本佳林ちゃんはぶどう!「ぶ」「ど」「う」という垢抜けない響きはいまいちセンターの彼女にふさわしく無い気がしますが、たぶん気のせいです。ぶどうって果物の中では世界一の量が生産されているらしいですよ。ワインもあるしね。佳林ちゃんは世界一だね凄いね。
ローズクオーツ金澤さんはりんご!やっぱり赤なの?赤といえばバラ、バラといえばローズ・クオーツ・・・やっぱりこの世の全ては・・・(以下略)
金澤さんは「初めてを経験中」というより「初めてとして経験中」という雰囲気の濡れた声質が敬遠されたのか、この曲ではあまり出番が無いです。さみしい!
高木紗友希ちゃんはバナナ!じゃなかったレモン!変幻自在の歌唱力でこの曲でも高いポテンシャルを見せつけてくれます。声色が「ロマンスの途中」や「私が言う前に抱きしめなきゃね」みたいなマイナー調の曲とガラッと変わるんですよね。プロだなあ。
宮崎由加さんはピーチ!桃!桃尻娘!継続しているのかどうかも最早わからないSATOYAMA企画で桃栽培にチャレンジしてほしいですね。SATOYAMAの番組は終了しましたが。
2小節の宮本佳林劇場
このPVの見どころは最初のサビ前、「ほったらかし 長すぎたなら優しい誰かについてくぞ」のフレーズの後の2小節の隙間で演じられる宮本佳林ちゃんの表情の動きです。
チャンカチャンカチャンカチャンチャンチャン!のフレーズに合わせて1拍づつ、リズムとシンクロさせて表情を作る佳林ちゃん。凄いのてま
♪チャンカ


(ホッペを膨らませてソフトな怒りをアピール。カメラに映っている左側の頬だけを膨らませてるのがポイント)
♪チャンカ

微妙に首の角度を変えてプチ怒りの継続とバリエーションを表現
♪チャンカ

指を引っ込めると同時に眉と口角も徐々に下がり始めます。カリンちゃんもしかして…
あれ、怒ってないの?




チャン!
最後のチャン!チャン!チャン!になると完全に笑顔になり→首の角度を拍に合わせて動かしてウソだよ〜ついていかないよ!あ〜ん大好き!初めてを経験して私ルンルン状態〜♪
この表情の変化だけを見ていれば、なんだ普通じゃん、と思うかもしれません。しかし曲の拍に合わせて1拍ずつ、更には和声の終止に向かって表情も変えていくという、極めて音楽的な挙動でもあります。こういうのを表現力というんだろうな!と感心する次第です。
ラスト大サビはぶりっこ大会
音楽としての聴きどころはラストの大サビ。主に宮本佳林ちゃんと高木紗友希ちゃんが中心となってこれでもか!のぶりっこ(これも死語だな)大会となります。
ぶりっこ部分を抽出してみました。
♪こんなふうに~愛するって(下がり気味)
♪奥が深く~むぅずかしぃ↑
♪んー
♪理論的に考えては だめとぅ~↓
♪頭で考えてる時点で(ぶりっこなし)
♪ダァ~メ~ネッっっ
♪君のことが(当然ぶりっこなし)
♪好きだよっ(もはや音程すらなくなる)
♪トゥキナノ~ッ(こちらも・・・)
♪ で
♪君だらけで(冷静)
♪だらけで(大人は冷静)
♪だらけで!(もはや絶叫!)
♪んー
♪私ばかり好きみたいでズルい!!!!!
そして歌は終わるわけですが、宮本先生の最後の「ずるい!」はライブではたまに音割れるんじゃないの?っていうくらい絶叫します。凄い!僕も・・・やってみたい。ていうか植村あかりちゃんこの曲ではセンターなのにここでは「で」と「んー」だけなのがさすがですね。
ハロプロのレコーディングといえばつんくのガイドボーカルを参考にしているらしいですが、一体どんなガイドボーカルだったのでしょうか。その場でこう歌えって指導したのかな?壮絶な現場…
このぶりっこ歌いはスマイレージでも見受けられましたが、より完成に近づいた感じがします。何が完成してどう近づいたのかはわかりませんが。
初聴きは今までと違う曲調に少し地味な印象も受けましたが、聴けば聴けば深みにハマる感じのこの曲。まだ聴いたことが無いひとは是非聴いてみてくださいね。終わりです。