最近、特に高田馬場AREAのバンドへの憧れが強い。それも2000年代前半の頃のバンドやその界隈。今日のアヤビエを始めとして、その前身バンドの雛罠、アリス九號、その前身バンドのギブス、MASK、少女-ロリヰタ-23区など。まだ勉強中(一応当時もV系好きでした)なので、あまり詳しくは語れないけど、この当時のバンドを聴きながら、AREAの周りの風景やライブを思い浮かべながら「ああ、青春の小箱(ネタ元:滝沢秀明の『愛・革命』)だなあ」なんて、他人の青春、麺やバンギャ様の青春を羨んだりしてるのです。
オサレ系バンドブームは終了して「NEXT」を皆探していた。これからのヴィジュアル系をみんな模索していた時期。そんな中で出てきた新しい才能、それが涼平くん。彩冷える、その後はアヤビエのギター、でありこの当時はアヤビエの殆どの曲の作詞作曲を行なった彼。
彩冷えるは2004年に結成された。2006年に涼平の突然の脱退があり、メガマソを結成。その後はアヤビエは名前を変えつつ存続した。それどころか売れっ子になってメジャーデビューまでした。この辺りの顛末はここで…(更に進捗がありましたが)メンバーはボーカルの葵、ギターの涼平、ギターの猛飛、ベースのインテツ、ドラムに2005年からケンゾが加入した。
過去に何度も彩冷えるについては書いているけど、まとまった物が無くて、今と文章も違うので書き直すことにした。
彩冷えるを名乗っていたのは結成当初。Wikipediaによると「2005年頃からアヤビエに表記変更」したそうなので、ここでもそうします。
2004年の彩冷える
「ロマンサー/変態最終頁」(2004年5月8日)
結成記念お披露目無料ワンマンで配布されたCD。しかしその後ライカ等で普通に売っていて「閉園の後、雨」や「下弦櫻」「デジタルロリータデモンストレーション」などが追加されたプレスも売っていた。
雛罠の涼平とかと、元MASKの葵がバンドやるらしい。という噂は早めに聞いていた。雛罠の独特な基地外ボーカルもよかったけど、葵だったら更に良いかもと思って結構期待していた。これが凄く良い!ブログタイトルに「荒い」と書いたけど、これが全然荒くない。完成度が高い! はっきりいって涼平くん時代1番の音源じゃないだろうか。
「ロマンサー」は静と動の使い分けがきっちりしていて、かつスピード感があり、メロディはウネウネの涼平節。葵さんとの相性はやはり良い!ロマンティックなBメロにうっとりする。歌詞も独特の色彩感がある。
「変態最終頁」がこれまた最高。「メタモル・ラスト・ペエジ」という表記もどこかで見た。非常にノリやすいリズムに、キテレツな旋律。意味深な歌詞。この歌詞は何だろう?「勉学捗る頃」とか「鬼ときめく季節に埋まれたデモテープが発掘されます」とか、もしかして受験勉強、もしくはテスト勉強に集中したいのに出来ないって歌かなと空想してみる。さすが涼平くん、名門大学…。他には無い歌詞、メロディ。とにかくさすが。
この調子で後に続いてくれればよかったけど、サウンドプロダクションが荒れて行きました。
この後のベストアルバム「即完音源集」にも入っていないこの2曲。是非聴いてみてください。
「貯水槽より、3人」(2004年9月25日)「ゴシックパーティー」(2014年10月15日)
タイトルからキテる2枚ですが、「即完音源集」に収録されたため、ここでは省略!
2005年のアヤビエ
鉄の島(2005年1月1日)
2005年リリースだけど1月1日リリースだから2004年の制作。とにかく性急にリリースされた感のあるコンセプト・ミニ・アルバム。ミニといっても7曲でボリューム感がある。とにかく濃い。これが初の「アルバム」なんだから驚く。謎の島「鉄の島」で生きる人々や感情が活き活きと表現されている。歌詞は相変わらず直接的ではない何かを色々な比喩を使って表現している。
長年「鉄の島」って何だろう。ここに出てくる人は誰だろうと思っていたが、最近になってこれは「その時のヴィジュアル系シーンをを比喩で表現したものでは」 と考えるようになった。
1曲め「シーサイドサーカスとパステル調」は大きな視点からV系シーンを俯瞰したものように思える。4曲め「カオス・クリーム・フェスティバル」なんてそのままだ。曲調も含めて、「鉄の島」で行われるライブの風景。しかもAREA。AREAの風景。憧れる…。
「ダウナービューティフルソング」は「これがこの辺のバンドのお手本だよ」という余裕が感じられる。ラストの「セシリー癖」は鉄の島で迷ってしまった女の子が豪雨の中泣き崩れる様子が浮かぶ。バンギャ様の未来を暗示的に表現している気がする。これ全て妄想なので、これが本当だとは思わないように。
とにかく聴きどころのあるアルバムだが、サウンドは全体的に荒い。と思って最近聴き直したら今だと案外聴ける。耳が更に腐った!ただボーカルのプロダクションも含めてやはり性急に作った感じがする。録り直してくれればよかったけどこれはこれで味がある。荒くて切なくて、美しい。大山美鈴さんによるジャケットも最高!
即完音源集 (2005年3月21日)
2004年もリリースラッシュだった彩冷えるですが、「アヤビエ」になっても変わりません…むしろ激しくなっていきました!勘弁して〜
ここまで発売したシングルとDVDなどと新曲を併せたベストアルバムがリリースです。
1曲め「しこさほこ」(『貯水槽より、三人』収録)は初期の代表曲ですね。「しこさほこ」は「新婚さん香港」の略だそうです。なんだよ新婚さん香港って意味わかんないって感じですが、中華調のギターリフと新婚旅行っぽい楽しそうな雰囲気で納得する曲です。でも変なメロディ
2曲め マゾチ「三月に観た夢の再構成」(『ゴシックパーティー』収録)このタイトルからいってキテます。キテるのはタイトルだけじゃなくて曲全体キテます。キチってます。スピード感溢れる曲調に、謎の生き物(マゾチ?)を謎に描写。しかしサビはポップ。この感覚は愛狂います。に受け継がれました。「三月に観た夢」とは?それは涼平くんとそれぞれの中にあるのです。
4曲め「ミザリィインザダスク」(DVD『台形/ミザリィインザダスク』収録)は涼平くんがアヤビエ結成前にやっていたセッションバンドの曲を焼き直し。普通のアップテンポの曲…かと思いきや、はっきりいってオカシい曲。サビの変なメロディがありえない。よく聴くとどんどん違和感が出てくるオカしい曲。三連符のところですね。
5曲め「圧縮〜ロール」(『貯水槽より、三人』収録)「ビッツ 圧縮〜ロール」からタイトル変更して収録。これがまた謎曲。ビッツって歌詞にもあるけどなんだろう。
「(BACHの)ドッペル流れる店内〜」のバックでB、A、C、Hの音のシンセが流れているのがシブすぎる。ちなみにバッハのドッペルといえば「2つのヴァイオリンのための協奏曲」ですよ。チョ〜良い曲なんで皆さん聴いてみてね!涼平さんクラシックも聴くのかな?
7曲目「台形の底に溜まった、半透明の澱に顔を長く漬け込みすぎました」(DVD『台形/ミザリィインザダスク』収録)
そ、そうですか‥というタイトルですが、曲も謎。ドラムにex.ZI:KILLのEBY-Chanが参加してるのも謎。PVも謎。「台形」の数式が何かヒントになるのではと思って調べたりしたけど、やっぱり謎。しかしサビはまたポップ。アヤビエっぽい。涼平っぽい。歌詞は視線が厳し目のように思える。
9曲目「ツェッペ氏、食べる」(新曲)
ヴォーイ系の暴れ曲ですが、相変わらず歌詞はカオス。ツェッペ氏って誰だよ!
もともと地面に27度の傾斜。(最近傍決定則プログラムにより求められた。元の識別辞書は学生100人の意識調査によるもの)(※歌詞より)
だそうですよ。さすが理系大学生が歌詞を書くとこんな感じになるんですね…ならねーよ普通!ツェッペ氏の正体、なんとなく他人に対して攻撃的に見える雰囲気。ツェッペ氏ってもしかして涼平くん自身?真相は誰にもわからない。「レッド・ツェッペリン」だという説もあり。謎謎謎曲。
10曲目「ゴシックパーティースピードセッション」(『ゴシックパーティー』収録)
こちらもタイトル変更。確かにスピーディーな曲。初期アヤビエの代表曲の一つ。タイトルからどんな阿鼻叫喚が繰り広げられるかと思いきや、オドロオドロしい雰囲気のイントロが終わり、「お集まりの皆様〜今夜は無礼講ですよ」と来て、その後いきなり始まる説教大会!歌詞もわかりやすい。いやいやその通り、ご高説賜りますといった感じ。これも実は古い曲。雛罠〜彩冷える結成前の涼平くんの曲は説教ぽい曲が多い。
全体的に、結成間もないころの音源が多く、新曲も「荒い」でもいつまでも輝くここだけの名曲や迷曲が詰まっている印象。やはり必聴!
クロイツカイトシキネガイ(2005年4月25日)
ライカエジソン限定で発売されたシングル。このシングルのタイトルは「クロイツカイトシネガイ」で曲名は「クロイツカササグイトシネガイ」なんですね。
後のセカンドプレスと「EquAL pRayer 2 aLL」の初回版にPVが収録された時も後の方になってます。謎。これが良い曲!しかし荒い。やはり後に収録されたPVの方が良いです。この難解タイトルは僕は「クロイツェル・ソナタ」(ベートヴェンのヴァイオリン・ソナタ第9番)だと思ってましたが、当時のバンギャ様は「黒塚という苗字の繋がりの女の事だ!」と盛り上がってました。ああ愛しいバンギャ様。涼平くんらしいウネウネ系メロディがラブソングを盛り上げます。
[PV] アヤビエ - 「クロイツカササグイトシネガイ」 HQ - YouTube
PVはヴィジュアル系定番の「例の教会」です!
カップリング「壁_R」はまた謎曲。でもいい曲です。「教員免許を持つ貴方は私から離れた」という歌詞が濃厚な大学生臭を漂わせます。「ダンスメタル」とのこと。
この後からレアなシングルがありますが、ほとんど未入手で未聴なので、省略します。(すみません)
~いぎょうのそうのとうじしゃ~「戴冠式前夜」(2005年6月10日)
「鉄の島」以来の正式な新曲。「戴冠式前夜」は、これから戴冠されるのか、戴冠されたのか、想像をさせる曲。戴冠とは何か、そうそれは音楽シーンの頂点のこと。だと思う。この意識の高さ。僕は良いと思う。それとは別に曲も広がりがあって幻想的で良い。「あやびえる〜」なんて歌詞もあるし。カップリング「突発性創作症候群」は雛罠のリメイク。和風な歌詞と曲調が葵さんにもマッチ。雛罠の曲なら「魚さん」もやって欲しかったナ。ここからのシングル4連発は荒さが目立って来てる感じ…。
~かこやかすれさけびし~「月請い」(2005年7月10日)
「月請い」も雛罠の曲。というか涼平くんが生まれて初めて作った曲らしい。涼平くんといえばSHAZNAに衝撃を受けてバンドを始めたのは有名ですよね!ということでこの曲にもSHAZNAの影響は‥特に感じられません!でもポップな感じは共通してるかも。とにかくポップでストレート、気になるのがツタツタリズム。ここが現代っぽくて微笑ましい。この曲も荒いけど、どこかそれが切ない。
カップリングの「音楽は下らぬ」も雛罠の曲。まさかネタ切れ?でもこんな説教臭いというか説教そのままの曲をわざわざリメイクしてくれてありがたい。やはり涼平様にご高説賜るだけでありがたい。「シャッフルリズムの大安売り」との事で反省します。
~まなつゆきとろけるしょうげん~「キスミイスノウ」(2010年8月10日)
夏真っ盛りの時期に発売された「キスミイスノウ」どういう意図があったのかは不明ですが、タイトルのサブタイトルでフォローしてます。これが、荒い。荒すぎて当時は好きではありませんでした。しかし最近聴いたら、荒さが切なさに結びついている気がして、好きになりました。ていうか歌、演奏ともに難しい曲。しかし涼平くんらしさが良く出ている曲だと思う。
カップリング「頭がおかしい」はタイトル反比例してまともなバラード。良い曲です。
EquAL pRayer 2 aLL(2015年10月26日)
このミニ・アルバムからドラムのケンゾが加入。問題作ともいえるこのミニ・アルバム。「鉄の島」以来のミニ・アルバムということで、 期待は高まる。ケンゾ氏もかなりのテクニシャンなので、高まるサウンドプロダクションへの期待。確かに良くなっているけど、なんとなく違う。全体的にその当時流行していたエクストリーム・ミュージックに傾倒している感じ。メガマソでもそういうのがあった。悪くないけど、なんか感じない。今聴くとやはり涼平らしさはあっていいなと思いました。何が悪いのかよくわからないけど、何となく違うとモヤモヤを感じた1枚。
2006年のアヤビエ
真冬、四連夜奏(2006年1月18日)
「戴冠式前夜」「音楽を下らぬ」「頭がおかしい」の3曲と新曲の「グリッタートロウペン」を追加して再発売した謎の音源。「月請い」は…。この当時はこういうのが他のバンドでも多かった。しかし「グリッタートロウペン」この曲が良い曲。なんか悔しい。あの名曲「ロマンサー」にクリソツ。怖いくらい似てるのですが、この顛末の理由ご存知の方いますか?サウンドプロダクションも上昇していて聴きやすい。「いかにもアヤビエ」って感じの曲がアガります。
ジャパニーズロウレゾキャラメルタウン(2006年2月15日)
涼平くん脱退後の彩冷えるのインタビューで「バンド内でサウンドのコミュニケーションが取れていなかった」という発言がメンバーからありましたが、今この頃の音源を聴くと「確かに」と思わせます。和風の曲調はいいんですが、どこかチグハグ。Kagrra.みたいだなーなんて思いつつ、なんとなく引き寄せてくれない。カップリングの「みみずく」は良い曲良いサウンドなんだけど…。「スキマノホシ」良い曲だと思ったら葵さんの曲でした!
FAINT/トパーズ(2006年6月28日)
そしていよいよ涼平inアヤビエのラスト・シングル。ですが、正直に申し上げて未聴!未購入!瓦解が垣間見えるサウンドなんでしょうか。気になるので、今度購入して聴いてみます。そしたらまたここを更新しますね!
以上、長々と失礼しました!
参考資料
グラスレ
過去のアヤビエ関係の記事