NEWS「四銃士」
作詞:Satomi 作曲:セルゲイ・ラフマニノフ・西本智実 編曲:西本智実・倉内達矢、指揮:西本智実、演奏:イルミナートフィルハーモニーオーケストラ
久々にキターって感じでした。初めて聴いたのは「金田一少年の事件簿」のオープニング。何の予備知識も無かったけど「なんだこの曲は!ラフマニノフの『パガニーニの主題による狂詩曲』じゃないか」と衝撃を受けました。
その後調べて、この曲はNEWSの「四銃士」という曲だと判明しました。これは自分の中ではSexy Zoneのデビュー曲「Sexy Zone」以来の衝撃かも…!!
リリースが近づいてくるに連れて、あの西本智実さんが関わっているといかいうシブい情報が入ってくるじゃないですか。西本智実って誰?ってまさか知らないんですか?あのイケメンですよ!「四銃士」のPVにも指揮姿が映ってましたね!
なんて美しい…西本さんは女性指揮者として日本、ロシアで活躍中!ロシアロシアロシア!そして、こんなに美しい人が男なワケない。男って汚い!自分でよくわかる。
あまりに美しいし、何よりも実力派ということで人気沸騰中の凄い人。そんな人がNEWSの曲の作曲(作曲はラフマニノフ共同クレジット)と、編曲(編曲は倉内達矢と共同クレジット)受けもつなんて。
この曲のモチーフはロシアの作曲家「ラフマニノフ」作曲の「パガニーニの主題による狂詩曲」。これが全体的に、そしてサビに使われてるんです。打ち込みも多用しつつ、それでも漂う濃厚なロシア臭!NEWS in ロシア!素晴らしい。ジャニーズのこういう「徹底的にやる」ところ(ラフマニノフ、パガニーニへのこだわり、西本さんというロシアにぴったりの人選、そして生のオーケストラ!)好きです!おじさんクラシックも好きなので、このような曲が大好き!なので解説しちゃいますね。
「パガニーニの主題」って何?
「四銃士」はラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」がモチーフとなっているわけですが、そもそも「パガニーニの主題」って何?
「四銃士」の全体で使われている、あのフレーズ、NEWSの「四銃士」を聴いた方だったらアレかな?とわかりますよね。
「タッタタラリラ タッタタラリラ」という緊張感のあるフレーズ。これが「パガニーニの主題」です。
ニコロ・パガニーニという1840年に亡くなったヴァイオリニストで作曲家が作った「24の綺想曲 作品1」の24曲目。www.youtube.com
24曲の無伴奏ヴァイオリンの組曲ですが、あまりのヴァイオリンの超絶技巧とその甘美で鋭い感性に彩られた素晴らしい曲達は、今でも語り継がれ、演奏され続ける名曲。中でもこの24曲めは特に有名。
パガニーニさんは「あまりにヴァイオリンが上手いので、悪魔に魂を売ってその技術を手にいれた」という凄い噂や、博打が好きでヴァイオリンを担保にして大負けしてヴァイオリンを失った、自分の技術は徹底的に隠し、そのために死ぬ前に楽譜を焼き払った、とにかく金にがめつい、等の数々の伝説的クズエピソードと謎めいた生き様に映画化もされたほど。
ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」
この「タッタタラリラ」はパガニーニの死後、沢山の作曲家にテーマとして利用されました。リスト、ブラームスなど、歴代の大作曲家が「タッタタラリラ」をモチーフに物凄い曲を作りました。パガニーニに対抗すべくか、どれも超絶技巧の曲ばかり。そんな中、1934年に作曲されたのがラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」
当時のクラシック音楽ファンは「ついにラフマニノフさんがパガニーニでキター」って盛り上がったんじゃないでしょうか。ラフマニノフといえば、ピアノの超絶技巧で有名。そんな彼がついにパガニーニのモティーフで曲を作った!
そして蓋を開けてみればこれが期待通りの名作。あの主題がピアノ協奏曲風に展開される。弾けるあのテーマに煌めきと華麗さ、どこか重さも感じさせる説得力。全体的に倒錯的な、パガニーニの謎の人生が明かされていくかのようなミステリアスな曲調。今でも演奏されつづける名曲中の名曲。ラフマニノフは凄い!
25分と長いけど、是非聴いてみてほしい!動画でピアノを弾いてるデニス・マツーエフ、最高!破壊神のようなピアノ!この曲じゃないけど彼の演奏を生で聴いた事があってホント最高だった。ネ申…
サビのメロディに隠された秘密
「その笑顔〜守りたい〜♪」からのサビのメロディ。これもラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」から。細かく分かれている変奏曲であるこの曲の第18番目の変奏。いやーこのメロディ最高ですよね。この部分だけの動画がナクソス様の公式で上がっていたので貼付けます。
あーこのメロディにストリングス、美の極致…それになんともいえない「切なさ」がありますね。そこがラフマニノフらしく、そこがロシアらしくて好きです。
NEWSの「四銃士」はこの部分がサビとして使われてます。でも曲を聴いて「ちょっとこのサビの部分ちょっと唐突じゃない?」って思いませんでした?
原曲のラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」でもこの部分は、他の変奏部分とは明らかに違う雰囲気。NEWSの「四銃士」でもその違和感がそのまま再現されてます!もちろんポップスとしては聴きやすい流れで再現。さすが西本先生!センスがある!
そしてこのこのサビの部分、唐突な様に聴こえますが実は「タッタタラリラ」と関連性があるんです。
※パガニーニの主題
この「タッタタラリラ」を反行系にしたのがラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲の第18変奏、NEWSの「四銃士」のサビ「その笑顔〜」のところなんですね。
この楽譜だけ見てもわからないと思うので、wikipediaにこの部分について、もう少しわかりやすいのがありました
上が「パガニーニの主題」下がラフマニノフ、NEWS「四銃士」のサビのメロディ。
上が「タリリララ」で下が「そのえがお〜」のところです。パガニーニの主題を楽譜そのまま逆にして、メロディもそのまま逆にしたというのが真相。
唐突、関係ないメロディに聴こえるけど実は繋がっていた!いやー素晴らしい。音楽というものの深さを感じさせますね。
やっとNEWSの話だよ〜
4人になってから、結構気になっていたNEWS。
メインの方が辞められてから、歌唱力が一段とアップしたように聴こえますね。僕は山Pの歌好きなんだけどな。まあ、ソロ向きですよね。
歌唱力といえばテゴマスでも有名な手越くん増田くんの素晴らしい歌唱力も健在です。でも彼らに取ってはこんなのお茶の子サイサイかも。ただし、手越くんのサビが大人しくなって展開されるところで最後ワーッと盛り上がるところは凄い。彼はミュージカルやってるの?絶対向いてるよね。顔も派手だし。舞台向き!
手越くんは「世界の果てまでイッテQ!」で好きになりました。いろいろクルッてる。奴はクルってる!ここまでおかしい人はいない!でも実力派!凄いよ…。
2番めのサビは小山くんと加藤くんで回してますが、2人とも味があってGOOD!
小山くんは「news every」 を休みの時に観たりするのですが、とにかく頑張ってるのがわかるので、好感を持ってます。だから日テレさん、18時以降も小山くんを出してあげて・・・
加藤くんの歌声には「影」が感じる事ができました。そういうの好き…。小説家のイメージだったので、やはりそう思ってしまうのは勝手な思い込みもしれませんが、でも歌声からはそう感じたんです!音楽は自由!加藤影!
ONE For ALL,ALL For ONE
いろいろ気になっていたこのサビのキメのフレーズ。まあ「ONE」という言葉に色んな意味があるとは思うけど、もしかしたらこの「ONE」には、今回書いた「ラフマニノフの仕掛け」の事では?深読みしてしまいます。
「違うメロディだけど、根本は”ひとつ”なんだよ」
って事を言いたいんじゃないかな。って。作詞はネ申作詞として話題になった「Sexy Zone」でおなじみのSatomi先生だからそうに違いない。そうさとみと俺はひとつ。うわ、気持ち悪いおじさん。ていうかこの曲の歌詞、相変わらずブチギレててやっぱりさとみって凄いなって。
僕にとっての今年のジャニーズNo.1の名曲!パガニーニ、ラフマニノフ、西本智実、Satomi、そしてNEWSの奏でるハーモニー。全く違う人生を歩む人たちが音楽で「ひとつ」になる。その様に酔いました。
ここまで読んでくれてありがとう!
過去のジャニーズネタ
※参考資料 楽譜ーIMSLPによるパブリックドメインから