- アーティスト:服部祐民子,服部裕民子,中野督夫,守時龍巳
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
- 発売日: 1994/09/21
- メディア: CD
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昔住んでいた、高校時代そのときだけに住んでいた時に、今住んでいる状況です。
そうすると「その時に聴いていた音楽」を思い出したくなるのです。
田舎だけど、田舎の中の都会だった、今も田舎としても都会といえるかもしれない(本物の都会をその後知ってしまったので)その地で、思い返そうとして、思い出した曲がありました。
それは「服部祐民子」です。
1997年にシングル「愛してくれなかった人達へ」にて、デビューしました。
最初に聴いたのは、ラジオだったと思います。当時はもちろんインターネットは普及しておらず、あとはテレビとラジオでした。服部さんはテレビで見ることは、その時はなかったです。その後上京、上埼後に、テレビ埼玉でお見かけしたかもしれません。
そこで聴いたのが「愛してくれなかった人達へ」という曲です。
当時18歳でしたが、こういう「暗いタイトル」の曲がどうしても気になってしまう時期でした。今も若い人はだいたいそうなんじゃないかと思うのですが、最近よく聴く曲には、そういうタイトルの曲はない、ような気がするのですが、自分が知らないだけかもしれません。「病んでいるキャラ」を演じている少年少女達は何を聴いているのでしょうか。心配になります。そういう気持ちを込めて書いたこのブログのTOP10に居続けているのは、もしかしたら・・・なんて思うのです。気のせいでしょうか。
「愛してくれなかった人達へ」は、そんなに暗く、病んでいる曲ではありません。
「僕を愛してくれなかった人達に今日でさよなら告げよう」という、前向きな曲なのです。
が、しかし、主人公は、不器用な人間で、何かをいつも落として、胸を痛めている。そしてそばに誰もいない。傷をかぶって、無理に笑っていて、疲れた・・。結構辛い状況ですが、凄くわかる。誰でもわかると思います。わからない人は偽善者だといってもいいかもしれない。
そんな普遍的な悲しみを、独特の「暗い声」で歌われると、すごくズドーンとするのですが、案外そうではありません。この曲の主題が「僕を愛してくれなかった人達」へ「さよならを告げよう」という曲だからだと思います。
この曲が収録された1stアルバム「自画像」も買いました。
もう持っていなくて、音源もありません(当時はPCなんて持ってなかった・・)
「最近の服部さんはどうなんだろう」と思って、例の如く、wikipediaを見てみました。
今は故郷の岩手に帰って、歌詞の中の「君」とご結婚されて、お子様もいるとのこと。良かったです。良かった。良かった。同じソニーレコードの「橘いずみ(現:榊いずみ)」も幸せになっている。きっと2人共幸せなんだろうな。きっと。
そして「新しい曲を聴いてみよう」と思い聴いてみました。
なんとなく、なんとなく聴いてみた曲が「きて」しまいました。
6枚目のシングル「アドバルーン」です。
この曲を聴く前にwikipediaに気になることが書いてありました。
高校卒業後、上京して都内の家電量販店に勤務。寮に住み込みながら楽曲制作。
歌詞を読むと、おそらく、おそらくですが、その頃の情景がここに描かれていると感じました。きっとそうです。
歌詞:アドバルーン
http://j-lyric.net/artist/a052b2c/l020ff4.html
「君」と電話するその一時だけが楽しみ、あとはかつての明るさを忘れて、死んだような暮らしをしている。お昼休みに一人でデパートの屋上でアドバルーンを見つめていた。離れた「君」は頑張って頑張ってというけれど、何も頑張ることがなかった。
おそらく主人公は、「東京で働くためだけにやりたくない仕事、入りたくない寮に入っている人」(門限は11時など)だと推測されます。そしてそれは服部祐民子さん、その人です。
こういう、「働いている人の歌」は、あるようであまりないと思います。なぜならば「働くこと」はその人にとって苦痛なことだったからです。服部祐民子さんもおそらくそうだったんだと思います。
実は(また自分語り)自分も、この地から抜け出す方法として「全寮制の東京での仕事」を探していました。親に東京で新しいアパートを借りることは許してくれない、それならば、全寮制の仕事で。と考えていたのですが、許してくれませんでした。
もし、働いていたのなら、どうだったんだろう。
この「アドバルーン」を通して、その現実が見えたような気がしました。
そして、この曲も最後は前向きな感じで締められています。
「退屈も憂鬱も 見方を変えたなら幸せ 忘れた頃に振り向いて 笑いとばせるさ」
僕は自宅を得て、そこから働くことができました。そこは東京ではありません。
しかし、とりあえず、街で働くことはできそうです。
本当は・・・とどうしても考えてしまいます。でもいつかその日々が終わることを祈って、生きていきます。
ということで、僕を愛してくれなかった人達へ。バイバーーーーーイ!!!