Negicco / アイドルばかり聴かないで MV(full ver.)
僕は、アイドルが好きです。昔からです。初めて買った「レコード」は、小泉今日子の「スターダスト・メモリー」でした。親に買ってもらったのです。小学校2年生くらいの時でした。
当時は歌番組もたくさんやっていて、それも観ていましたがが、一番好きだったのは、土曜日の昼にやっているカウントダウンのラジオ番組でした。
そこで、興味を持ったのが、テレビでは流れない、テレビでは見たことのないアイドルたちの曲でした。今でも、覚えています。
その後好きになったのが、南野陽子。光GENJI全盛の頃だったと思います。他にもいろんなアイドルばかり、の時代でした。
テレビにも、今では考えられないくらいに「アイドルばかり」の時代でした。今でもそうなのかもしれませんが、質が違います。みんな「個人」のアイドルだったのです。今のように束になっているのは、光GENJIとおニャン子クラブ、おニャン子クラブは「個人」の活動もたくさんしていた。そちらがメインではなかったといってもいいくらいです。だから、今とは違うのです。
その後「アイドル」は衰退しました。アイドルばかりの時代ではなくなりました。
僕も「アイドルばかり」ではなくなりました。時代がそうなったからではありません。きづくと、違う「アイドル」が見つかった。
そこから、たくさんの自分に取っての「アイドル」が見つかったのです。
更に、少し大人になった頃、「アイドル」が復活しました。モーニング娘。です。
久々の感覚に、僕は、嬉しくなり、いつの間にか応援するようになった。それはテレビ番組「ASAYAN」の影響も大きかった。それも、あります。
しかし、その頃僕は「アイドルばかり」ではなかった。もういろんなアイドルがいた。音楽を聴く幅が広がった。
更に趣味は広がり、洋楽、ロック、US UKのインディーズの音楽、ボサノバ、ブラジル音楽、フレンチポップス、メタル、ハードコア、カオティックハードコア、ポストロック、マスロック、そしてアイドル80年代の売れなかった女性アイドル、オンチアイドル、それ以降の大人数アイドル、ハロープロジェクト、チェッキ娘、浜崎あゆみ、宇多田ヒカル、そして一番大事なクラシック音楽!等々。そして、フリッパーズ・ギター、小山田圭吾、小沢健二
その他、ヴィジュアル系もそうです。なんだかんだでずっと好きでいた。mana様。
「アイドル」がたくさんいるのです。ほんとうに、でも「アイドル」の音楽ではない。だけではないのです。
正直、飽きっぽいだけなのかもしれませんが、その時々でいろんな「アイドル」がいたということは、僕にとっては真実であります。自分の「アイドル」は常に入れ替わってきた。
この「アイドルばかり聴かないで」は小西康陽の作詞作曲の曲です。
歌詞を読むと非常にわかりやすく、公式のコピーそのもの。
小西康陽氏プロデュースによるNegiccoの新曲「アイドルばかり聴かないで」 アイドルファンのボーイフレンドを持つ女の子のもどかしさをキュートに歌った楽曲
のように、聴こえます。
小西康陽の曲には、かならず他の意味があると、いつも感じています。
「ハッピーでラッキー」みたいに見せかけて、本当はまったく逆のことを表現しているといつも感じています。でも、サウンドは「ハッピーでラッキー」で「オシャレ」意外の何者でもない。
なぜ、そんなことをするのか、わかります。彼はいろんな音楽を聴いていた、映画音楽や60年代のポップス、その他多数、その結果、今のような小洒落た音楽ができるようになった。とても素晴らしいもの、提供する音楽もそうです。凄く評価されてきた。
それは彼が「自分のアイドル」ばかりを聴いていたからではない、からだと思います。
彼が「アイドル」が好きではない、それはないと思います。凄く好きだと感じます。この曲を聴けばわかります。現に「アイドル」にたくさんの名曲を提供しています。そして理想のアイドルは小泉今日子という発言もありました。声も姿も全て好き、と。彼の年代は「アイドルばかり」の頃でしたので、当然だと思います。
でも「アイドルばかり聴かないで」になってしまった。
この曲にこのような節があります。
ふつうの人は
CDなんて
もう買わなくなった
ここに、彼の心の叫びがあると思います。
確かに、僕はCDを買わなくなりました。それは自分だけではないと思うかというと、そうです。CDの売り上げは年々減っている、ニュースにもなっています。数千枚1週間に売れれば、オリコンの上位にランクインできる時代になってしまった。それでも「オリコン上位」がプロモーションの常套句として利用されている。昔よりは威厳はなくなったけれども。
だから「アイドルばかり聴くな」と、言っているようにきこえてしまうかもしれない。握手に関しての言及もあります。でもそれだけではない。
僕は「アイドル」は数がいれば、いるほど良い、と思うのです。
この曲は、その時の「自分のアイドルばかり」を聴かないで、という意味だと感じています。
アイドルばかり聴いていると だんだんバカになるんだよ
バカ=盲目のことだと思います。自分のアイドルの生み出す価値観にだけに埋没してしまうこと。気付かずにだんだんそうなってしまう。
アイドルばかり聴いていると 身体に悪いことだらけ
「自分のアイドルばかり」聴いていると、聴覚や感覚が退行してしまう事に対する危惧だと感じます。最終的に行き着くところは、リスナーとしての無自覚な死、です。身体に悪いことだらけ。
アイドルばかり聴いていると
体脂肪にも
血圧にも
よくないのよ
ざんねーん!!
自分のアイドルばかり聴いていると、どんどん脂肪が消化されず、同じものだけが溜まって「血」が流れなくなる、それはよくない。ざんねーん!!
なんていうのは僕の意見です。この曲は最終的には「そんなにアイドルが好きなら、じゃあnegiccoにしてね!」で終わる曲です。
結局そうなのです。この曲は彼がプロとしてアイドルに提供をした曲、アイドルを否定するわけがない、でも「アイドルばかり聴かないで」と言ったのは、そういう意味があるのでは、と感じています。
おわり