さわやかトラウマ日記

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【レビュー】LUNA SEA「LUV」 I Wish for こんな夜には失くした全て今でも

 

LUV(通常盤)

LUV(通常盤)

 

日々が特に意味もなく過ぎていってるような感覚が、ずっと離れません。望まない毎日になってしまったこと、それはあるのですが、それが終わりになるかもしれない、ということ。相反する極端なもの、それら2つがいつも傍にあってしまう。だから混乱をしているのかも、しれません。

LUNA SEAは僕が今住んでいるこの街、の前の山の中で出会ったバンドで、山脱出した直後の高校1年生の時に「IMAGE」が出ました。「IMAGE」はLUNA SEAのアルバムで僕が一番聴いたアルバムです。 

 

「IMAGE」を一番聴いた、ということは、その後はだんだん聞かなくなった、ということです。僕は「MOTHER」の後のアルバムがなになのかを、知りません。それ以降が、彼らの一番輝いていたころだった、というのもわかっているのに。

アルバムを聴く機会はありました。ラストライブの音源はなぜか持っていたりします。でもそんなに聴かなかった。聴くことはしなかった。何故か聴くことができなかったのです。なぜかは、わかりません。

もう、そんな期間も長い長い時間になってしまいました。いつのまにか、活動が停止となり復活した。メンバーはもちろんそのままです。皆さんそれぞれに活動をしていた。Tourbillonもあった。SUGIZOとJはソロで活動し、真矢はドラマーとして活動をしていた。例え距離があっても、同じ時代を生きてきた人たちです。

そして新作「LUV」を聴きました。

 

事前の知識でこのアルバムは「前向き」だということを知りました。それが聴いた理由ではありません。そんなことは、自分にとってはむしろ嫌なことだったからです。

しかし1曲め「Hold You Down」から、もうそれが全開になってしまい、止められない輝きがやってきます。僕にとって「この世で一番明るい歌声」であるRYUICHIのVocalだからのなのかもしれない。しかし、彼の歌声は決して明るいだけではない。特にLUNA SEAではそうです。狂気のようなものも、やはり感じられる。LUNA SEAの元の言葉は、「lunacy」です。それは中学生の時に、英和辞書を引いてわかったこと。でした。

2曲め「Brand New Days」は、ひたすらの希望にすがっているかのような曲に聴こえてしまうのは、僕が今、ちょっとおかしいからかもしれません。やはりその音楽からあふれる光が痛いのです。そう感じてしまいます。「輝け」「光」「希望」そんな、衒いのなさすぎる遠慮のない言葉が、響いてしまいます。

3曲め「誓い文」はこれもひたすらに眩しい曲です。ああだこうだ考えてしまう自分が、恥ずかしくなってきてしまいます。彼らがたくさんもっていて、自分には全くないもの、それがわかってしまうような曲です。つらい。つらいです。

タイトル曲「The LUV」は、言葉の無力さ、無力なものに翻弄されてしまった、虚しさが漂う曲です。人にはそういう場面もかならずある。誰でも、成功していても、無名でも。なにもなくても。そうなのかもしれない。夜の都会のビルの隙間を縫う、未来の乗り物に乗っているかのような浮遊感のあるビート。その都会の景色は、気が狂ってしまうかのような美しさ、そして満月。無限のガラス窓に、月が少し映る、そして涙を流したくなる、みたいな景色が浮かびました。すごくLUNA SEAの世界、だと思います。

8曲目「闇火」は、SUGIZOってそういえばヴァイオリン弾けたな、と気づきました。X JAPANに参加し「紅」のイントロで、あのメロディをYOSHIKIのピアノをバックでヴァイオリンを弾いた時に、すごいと思いました。中学生の頃に、まさかそういうことが起きるだなんて、全く思わなかったからです。そうする必要があったから、だけではないと思います。芸術的な融合だと思います。その後、このシーンで「ギタリスト」で「ヴァイオリニスト」を兼ねた人はいたのでしょうか?全体的にあまりいないと思います。ヴァイオリンは、幼少の頃からはじめていないと弾けない楽器だからだと思います。フレットもなく、頼りになるのは、音感と練習によって培われた勘、のみなのだと思います。僕はギターもヴァイオリンは弾けません。だから憧れていました。YOSHIKIよりもSUGIZOの憧れていたのは、それが素だったのかもしれない、と気づきました。

10曲目「Limit」は、原点回帰のような、熱い音楽です。「CHESS」のような高揚感も感じました。あの曲より曲調は激しくありません。極めて冷静だけれども、強さはましています。混沌とした「so sad」をはさみ、最後の曲「BLACK AND BLUE」。

この曲は、16ビートの曲です。ダンサブル。そういう曲なのかな、それだけの曲なのかな、でもあんまり今時16ビートの曲をやってるバンドなんてあったっけ、なんてと思っていました。が、聴き進めると、僕は変なことをずっと考えていたことにきづきました。

この「LUV」の曲は、僕がずっと前に聴いた「IMAGE」の最後の曲「WISH」の世界が、形を変えて、12曲になって、再び現れたというようなこと、を思いました。なにを言っているんだと思われると思います。僕は「IMAGE」を当時、何度も聴いたけれども、最後の「WISH」は意味がわからなかった。わかるけれども、意味はわからなかった。「LUNA SEA」の最後の曲「Precious」のような曲が聴きたかった、と思っていたのかもしれません。

でも、それは間違いだったんだ、と全体的に聴く度にそれを感じてしまったのです。「WISH」にあるのは、衒いの無い、まっすぐなメッセージです。そしてまっすぐな曲調。白い衣装を来てエクスタシーサミットで「WISH」を演奏した場面をヴィデオでみた記憶があります。そして、その違和感が、その後の自然消滅に繋がった、のかなと気づきました。

しかし、そのようなものにも、このアルバムには受け入れるような包容力がある、と感じました。都合の良すぎる解釈なのかもしれません。

僕の心の夜は、ずっと続いています。それは、かつてとは別人になってしまった自分が、変わる前の場所に、またいるからだと思います。希望なんてない。ひどい生活です。それを共有できるような人も、近くには誰もいないのです。

ほんとうにクソだと思います。でも、この生活はもうすぐ終わる。高校生の時に、「WISH」の意味がもしわかっていたら、こんなめに合わなかったのかもしれない。

 

開いて もう一度 眩い 光の中

燃え尽きて 何度もすべては 未来のために

 

光の中

 

 

 

今 キミのために…

 

 

「BLACK AND BLUE」の歌詞の一節です。これが僕の気持ちそのままです。希望。希望なんて言葉、すっかり忘れていました。僕には希望があるのです。もう全て失くしたけれども、僕にはまだ、希望は残されている。

それは、ここではみつからない。だから出て行く。新しい生活をはじめる。

 

そんな普通なことを、改めて思えることは、幸せだと思うのです。

 

 

終わり

 

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