「その他大勢」
この言葉ほど、今のアイドルシーンを象徴するのにふさわしい言葉は無いのだろう。
「その他大勢」
今は、「その他大勢」がまた「その他大勢」となって
「その他の大勢アイドルがまたその他大勢」!となってしまっていることを、認めざるを得ない!
数人から数十人。ヘタすら数百人…コストパフォーマンスが重視されてる世の中では、仕方が無いことなのかもしれないけれども!
「始まりの方のメンバーは良かった・・」という集団アイドルにおける典型的なパターン(例:おニャン子クラブ)という典型例さえも無視しメンバー増殖!さらに集団アイドル自体も量産されて、実のないものとなってしまっている!集団がまた集団で来襲…なげかわしい。。
そんな集団「その他大勢アイドル」たちに送る曲があります★
それがワンギャル「ヒロイン!その他大勢なんかじゃない」です★★★★
この曲を作ったのは、偉大なるプロデューサー作詞家作曲家であられるつんくさまです。リリースがされたのは2000年という、モーニング娘。の全盛期の頃です。つまり、もうモーニング娘も「その他大勢化」をしていた時なのであります。なんという矛盾。
しかし!その矛盾こそ芸能界そのもの…大人の世界はキビシイ!ということを教えてくれたんだと思います!!つんくさま最高!!
その他大勢で終わる女じゃない!
絶対ない!!絶対ない!!絶対ない!
これは、ワンギャル、本当は「ワンダフルガールズ」というTBSの深夜番組「ワンダフル」の今でいう「にぎやかし」セクシー系アイドルのようなアシスタントの女軍団にあてがわれた名前のグループでした。このその他大勢ソングは、記念すべきデビュー曲です。これぞ企画モノといった安っぽさ。。のような曲ですが。。。
もう発売から20年くらいたって、今のアイドルシーンがそのまま「その他大勢」になってしまったのです。さすがつんくさまです。ハロプロももうー全部「その他大勢」になってしまった現状がありますが?><
しかし、このようなつんくさまらしい美しい描写もあるのです。
その他大勢で終わる女じゃない!!
薔薇を着飾る かすみ草ではない!
絶対ない!!絶対ない!!絶対ない!!
薔薇を着飾るかすみ草!!・・なんて美しい表現なんだろう。そして、なんて的確な表現なんだろう。。
薔薇をきかざるかすみ草。。美しい花びらと棘を纏った、花の世界の女王的な存在である薔薇。。誰もがそこに注目してしまう。。
それが美しく見えるのは、添えられた大量のかすみ草があるからなのかもしれない。でも、かすみ草の存在なんて、気にしないし、気にもされないのです。あっても良いけどなくても良い!キレイはキレイだけど目立たない。そんな…
存在なんですよ!集団アイドルは!!その他大勢なのです!!!
その後、この歌詞は「夢を見るのは無罪!でもその他大勢ではない!絶対無い!」という乾いたスクリームと過剰なアジテーションが繰り返されて、つんくさんらしいファンキーな曲調もあいまって、、そのお蔭で「その他大勢感」も強くなります。が、
やはりつんくさんらしい泣ける描写もありました。
少し落ち着いた感じのBメロにて。。
雨の日は 思い出す 田舎の両親
電話をしてみようかな
起きているかな?
そうです。田舎の両親を雨の日に思い出す。すてきなことですよね。ご両親はアイドルとして都会に出て頑張っているかわいい娘さんのことを愛しく思っているはずです。
でもこんなことにもなるかもしれない。。
「お母さん、今度わたしテレビに出るんよー」
「ほんと?えみか!やったやん!母さんうれしいわぁ」
「うん・・ちょっとだけ、、かもしれないけど」
「いいよーちょっとでも。楽しみにしてるわあ 親戚のお母さんたちにも知らせないと!うれしいわあ」
放送日…えみかのグループの出演番組が放送された。しかし、、
「見たけど。。なあ、えみ映っとった??人いっぱいのグループやったから・・
出とったか直接えみかにきいてみるわ」
「えみちゃん?この前番組出とった?」
「・・・映ってたよ・・」
「え?」
「3秒くらい…ちょっとだけアップになった。でも、今回初めて選抜されたんだよ!事務所の人も推してくれて…ファンの人もツイッターで喜んでたし!3秒くらい映ってたねって。進歩したねって。やったね夢に近づいたねって。。ちょっとだけでも映っただけで凄いの!…えみ、すごく前向きになれたよ^^」
「ほんと……良かったね。でもそれでいいの?」
「ん?」
「アンタ、これじゃあその他大勢の女じゃない?」
「!!!!!・・・その他大勢で終わる女じゃない!絶対無い!!」
「えみちゃん、かえっておいで・・」
「薔薇を着飾るかすみ草じゃない!絶対無い!!!」
「ねえ、もう、帰っておいで・・」
実際、この歌を歌っていたワンギャルのみなさんがどうなったのか・・
4期のメンバーがこの曲を出したようです。
・・・ほんとうに失礼ですが、存じ上げない方たちばかりでした。。
つまり、その他大勢の女だったのです。もちろん今はそれぞれに素敵な人生を送っているのかもしれないです。芸能界だけが全てじゃないですから。
「ワンギャル」といえば、その他大勢にはならなかった人もいます。それはただ一人だけ。その人は…
釈由美子さん。一流グラビアアイドルとして名を馳せた後は、女優としてドラマ「スカイ・ハイ」がヒット、映画化もされて、そしてバラエティ番組でも大活躍。出演したCMソング「釈お酌」では裏紅白歌合戦に連続ノミネートされるなど、歌手としても活動しているお方です。その他大勢では無いですよね。。
そしてワンギャルの初期メンバーでした。やはり「集団アイドルは初期じゃないと説」も立証されてしまっていたのです!なんということ…!!
ああ悲しい集団アイドル。その他大勢の女達…でも成功すると、いいですね!!いつか……!!
おわり!