さわやかトラウマ日記

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摩天楼オペラのカバー「紅」「魂のルフラン」「DICE」が凄すぎるのでレビュー!

摩天楼オペラが2011年から3年連続でトリビュート・アルバムに提供をしたカバーのクオリティがすごく高くて、カッコよくて凄い!と思ったのでレビューします。

X Japan「紅」のカバー


Kurenai XJapan [Matenrou Opera cover]

CRUSH! -90's V-Rock best hit cover songs- - Wikipedia

「CRUSH! -90's V-Rock best hit cover songs-」という2011年1月に発売された、「ネオヴィジュアル系バンド」による、90年代V系黄金期><の曲をカバーをしたオムニバスアルバムに収められた、摩天楼オペラ「紅」です。

まず、最初から、このバンドの特性を表していると同時に、この曲にとって重要なものが、初めてCDの音源の正規録音をして収められていることに気づきました。

イントロは、原曲は、ストリングスでの短いイントロの次に、TOSHIの歌とギターによる伴奏で、英詩の歌が歌われます。摩天楼オペラのカバーは、歌に、ピアノです。この部分がピアノだということに違和感を感じないのは、ライブでこの部分をYOSHIKIがピアノで弾くことがあるからです。その部分はライブの音源にはあっても、正規の録音にはなっていないです。だから貴重だなと思うと同時に、バンドのメンバーにキーボードがいるという貴重なアイデンティティも、知らしめることになったのかなと感じました。

その次のビートに入る時も、ギターのリフのようなフレーズをシンセサイザーのストリングスを持ってきていて、凄いな。勇気があるなと感じました。そしてそれがとてもよく合っています。普通「大先輩への尊敬」などと言って忠実に守ったりする事もできたとは思うのですが、そうしなかった。摩天楼オペラにはキーボード奏者がいるんだということを、わからせてくれました!!

また、ギターもそのままコピーをしつつ、フレーズを付け加えたり、最後の部分で華麗な速弾きを大胆に取り入れたりしてい、バランスが良いと感じました。キーも原曲そのまま。なかなか歌いこなすのは大変だと思いますが、自分のものにして見事に歌い上げています。モノマネではない本物のヴォーカリストなのでしょう。

映画『新世紀エヴァンゲリオン 劇場版の主題歌魂のルフラン」のカバー

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「V-ANIME ROCKS!」2012年に発売のオムニバス・アルバムに収録された「魂のルフラン」のカバーです。エヴァンゲリオンという熱狂的な支持があるアニメ映画の主題歌です。このカバーには、そんなエヴァンゲリオンのファンの方たちへの気遣いがあると感じました。原曲のイメージを決して崩していない。しかし自分達ができるもの、メタルバンドならではのアレンジ、ツーバスなども施されています。

原曲を歌ったのは高橋洋子さん。ハイトーンボイスながら優しい声の持ち主の方です。この女性の曲を男性が歌うと、どうしてもキーの調整が必要となります。摩天楼オペラもやはり下げてはいますが、男性としてはやはりかなりのハイトーンです。他のヴォーカリストなら、もっと下げるか、1オクターブ低くしてキーは少し上げたりするしかないです。それではイメージが違ってしまいますよね。苑の声の特徴と魅力がよく出ていると思います。

中間部にあるSE的な映画の場面かのような場面も、省略せず導入をしています。ここをカットしていたら、曲の壮大さが消えてしまうことになっていたでしょう。

hide「DICE」のカバー hide TRIBUTE SPIRITS II -Visual SPIRITS-より

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hideはこの界隈にオルタナティブを持ち込んだ人です。

Xの時からそうでした。YOSHIKIの曲とは全く逆のような世界のある曲を持ち込んで、それがXの深みにもなっていました。それはソロ活動でも顕著でした。いわゆるこの世界にあるかのような出で立ちではなく、ファッション面、そしてヴィジュアルにおいてもなかったのものを持ち込んだ人でした。もちろん音楽面においてもです。ソロはもちろん、外国人とのユニット、zilchにもそれが現れています。世間的に見るX JAPANのイメージとは違うもの、異なるもの、日本のロックシーンにはあまり無かったもの、メジャーシーンのトップにいた人がやらなかったことをやっていたのです。

しかし、残念ながらその思いは途絶えてしまいました。

生きていた頃から、ロックシーンの音も変わり、音楽も変わった。その時代の音がある、hideが残したものを、今の世代に見事にあわせた。コピーではなくカバーという形にした。hideのキーよりも高くしたのは、苑のキーに合わせての事でしょう。それが効いたのか、ボーカルラインはより明確になっています。DICEという遊戯の中に、何かの真実を見出そうとするストーリーにおける、切迫感、どこか楽観的でもあるこの曲をよく表現できている感じました。

摩天楼オペラの「DICE」は止まってしまったhideの世界を自分達の色で更新したものだと考えます。一部でこれを否定する人もいるようですが、それぞれの好みはあるにせよ、自分はこれを評価すべきであると考えます。

君の思い通りの 花を咲かせよう
むしり取られ 枯れる前に
いつしか つぼみは花となり
理想を吐き出し 君に語るだろう

 この曲の歌詞に込めた思いそのとおりだなと気がついたので、引用をしました。hideの思いはきっと届いているのかな、と感じました。

終わり