今日は、久しぶりに映画を観に行きました。最後に映画を見たのは上田映劇に長野生活の最後として、見たときです。それは1月の終わりでした。あんなに毎週、なんども映画を見ていたのに、映画から遠ざかっていました。
それは普通に、見たいなと思う映画がなかった。そもそも自分は映画の探し方というものを知らなかったのです。それでも多く映画を見ることができたのは、上田映劇という場所であれば、なんでもいい。とにかくここで上映されているものは、全部見よう。と決めたからです。
そして今日『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』を観ようと思ったきっかけは、これです。
ソン・ガンホ主演の韓国映画「タクシー運転手 約束は海を越えて」が面白いと聞き、観に行ったら、度肝を抜かれた。現代韓国史最悪の、軍による弾圧虐殺事件「光州事件」をエンタメと結びつけた恐るべきハイブリッド作品。基本実話というのも凄い。https://t.co/VzJTg5CdCe
— 高野秀行 (@daruma1021) 2018年4月23日
僕の大好きな辺境ライター高野秀行さまが、このようにおすすめをしていたのです。幸い近い新宿にて、上映がされていたので、行くことにしました!
まず、この映画は韓国映画です。韓国と僕はなぜか縁があります。
僕はコリアンタウン新大久保に住んでいました。そして、一時期韓国系の企業で働いていました。そして、その時かどうかは忘れてしまいましたが、韓国へ旅行にも行きました。
韓国旅行で一番心に残ったのは「板門店見学ツアー」です。初めて韓国へ旅行をすると決まった時、いきたいところはここだけ、でした。僕は北朝鮮に当然の如く関心がありました。テリー伊藤の「お笑い北朝鮮」をニヤニヤしながら読んでいるような矢張り下世話な入りかたでした><
※板門店で撮影した記念ショットです><
実際にそこで強く認識したこと、それは「戦争」です。未だに韓国と北朝鮮は戦争中であり、今は停戦中だということ。頭ではわかっていても、そこに漂う緊張感と兵士たちにより、それを認識させられました。ソウルの街は完全なる都会であり、停戦中だとも全く思えないほどです。
韓国系企業の前にも、韓国人の方が同僚にいることもありました。彼らはこのような中で育ってきたんだ、新大久保の街にたくさんいる韓国人たちも、僕たちとは全く違う状況の中で、育ってきたんだとも認識しました。
今日は、北朝鮮に関する、新しい動きがあった日です。偶然ですが。
この映画『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』は、1980年に実際に起こった「光州事件」で起きた出来事を基に構成をされた映画です。
「光州事件」とは…動画見てください。
正直に言いますと、自分は「光州事件」について、よく知りませんでした。光州という場所がどこなのかも。何があったのか、どのような事件だったのか。
しかし、映画になるような事があった、そしてこの映画が韓国で大ヒットした、ということは知っていました。
たくさんの民衆が政治的な反乱を起こし、軍に虐殺された。事件当時、軍は政府を掌握していて、思うがままに、民衆を殺した。反乱を収めるために。そしてその事実は隠蔽された。それを探るため、真実を残すために、ある東京在住だったドイツ人の記者が、光州に乗り込むためにソウルへ行き、光州へ行くために、タクシーを手配した。主人公はその「タクシー運転手」だった、というのが映画の概要です。
この「軍が民衆を虐殺」ということが、実際にあった。韓国であった、ということは、驚くべきことではないのかもしれません。が、これが起こったのは1980年なのです。自分はもうこの世に産まれた年でした。そしてソウルオリンピックが開催されたのは1988年です。たった8年前に、韓国はまだ民主政治ではなかったのです。そんなことを知らない自分の無知を恥じました。。そのことに気づいた、それだけでも収穫でした。
この映画はテーマは重いのですが、主人公のソン・ガンホが演じるタクシー運転手は、人柄のよさとユーモアに溢れる能天気な人です。だからこの事態にも対応できた。観客からは笑いがいくつも溢れていました。まさにエンターテイメントです。
そして先程に挙げた実際にあった映像と全く同じような、「ドイツ人レポーター」が撮影したであろう景色と同じ、地獄の景色が再現されていました。
人々が殺され、家族が殺され、友人も殺され、病院には重傷者と死体に溢れ、軍は銃を乱射し、死体を踏みつける。そのような事をつつみか隠さず全て、再現していました。
最後には、もう亡くなられたドイツ人レポーターが事件について語る場面もありました。事実だったんだ、とわかりました。そしてもう一人の主人公についても言及もありました。
これはあくまで「事実を基に再構成をした」であろう場面もありました。それは最後のカーチェイスの場面です。次々とCGではないような車の衝突と転倒が描かれていました。すごい迫力です。日本映画では、こんなことができるのかな?なんて思ってしまいました。韓国は映画産業に国も力を入れている。ドラマにおいては、日本よりも自国意外でも圧倒的なセールを誇っている。それは、規格を国際基準にあわせてドラマを制作しているから、だから俳優のギャラも高い。なんてことも思い浮かべました。
僕は韓国の映画というものを、あまり見てはいませんでした。以前、今日上映された劇場「シネマート新宿」において上映された、韓国の大ヒット映画「新感染 ファイナルエクスプレス」が見たかったのですが、その時は家探しのための上京で、時間が合いませんでした。なので、また韓国映画を観る機会があり、今日みたかった、というのもあります。
今日は良い映画を見たな、と思いました。いつものように。137分という時間が、あっという間でした。日曜日の朝なのにお客さんがたくさんいました。そして年齢層が以外に高かったです。良い日曜日になりました。おわり!