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【METAL】Gargoyle「璞」(1992) 人の為と書き 偽と読むだろう

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璞

 

 本日、GargoyleのKIBA以外のメンバーが脱退するというニュースがありました。便乗しているようで、恥ずかしいのですが、これを機会に彼らの代表作のひとつである「璞」をレビューさせていただきます。

このアルバムは、初回版の縦長の絵本のような装丁のものを、高校生の時に買いました。この時の最新音源だったのは間違いないですが、発売当時に買ったのかはもう覚えていません。

Gargoyleを知ったのは、もちろん「ロッキンf」です。METAL雑誌に載っていた、ド派手な衣装、きわめて和風のような衣装は、今ではありきたりなのかもしれませんが、当時は新鮮でした。当然当時は「ヴィジュアル系」という言葉ありませんでしたので、自分としては聖飢魔Ⅱみたいな感じなのかなあーと、思っていました。

そのうちに、過去にGargoyleに対してメジャーのレコード会社が「公開質問状」を雑誌の広告に掲載した、ということを知りました。内容は「なぜメジャーデビューの交渉に応じてくれないのか」というような、内容だっと聴きました。それを見た覚えないのですが、確実にあったようです。そんなに価値のあるバンドなんだ、と聴く前に知ることができました。そんなこと、後にあったのでしょうか??

そして「璞」以前に、もう渋谷公会堂でワンマンライブを成功させていたということも知りました。渋谷公会堂でワンマンライブができるインディーズというバンドは、当時ほとんどいなかったと承知しております。

 

初聴きの感想は…「これは聞き手を選ぶ音楽だな」ということです。当時はインターネットもなく、僕の住んでいるど田舎では「試聴機付きのCD屋」なんてもちろんありませんでした。それでも買いました。雑誌にのっていた、情報源がそれだけだったからです。

そして重要なことに気づきました。個性です。こんな個性的な音楽は他にはないのではないか?ということに気づきました。個性的な音楽。そう言い切れる音楽を、もう久しく聴いていないような気がします。しかしGargoyleの音楽は、時を経ても個性的であるということ、そして、それは単なるオリジネーターではない、「後に続くもの」が到底表れないものである、というのは、今の意見です。

「璞」収録曲

  1. 真王
  2. 凱歌
  3. OPEN SESAME
  4. 人の為
  5. Cogito,ergo sum
  6. PROPAGANDA
  7. HALLELUYAH
  8. 不倶戴天
  9. 頭ガコワレタ
  10. DOGMA

「璞」のブックレットには各曲にたいして、よりイメージを増幅させる素晴らしいイラストが掲載されていました。1曲め「真王」はなにかの王の首を獲り、KIBAの顔に似た生首に変えるイラストでした。メンバーは共に「謀反敢行」をしているような描かれてかたでした。しかしこの曲は、メロディアスだと感じます。KIBAの声がダミ声ですが、メロディアスです。そしてダミ声なのに歌詞が聞き取りやすいです。不思議です。

そして1曲めから炸裂するギター、流麗なギターソロは、屍忌蛇です。屍忌蛇もこのアルバムの重要な鍵となっています。

2曲め「凱歌」はただのメタルバンドではない、という事を見せつけてくれる曲です。ベースのライトハンドの浮遊感ただようイントロから、アップテンポ、しかし突然KIBAが細かく詩を叫び「もっと上へ!」と何度もさけびそして「凱歌」のような歌い上げをする。そしてダミ声をやめ、「凱歌」を子供の声と歌う、そしてまた戻る。そんな演出もひかる、ものすごくドラマティックな曲です。

3曲め「OPEN SESAME」はそのまま「開けゴマ」ななのですが、4分の4と4分の3と4分の5拍子が入り乱れる、変わった曲です。しかし貫かれるポジティブなメッセージを感じる曲でもあります。「空よ開け」「ゴマ!」なんていうやりとりがライブでは繰り広げられいたのでしょうか。僕はGargoyleのライブを一度も見たことがありません>< でもまだGargoyleは無くなっていない。いつか見られたらなと思います。

4曲め「人の為」この曲のこの歌詞がずっと心に残っていました

人の為と書き 偽と読むだろう

ほんとうにそうですよね。「自分の為に生きろ」という事を問う曲です。人の為、なんて偽り。ほんとうにそうです。

この曲は屍忌蛇の好きな高中正義を意識した、ポップな曲です。後の「Natural」にもこのような曲がありました。みんなでライブで楽しむ感じの曲です。女性ボーカルとの掛け合いも聴いていてたのしい。ほんとうにGargoyleはエンターテイメントであり、すばらしい音楽集団なんだなと感じさせてくれる曲です。

5曲め「Cogito,ergo sum」はリメイクであり、より劇場的になっている感じました。KIBAはインタビューでかつて、こんなことを言っていました。

「ライブは時間の芸術である」

Gargoyleにおいて、ライブは重要なんだ、ライブこそがGargoyleの命であり、芸術の表現なんだ、ということ。この落ち着いた曲は、「時間」の中のひとつであるのかな。と中間に停止をあえてしている、ような曲だと感じました。

6曲め「PROPAGANDA」プロバガンダ。政治的な宣伝。北朝鮮とかによくいわれるもの。この曲の歌詞は「暗黒大陸」「透き通る」「荘厳な異形」「臨月の傀儡」だけ、です。あとはP・R・O・P・A・G・A・N・D・A、だけ。しかし、何かをかんじさせるもの、ここの言葉だけでは到底語りあげられない、そんな曲、として書けないのです。申し訳ありません。

7曲目「Hallelujah」はGargoyleの代表曲のひとつです。ロッキンfソノシートにもなりました。ツーバスドコドコに16符音符のバッキングに、KIBAの暴力的な声と、女性コーラスとともに冴え渡る、神秘的な曲です!そして一瞬のブレイク、KIBAの「普通の声」を経て、「いざ坩堝へ」の掛け声ともに、始まる屍忌蛇の圧巻のギターソロ!これは、日本METAL氏に残るギター・ソロだと感じます。あまりこの界隈、METAL界隈に明るくないのですが、僕はそう感じました。とにかく素晴らしい曲です。アルバムのハイライトにふさわしい、名曲です!

8曲め「不倶戴天」

不倶戴天とは、「同じ世界に生きていたくない」という意味です

だそうです>< 意味を知らなくて…調べてしまいました。どうりで怒りを感じさせる曲です。パンクなのかな?しかし、静かな怒り、しかし重い、音も重いのですが、つたわる気持ちもヘヴィです。

9曲め「頭ガコワレタ」最近のヴィジュアル系バンドでもモチーフである「頭がコワレタ」みたいなのがよく使われているような気がします。軽いちょっとおもしろおかしいような曲に聴こえてしまいますがしかし、ボーカルはKIBAです。「ちょっとおかしなかわいこボクチャン」みたいなものとは違います!!ととととととまらない!この「とととと」のバリエーションが楽しい、ライブではもっと変わったりするのかな?

あらためて、Gargoyleは「ライブという芸術を用いた、エンターテイメント」なんだな、と感じさせます。それにしても演奏のなんとうまいこと。ギターはもちろん、ベースもドラムも、超一流だと感じます。僕はGargoyleの前に、筋肉少女帯を聴いていました。筋肉少女帯もエンターテイメントで、演奏は超一流で、ボーカルは大槻ケンヂさまのアレな感じなのです!通じるものがあるな、と今感じました。

10曲め「Dogma」きました。アルバムラストにて、ついにきました。まさに「ラスボス降臨」という面持ちの曲です。KIBAのまさしく地獄のそこから這い上がった真王のような、歌声で繰り広げられる、他には無い世界感をあらわす、音!ギターリフにもとづいてた歌のフレーズ、それにまた絡みつく、百万本の刃のようなギターのバッキング…

そして、いよいよはじまる間奏…。Gargoyleではおなじみの、ヴァイオリニストが参加し、ギターの屍忌蛇と繰り広げる速弾きの死闘!屍忌蛇はこれを楽譜に起こしてヴァイオリニストに弾かせたとのこと。当時、ロッキンfにて、有名な海外のギタリストと屍忌蛇が対談(クリス・インペリテリかなあ??」)がをしていたのですが、この「Dogma」を聴いて、驚き、そして絶賛していました。ギターもヴァイオリンもすごいね!と。なによりも圧巻なのは、一度途切れて、また始まるその展開。歌の咆哮と共に、「璞」の物語は終わります。

聴きながらレビューをしたのですが、ほんとうに楽しかった。普通に。エンターテイメントとして上質です。とてもわかりやすいです。

 

Gargoyleを聞こうとしたきっかけのひとつ、がもう一つありました。

それは黒夢清春がKIBAの歌詞を絶賛し、今、影響を受けていると言っていたことからです。その後、帝王切開というイベントでもツーマンで共演をしていました。今はどうかはわかりません。が、そのような影響力もあったということです。

 

孤高のバンドとして、長く活動をしてきた。正直、ほんとうにお疲れ様でしたと言いたいです。辛いこと、たくさんあったと思います。このまま続けることができたら、どんなによかったのか。メンバー脱退の真相、僕はもちろん知りません。でもここまで長く続けてきたこと、それは事実です。ほんとうお疲れ様でした。

まだ、Gargoyleは続いていきます。そしてたとえ終わってしまっても、僕は忘れません。

おわり