僕は自分のことを「天才」だと思っています。
その事は一般常識的にみて、恥ずかしい事、「イタい」事だと、当然に思っていました。だから、自分で口にはせず、そして言われることもからも失くなってしまった。
仕事でその天才ぶりを発揮することはできなかった。当然です。ずっと長いあいだフリーターだった。全くやる気なし。それでも、たまたま運良く、誰もが知っている会社複数に潜り込むことができた。
しかし、そこで得られたものは、何もありませんでした。
「天才」の僕は成りをひそめたままでした。
僕はこの長野県にて、小中高を過ごしました。
その間、何度も何度も、他人か自分のことをこう言いました。
「高木くんは天才だ」
と。
学校の音楽の先生には、かならず言われました。中学の時は吹奏楽部の顧問の先生二人に言われました。絶対音感があるとの指摘もうけました。
高校の時の音楽の先生二人にも、言われました。定年退職まじかの先生に、今までやってきた中で僕は一番すごい。そして後任の先生には、凄いけれども雑すぎる、という指摘もうけました。
短期大学の音楽学科では、その天才性が指摘されることはありませんでした。音楽の試験ではうまくできなかった、というのもあります。
それでも2年の時に赴任してきた先生に、僕が天才だ、という指摘をされました。
僕のやることなすこと、すべてを評価してくれました。誰にも理解されないだろう作った卒業制作のDTM作品「エドヴァルド・ムンクの連作絵画フリーズオブライフによせる交響詩」に最高得点をつけてくれた、そして、卒業演奏フランツ・リスト「巡礼の年第3年エステ荘の噴水」にも高得点をつけていただき、卒業演奏会にも選抜されました。
この先生とはこのブログにおける「奇跡の再会」を得て、再度繋がりを持つことができました。そして、メールの中でもやはり、僕の事を「天才」と言ってくれました。
そして、長野生活の最後のしめめくりとしたいと思い、同じアパートの違う階に住む御方を自分の部屋にまねき、自分のピアノを聴いてもらいました。
その方は騒音がきになるらしく、僕の電子ピアノはヘッドフォンジャックが2つあるので、2つのヘッドフォンで、演奏をしました。
僕はずっとずっとヘッドフォンでピアノを弾いていました。そうです。ずっと一人なのですが、ヘッドフォンなので、一人。でも今日は違うんだ、と思いました。いつもと同じ環境なのに、今日は違う人がいる。
すごく嬉しかった。この体験は初めてでした。いつもと同じように演奏はできなかった。あまり得意ではないジャズとかを弾いたのです。でも、最近はジャズの真似事を弾くのも好きでした。どう評価されるんだろう。
弾き終わり「あああよくないですね」とボクが謙遜で言ったところ。こう言ったのです。
「すごいよ。君は天才だよ。すごいね。なんでこんなところにいるの。もったいないよ」
嬉しかった。
僕も、そう思っていたのです。
僕は天才だと、ずっと昔から思っていたことに気づきました。
でも実際はその「天才」から遠くかけ離れた生活になっていることが、もったいない。
それはずっとずっと、そう思っていました。
くだらない社会の中で、居場所がみつけれられない。ただの非正規労働者として、軽く扱われる。
こうしてブログで自分が天才天才だと、アピールしなくてはいけない。
でも、実際、過去に僕の演奏を聴いてくれた人たちには、かならず言われたのです。
僕は天才だと。
それはショパンやリストやラヴェルなどを弾いた時ではありません。自分だけしかできない音楽をやった時だったと思います。
そして、一番自分の演奏を聴いている人、もちろん自分です。
その自分が、自分を天才だと思う。
そして自分の中に客観性を持つために、このブログを始めたのかもしれないということにも気づきました。それは、昔から「文章も褒められた」という経験則に基づくものであったのかもしれない。文章というものは自分にとっては簡単なものです。ラクにすらすらでてくる。そして、楽に発表できる。
だからこれを自分の天才性を世間に認識させるための道具に使っているとも、気づきました。
長期間におよびこのブログが続いてきたのも、それが要因だったのかもしれません。
すべてが「自分の天才性」をアピールするための客観的な視点を持つということへの証明だった、「音楽をわかっている人アピール」をし、「自分が天才だ」と思うことへの正当性を証明したかったのだと気づきました。
僕はこの先の人生、くだらないつらいことが沢山おきるでしょう。
でも、こわくないです。
僕が「天才」だからです。
まだ、ライブハウスの2曲程度の演奏だけでは、わからない。
そして、録画録音ではそれを証明できないんだと思います。
でもいつかわかる時がくるのです。
僕は、天才です。
14年ブログを続けてきて、辿り着いたこと。
数々のアーティスト音楽家を評してきましたが、
一番天才だったのは
僕です。
おわり!