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「聖なるバンド」Lacroix Despheres(ラクロワ・デスフェール) 渾身のアルバム2枚レビュー!

しばらくこのブログを休むにあたって、「最後に思い入れのバンドのアルバムのレビューを書いて休みます。」と書きました。

それは、このバンドです。

Lacroix Despheres (ラクロア デスフェール)

f:id:maemuki:20161208132510j:plain

メンバーは5人。2006年ごろから活動中とのこと。

詳しくはofficialページをご参照ください。

現在までに2枚のミニアルバムと2枚のシングルをリリースしています。

今回はその2枚のレビューとなります。

official 

http://jp.lacroix-d.com/PC/Top/Top.html

 

その前にいくつか説明したいことがあるので、書きます。

 前書き

1.なぜ休止前に書く最後のブログがLacroix Despheresのレビューなのか。

それはこのブログのタイトルに「聖なるバンド」とあります。ラクロワ様が「バンド」といってもいいのかと思いますが、わかりやすい表現ということで「バンド」としました。「聖なる」と付けたのも理由があります。

それはボーカルの翔さんのプロフィールを見て、気づいたのです。ラクロワ様が「聖なるバンド」だと。翔さんのプロフィールから「好きな音楽、好きな人物」を引用します。

好きな音楽: Maurice Ravel 、Alexander Scriabin、Maurice Durufle、Francis Jean Marcel Poulenc、Wilhelm Richard Wagner、Calro Gesualdo、Devil Doll、 MALICE MIZERALI PROJECT、メタル、ミュージカル、映画音楽

好きな人物:Anthony Warlow (Musical Singer)、Placido Domingo、Mathias Blad (Falconer)、 Ute Lemper、布施明美輪明宏GACKT、michi.、Kami ( MALICE MIZER )(敬称略)

 

そこにはMALICE MIZERがありました。僕にとってMALICE MIZER、そしてmana様は神です。正しく「聖なるバンド」です。なのでラクロワ様も「聖なるバンド」です。

僕の知る限り、僕の感性にもっとも近いバンドなのです。それは音楽ももちろんですが、「好きなアーティスト」で共鳴できる。これはジャンルを問わず音楽好きなら共感してもらえると思います。なので「聖なるバンド」です。

 

それにもっと理由があります。

 

2、好きな音楽に書いてあるアーティスト名が聴いたことないのばかりだけど?

好きな音楽の1番目に「Maurive Ravel」とあります。ラヴェルです。フランスの大作曲家です。誰でも知っている人です。名前を知らなくても曲は知ってます。「ボレロ」とかみなさんご存じでしょう?曲名がわからなくても聴けば「あああの曲ね」と思うはずです。


ラヴェル:ボレロ  ムーティー/ウィーンフィル

ボレロ」以外にもたくさんの有名な曲があります。

ラヴェルといえば「ボレロ」なのですが、僕は同じような舞踊曲のオーケストラなら「ラ・ヴァルス」の方が好きです。こちらは有名ではありませんが、名曲です。

それを Twitterで書いたところ、翔さんが共感してくれて嬉しかった記憶があります。

この曲をヴィジュアル系バンドの人が好きだなんて!夢のようでした。


ラ・ヴァルス(ラヴェル)

この曲は聴けばわかるのですが、最初は優雅な舞踊界という感じなのですが、徐々におかしくなっていき、最後には発狂して唐突に終わります。

 

初めて聴いた時は「この曲は・・・ヴィジュアル系だ!」となぜか思いました。

クラシック音楽は優雅で高貴なイメージを持つのが一般的ですが、時として狂気が入り混じります。作曲というのは個人的な作業なので、そういうこともあるというのは、クラシックファンなら周知の事実です。クラシック音楽の基本は「神への音楽」から始まりました。(教会音楽、バロック音楽など)

徐々に個人的な音楽になり(ベートーヴェンなど)、時代が進むにつれて狂気が入るようになりました。ストラヴィンスキーの「春の祭典」がその走りでしょう。

 

ということで、「やっぱりこの人わかってる!」と僕は嬉しかったのです。

 

さらに「Francis Jean Marcel Poulenc」とあり、一瞬目を疑いました。名前が正式な表記だったからです。普通は「Francis Poulenc」または「F・Poulenc」「Poulenc」日本では「プーランク」とだけで表記されます。しかしフランスでは名前が先、苗字が後なので「プーランク」だけでは例えば僕だと「高木」とだけになるので、「フランシス・プーランク」と書くか「F・プーランク」と書くのが正しいのですが、プーランクで他に有名な人がいないのいで、「プーランク」でも問題無いです。ちなみにプーランク家は名門です。

 

僕として言いたいことは、名前を「Francis Jean Marcel Poulenc」と書くことは「クラシックのエチケット」を知っている人を表すことなのです。すごい。こんな人がヴィジュアル系バンドにいるなんて。プーランクが好きな人がヴィジュアル系バンド中にいるなんて僕の中では奇跡です。

そしてプーランクの音楽が僕は大好きです。一番好き、とも言ってもいいです。その作品はどれも素晴らしくパリの風景が浮かびます。「クラシック界の渋谷系」だなんて思ってます。プーランクについてはいつか別に書きます。

 

あとは「Alexander Scriabin」とありました。これまた衝撃です。スクリャービンが好きなバンドマンなんて狂ってます(褒めてます)

スクリャービンラフマニノフモスクワ音楽院で競い合うほどのピアニストだったのですが、競いすぎて指を痛め、卒業試験でもラフマニノフに負けて2位になってしまいました。その後は作曲を始めます。ラフマニノフもピアニストとして有名なり、作曲家としても後世に名を残す曲をたくさん残しました。僕はラフマニノフも大好きです!

スクリャービンも作曲家として名を残したのですが、徐々に一般的には理解しづらい曲を発表しはじめます。「神秘主義」に傾倒したからです。「神秘主義」ってよくわからないのです。「法悦の詩」というオーケストラの曲があるのですが英題は「The Poem of Ecstasy」です。要するに、エクスタシー系!「そういう曲」です。狂ってる!

また、後期のピアノソナタにその神秘傾向があります。

7番「白ミサ」(Op.64、1912)と9番「黒ミサ」(Op.68、1913)

このタイトル・・・完全にヴィジュアル系です。もちろん音楽はヴィジュアル系ではありません。 

 

3、能書きはいいからそろそろレビューを…

すみません。それでは1stアルバム「Dernier Paradis act1」からレビューしていきましょう。

 

◼︎◼︎Dernier Paradis act1 レビュー◼︎◼︎

Dernier Paradis act1

Dernier Paradis act1

 

 デモテープ等で評判になっていたLacroix Despheresですが、先行シングル「古の刻より舞い降りし者たち」を経てリリースされたアルバムです。

収録曲

1. Prologue
2. La vérité fermée
3. Iris
4. Ouverture de la Soiree
5. 古の刻より舞い降りし者たち(Album Version)
6. Fiore
7. ...avec la viellie melodie 

全7曲ですが、どれもボリュームのある内容で「ミニアルバム」とは言い切れない作品です。後に出たアルバムからすればまだ未完成といった感じですが、それでもクオリティの高さは突出しています。

Dernier Paradis act1とありますが、これは一連の「劇」を表しています。そのact1です。Dernier Paradisとは「最後の楽園」でしょうか。「ロックオペラ」という名の元にその物語が綴られていきます。

現在音源となっているのは「act2」までです。act3がいつ姿を表すのか、それは闇のベールに包まれています。こういうマイペースなところが僕がラクロワ様が好きな理由です。最近のバンドは「生き急いで」ます。そして「死ぬ」のも早いです。そして死んだもの同士がまた結集して生き急いで、死ぬ。

あまりに悲しいシーンの現状から別のところにいるのです。

 

1. Prologue

ピアノから翔さんの語りが始まります。オフィシャルにも記載がありますね。

圧倒的なクワイア、この部分だけで「他と違う」とわかります。和声の重ね方。

「勉強している人」だとわかります。

そしてドラマティックに次の曲につながります。

数奇な運命が今・・始まる!

2. La vérité fermée

スピーディーに展開されるこの曲です。「ツタツタ」というビートに乗せられるテンポの早い曲です。Xから引き継がれたものでしょうか。ラクロワ様の根幹を示すような曲です

まず大事なことなので、書きますがLacroix Despheresのボーカリストは2人います。1人は翔さん。男声です。そしてもう一人は紗夜さんです。担当は「ソプラノ」とのことです。ソプラノがいるバンド、素晴らしいです。二人交互に語りも入ったり、旋律が絡みあったりして、聞き応えがあります。

極めて珍しい構成ですが、以前に同じように男声と女声がいたバンドがあります。

このブログをご覧のかたなら知っていると思うのでまた後で書きます。

 

この曲を久々に聴いて気づいた事があります。

この曲にはギターがあまり目立っていません。 展開部や2回目のAメロ以降は細かいカッティングやバッキングが入ったりしますが、この手の「様式美」的な構成を考えると、異例のギターの少なさです。以降の曲にはギターソロが入ったり、前に出てきたりというのもありますが、基本的に生のヴァイオリン、ストリングス、そしてクワイアが主役となり、曲を盛り上げます。

間奏は4分の6拍子になったりブラストビートになったり、まるで映画音楽のようです。全てが完璧で見た事のない世界が見えます。

そして曲のラストは光の中でも迷い続けながらも

「失くした世界へ飛び立てるために 失くした翼を広げて」

という歌詞で完全終止をもって美しく終わります。この部分は彼らが「失われた旋律を探す探訪者」だけではなく、「美しい答えを探す探求者」であると推察します。

翼を広げて飛び立つさまが見えるようです。僕も翼が欲しいです。

タイトルの 「La vérité fermée」は「閉じられた真実」とのことです。物語はまだこれからということです。

3.Iris

ピアノと木管楽器とヴァイオリンが折り重なる典雅でそして時として激しいバラードです。オペラというよりミュージカル的です。特に激情のサビ。 そして間奏ではギターソロも入って、よりドラマティックに演出されます。全体的にピアノがかっこいいです。ピアノはクレジットがありませんが、翔さんが弾いてるのでしょうか。またこの曲もヴァイオリンがカッコいいです。他のフレーズの絡みが絶妙です。もちろん譜面から計算して音符を書いているのだと思います。贅沢なことです。本当はこれが普通なのですが。

ラストの拍子が変わるところがすごいです。スコアを見てみたいです。「スコアを見て見たいバンド」すごいです。尊敬します。

歌詞は切ないです。ボーカルは翔さん一人です。2曲目にいたような気がする求道者をもとめているのでしょうか。

4. Ouverture de la Soiree

こんどはオペラ的なワルツです。「ソワレ」とは夜の舞踊会みたいな意味です。それへの「ouverture」つまり序曲的なものです。

人々の騒ぎ声と共に典雅なウィンナ・ワルツが始まります。ブラスもストリングスも入り、バックは完全にオーケストラです。シンセサイザーが多用されていますが、まったく本物と比べても聴き劣りしません。それを考えて構築したと推測されます。

 

5.古の刻より舞い降りし者たち(Album Version)

いよいよ夜会の始まりです。先行シングルとしてリリースされたので、事実上のラクロワのデビュー曲となるのでしょうか。

 ミステリアスなイントロを経て、クワイアがあの言葉を歌詞で伝えてきます。

Dies iræ ディエス・イリエ

ラテン語で「怒りの日」を表す言葉です。この言葉はラクロワの他の作品でも出てきます。

クラシック音楽の声楽曲でもよく使われる言葉です。とくに有名なのがモーツァルトの「レクイエム」ですね。聴いたことあると思います。

www.youtube.com

 

CMとか、あと映画とかでも使われている有名な音楽です。映画版の「バトルロワイヤル」でも使われていましたね。

この曲ではパイプオルガンが印象的です。ドラムはツタツタなのに、バッキングはギターもありますが、ヴァイオリンとパイプオルガンとクワイアが絡んで嘘のような世界です。

封じられし、禁じられた者たちが集う時…男女混声のボーカルが異世界へ誘ってくれます。麗しく流れいくメロディ。よどみなく進み、2回目のサビはより一体感を持って歌い手が誘います。

そして…パイプオルガンとクワイアだけになる幻想的な空間。そして3回目のサビは男女がともに旋律を歌い上げます。壮大です。オーケストラがどんどん盛り上がり、ティンパニがBとF#をディンドンディンドン叩いて、最後は華麗にBメジャーで終わります。ああ・・・(嘆息)

6. Fiore

そして事実上ラストの曲です。可愛らしく明るい曲です。やはり出すわけにはいかないですが、MALICE MIZERの「マシェリ」や「madrigal」を彷彿させます。

音数が多いけど良い感じの曲をやるバンドが音数の少ない曲をやったら・・・もちろん良いに決まってます。フレンチポップスというかソフトロックぽさも感じます。

春のささやきのようなメロディが落ち着きます。ライブでも聴きましたが会場がお花畑になったかのような優しい雰囲気の曲でした。

 

7. ...avec la viellie melodie

そしてラストのSEにて「act 1」は終了します。

先ほどの明るい雰囲気を打ち消すような不穏な空気が流れます。

 

このアルバムの 総評はこの次のアルバムのレビューの後に書きます。

そして2枚目のアルバム「Dernier Paradis act2」のレビューです!

 

◼︎◼︎Dernier Paradis act2 レビュー◼︎◼︎

  1. Vox arcana
  2. Scivias (Album Ver.)
  3. Diarium
  4. Passiflora caerulea (Album Ver.)
  5. Le Sortilege
  6. Symphonia ~Seijaku no Chikai~
  7. La rue de l’espoir

2010年12月1日に発売されたアルバムです。

今のところアルバムとしては最新になります。「act3」は発売が遅れるとのことです。

前も書きましたが、マイペースなところも魅力です。なので問題ありません。 

Dernier Paradis act2

Dernier Paradis act2

 

 Amazonのレビューは4件だけで物足りないですが(自分が書けばいいのですけど)全て星5つで激賞されています。

さすがです。

なぜかというとこのアルバムが「凄い」からです。

以前よりパワーアップしています。「パワーアップ」という野蛮な言葉はこのバンドに合わない気がします。「エレガントマシマシ」とかどうでしょうか。ダメですね。

なによりゲストメンバーが凄いです。ドラムがあのそうる透さんです。

そうる透さんがどんだけ凄いのか、普通に Wikipediaのリンクを貼るのでごらんください

そうる透 - Wikipedia

僕は黒夢のサポートで知った気がします。たしか「feminism」だと思います。でもそれより前よりもっと活躍していた「すごい人」です。その人がLacroix Despheresのアルバムに参加するなんて。

またメンバー編成も変わり、新たにギター、オーボエ、フルートの方が配置されました。フルートだけでもすごいのに、オーボエまで入ってこれまたすごい。ダブルリード楽器のいるヴィジュアル系バンド。想像を超えます。あとで解説しますが、曲中でもすごいです。だからすごいです。

やはり前置きが長くなりました。そろそろ曲のレビューを始めます。

 

1.Vox arcana

鐘の音からはじまる短いSEです。

鐘の音…これは重要です。

ロシアの偉大な作曲家セルゲイ・ラフマニノフが「ヨーロッパではどの街にも教会があり、鐘が鳴っている」とありました。合唱交響曲「鐘」という曲についての解説にありました。鐘はヨーロッパを象徴するものです。そして教会も…

このアルバムも鐘、そしてヨーロッパ的な世界観に満ちています。

 

2.Scivias (Album Ver.)

先行シングルとしてリリースされた曲です。あらためて久々に先行シングルバージョンと聴き比べてみたのですが、結構違いがありました。曲の構成などは同じなのですが、

まずドラムの音色が違います。プレイしてるのはそうる透さんですが、音響がこちらのアルバムのバージョンの方がよくなっています。

また、上物のアレンジも変わっていて、シングルバージョンは音数が多く、アルバムバージョンはすっきり整理されてます。アルバムバージョンの方が聴きやすいのですが、シングルバージョンはアルバムにはないコーラスや楽器が絡んできて呪術的な感じがして悪くないです。

 

このアルバムは前作から2年経っています。2年は長いのでしょうか。僕は短いと思います。2年でここまで成長するなんてすごいです。この曲を聴いてシングルバージョンより更に成長してます。

お約束の「ツタツタ」ですが、歌やピアノに絡む、あの2つの音が気になります。

フルートとオーボエのコンビで細かく入ってきます。時にスタッカートで細かく。それも2人とも完璧に揃ってます。楽譜。楽譜はもちろんあるに違いありません。スタッカート、スラー、テヌート、クレッシェンド、デクレッシェンド。楽譜を書いたのは、あの方しかいません。翔さんです。

この木管の感じはまるでモーリス・ラヴェルの「ダフニスとクロエ」第2組曲の「全員の踊り」を思い出させます。

バックに気を取られてしまいますが、ヴォーカルお二人の進化も凄いです。

前作よりも進化しています。確実に努力をしていて、勉強しているのが伝わってきます。それはどの曲も同じです。

圧倒されてアッという間に終わってしまう曲です。余計な部分が無いとも言えます。

 

3.Diarium

アルバムというのはやはりある程度の定則感があるものだと思います。

とくに「様式美」と評される音楽にはよくあることです。

この曲も前作「act1」と同じ様に1曲目の「ツタツタ」から2曲目はミディアムな感じかーと思って聴いていましたが、やはりまた進化しています。前作にはなかった「映画音楽感」が加わっていると感じました。

とくに間奏の翔さんの語りとともに、ギターとオーケストラが絡んでやがては変拍子的な盛り上がりを見せるところは素晴らしいです。この部分の最後にイントロで入ってくるフルート、オーボエ、ギターで入る16分音符の合いの手みたいな主題が挿入されているのが渋いです!良いです!聴けば聴くほど発見があります。。

 

4.Passiflora caerulea (Album Ver.)

 こちらも先行シングルに入っていた曲です。

この曲も、凄いです。 

当時この曲についてレビューしてます。ので引用します。

maemuki.hatenablog.com

以下引用です。

カップリングの「PASSIFLORA CAERULEA」は弦楽アンサンブルとフルート、オーボエとピアノによる、極めて幻想的な、、、もうこれは声楽曲でしょうか、まあバラードとも言えますが。どっちでもいいですね。ヒジョーに厳しい(ここで使う厳しいというのはおごそかな、という意味です)和声の、まあ「ヴィジュアル系」じゃ誰もやらなかった(できない)高度すぎる曲です。こんなのやっちゃっていいの?と初めて聴いた時は思わず笑いましたw

 

普段はツタツタに埋もれがちなフルート、オーボエもめちゃくちゃうまい。「私たちの練習の成果を聴いてちょうだい!」という気概が感じられます。楽器の練習って本当に大変ですからね。まず前提が毎日吹くこと。それもスケール延々とか。ほんとすごいわ。
しかもよく聴くと、フルートがフラッター(という特殊奏法)やってますね!フラッターかますポピュラーミュージックなんて初めて聴きました!

 

曲の印象は。。。象徴主義新古典主義の狭間で、、、1900年〜1930年あたり、東ヨーロッパに産まれた作曲家が、突然ロシアに傾倒し、しかしながらパリの社壇を意識しつつ発表した、みたいな曲です。って全然わかりづらいですよね><
なんていうのか、誰も踏み入れた事の無い、森の奥の泉で妖精さんが舞っている、妖精さん、いらっしゃ〜いという感じです。

 

2009年のブログ・・・なんかイっちゃってる文章ですが、言いたいことはここに全て語られてます。 この曲は一般的には「バラード」になるかもしれませんが、ポピュラーミュージックのそれではありません。「声楽曲」です。

「厳しい和声」というのはわかりづらいかと思いますが、武満徹が使っていた言葉です。非常に高度であり、緊迫感のある和声、つまりコードです。

かなりの作曲能力のある方が作曲したと思われます。もちろん作曲は翔さんです。

「フルートのフラッター」とありますが、フラッタータンギングという特殊な奏法です。

曲でいえばサビの一歩手前の⒈:16秒あたり。歌詞は「失われたひとひらの月が」のところです。プルプルプルという音です。この奏法はクラシックでもあまり使われないです。まさかバンドの曲で聴けるなんて!

まるで鳥が鳴いて・・鳥じゃないな…蟲のような…

ピアノとハープと極上のストリングスとこれまた凄いオーボエとフルートと紗夜さんの歌声で映像が浮かびます。不思議なこの世のものではない映像…ヴィジュアル…そう、ヴィジュアル系。Lacroix Despheresはヴィジュアル系です。真のヴィジュアル系です。

 

5.Le Sortilege

いよいよアルバムも佳境です。この曲はとにかくドラマチックです。

「ロック・オペラバンド」の名に相応しい展開の多い複雑な音楽ですが、ストーリーが見えやすく、進んでいくストーリーともに、細かくアレンジが変わります。

やはり木管の使い方が面白いです。やがて二つの声が絡み、語りも進みます。

「古の刻」に封印された音楽のこと。それを求める彼らの行方・・・

そしてリプライズされる

Dies iræ ディエス・イリエ

このコーラス。この言葉はこの「Dernier Paradis」のポイントなのでしょうか。

いろんな作曲家がモチーフにしたこの言葉。act3でも登場するのかが楽しみです。

この曲も濃厚ながら聴きやすくあっさりしている感じがします。聴きやすいです。

 

6.Symphonia ~Seijaku no Chikai~

7.La rue de l’espoir

 

この曲はいわゆるバラードですが、今までとは違った雰囲気があります。

十分に「クラシカル」なのですが、骨組みは違って聴こえます。

ミュージカル。この曲はロックオペラではなく、ミュージカルです。

自分は勉強不足でミュージカルについてよくわかっていません。

生で観たのは高校の修学旅行で観た宝塚歌劇団の劇場で観た雪組公演「ブルボンの封印/コート・ダ・ジュール」だけです。これはかなり当時かなりハマって、売店で買った宝塚の雑誌を買って読んだりしてましたが、「沼」にはまることはありませんでした。

 

この曲の真価はライブにあると感じます。やはり舞台の音楽なので舞台で映えます。

ラストは「幸せな結末」へ導かれるように展開して感動的に終わります。

やはりLacroix Despheresは素晴らしいです。光に包まれてこのレビューも終了です。

 

翔さんへ

最後に私信です。

僕がこのブログの一区切りとしてLacroix Despheresのレビューを選んだのは、音楽がただ素晴らしいだけでなく、いろいろな縁をこちらが勝手に感じていたからです。

まずは僕のライブに来ていただいたこと。小さいライブハウスの公演にわざわざ来ていただいて、その時の驚きと感激は今でも覚えています。僕のブログがきっかけで、ブログでライブを僕が告知したので来ていただいたと知って本当に光栄でした。

 

それに、翔さんが国立音楽大学作曲専攻卒業と聴き、さっそく調べてみるとある名前がそこにありました。その名前は僕が中学生の時から知っている名前でした。

 その人のおかげでたくさんの知らない音楽を知ることができました。田舎の中学生には刺激的すぎる、先鋭的すぎる音楽たち。でも大好きな音楽です。

その方はもっと大きく大きな存在になっていました。

「血」と「魂」はかならず受け継がれます。あなたの音楽を聴いているとそういう感情に包まれます。僕がLacroix Despheresと出会ったのは運命だったかもとも思います。

 

今、僕は長野の山奥で暮らしています。

東京から引っ越す際にいろいろ無くしてしまったのですが「Dernier Paradis act2」のCDは残っていました。絶望的な状況の中で聴こえてくる音楽は、まさに「天体の十字架」でした。

今後は遠くからですが、応援し続けます。

Lacroix Despheresの皆さんありがとうございます。

 

まえむき こと高木