某雑誌にて「ヴィジュアル系は今「メンヘラ」が完全なるトレンドになっている」という特集があったらしく、それを取り上げたブログを読み、「なんだろう不思議だなさすが僕のヴィジュアルけい。。新しい闇が見つかった。。」と思った、一瞬思ったのも束の間、その浅さと等身大の自分万歳!みたいな現状であるとしり、すっかり心がつかれてしまいました。「すわ私もメンヘラか」かと思い、メンタルクリニックに駆け込んだら「あなたは正常もう来るな」と医者に言われてしまい、更に傷つけられたこころをずっとひきずっていました。
「あんなあさましい音楽を聞いてリスカとか考えてわかい人たちがうらやましい まず生活の心配しなくていいんだろうしな。いいな楽そうで」「ちくしょうバンドも密に蜜で少額蜜で腹を満たしたりとかたぬきの掲示板(仮)でみたぞチクショウ」なんて、恨めしいことばかりが、頭を占領するようになってしまったのです。
論考要約
・かつて愛していたシーンが、レベルの低いシーンになってしまったという事に対する絶望というもの。それが「メンヘラ」「リスカ」を多用をする「メンヘラV系バンド」であった。しかし、自身は「メンヘラ」ではないということが医療機関にも認定されてしまったという、第2の絶望を味わった
・・そんな僕を救ってくれたのが、オフィシャル髭男dism でした。
Official髭男dism - Pretender[Official Video]
もう至るところで彼らが絶賛されていて、語り尽くされているので、このブログで取り上げても仕方ないかなと思ったので、あえて、ゆかりのある自分が好きだったシーンとの比較にて取り上げてしまおう、と加虐的でペシミスティックな視点、V系らしい視点にて、書こうと思ったのです。
この髭男さんたちは、地方にて、インディーズで活動をしていました。それは島根県松江市という、いったことはないのですが、推定に相当な田舎だと思います。しかし、メンバーの名門島根大学を卒業をして、ボーカリストでありキーボーディストであり、このバンドのキーマン、ヴィジュアル系でいえば、「歌えるYOSHIKI」「ちゃんと楽器が弾ける彩冷える時代の涼平」みたいな感じで言えばいいのでしょうか。藤原聡さんは、卒業後にサラリーマンだったとのことです。僕はまずそこに激しい共感を感じました。
2年くらいでもサラリーマン、ちゃんとしたところっぽいところのサラリーマン、しかもド地方だった。そして優秀な営業成績を収めていたということ。そして平行をして、バンドもやっていた。そしてそして、バンドの人気が出た。インディーズなのにフジテレビ月曜9時のドラマのタイアップがついた、そして万を持して、会社を退職。バンドのみんなと上京。一年後に武道館ワンマンライブ。ソールドアウト。
なんて全うな道なんだろう。
論考要約
・Office髭男dismは音楽の基本をわきまえているバンド、そして人生の基本もわきまえているバンドであった。
ミュージシャンを目指して、何のあてもなく上京、または専門学校などに入学をして「おれいつかぜってー武道館にたつんだ」とか喧伝をした後に、下北沢のバイト先で知り合ったサブカルくさい女のいつのまにか小田急線池ノ上駅徒歩7分1Kの狭い部屋で同棲するようになって。でもぜんぜん売れない、どころかバンドも続かなくて。「俺、路上からやりなおす」なんて新宿駅南口で歌っても、誰も振り向いてくれなくて。家かえって「やっぱダメだったよミーちゃん」「かわいそうまーくん、でもがんばろう」なんて!やつらとは!!違うんですよ!!・・なんか書いててこちらも楽しそうだな、とか思ってしまいました。
論考要約
・筆者はかつての自分の姿をここに見出している。しかしそのような事実は無く妄想であるといえよう
ごめんなさい。話がそれました。
彼らの音楽は、ひたすらに全うです。こういう若いバンドにてありがちな、ギターだけ、永遠にギターだけの単純なサウンド。イントロでフロント3人が一斉に飛び上がるような感じのバンドはないです。藤原そう、聡くん?は歌いながらキーボード、ピアノを弾きます。その上手なこと。すぐわかりましたよ。この人うまいって。。
そしてもっとうまいのは歌です。癖がなくて、高音域でも聴きやすい!なんかこう若いバンドにてありがち、そしてヴィジュアル系でもありがちな「ぼくわーーー↑↑↑たかいいーーー↑↑こえがあああでますううポエーーー」みたいなのが、無いんですよね。
それはなぜかなと考えてすぐわかりました。言葉の発音が明瞭だからです。劇団四季さんは母音をひたすらに強調をするレッスンおおおおしているううらしいいですねえええええ←こんな感じで普段から気を付けているとテレビでみました。歌詞を見なくても、何が言いたいのかが伝わってくるから支持がされたのかも?つたわってきました。そして抗えないまえむきさ、さわやかさに僕は癒されました。メンヘラリスカヴィジュアル系のことなんかmyロージーハートな感じで忘れられました。
論考要約
・「これみよがしの金切り声」への憎しみ、ジャンルを超えたもの。
この「Pretender」を聞いて、なんか90年代からのCD全盛期にあったような曲だな、と思ったのです。いわゆる、ミスチル、スピッツ、とか。それと並ぶくらいの曲かな?しかし、そういうバンドには欠けていたものもありました。それはファンク、R&Bのテイストです。それはキーボードがいるということ。メンバーにはサックス奏者もいるということが大きいと思います。
このような、音楽の多様性と、昔のバンドとも並列に語られるような、全うな音楽。
メンヘラヴィジュアル系には、全くないと思います。ひたすらにギターと、錆びをてからせる為だけのようなシンセサイザー、品のない歌詞、そして全くトレンドになっていない現状。official髭男dismは2012年結成 インディーズデビューは2015年。ヴィジュアル系でこの間に、これだけブレイクアウトをしたバンドがおりますでしょうか。
いないですよね。「メンヘラが完全なるトレンド」なシーンになんて、誰も目もくれないんだ、おいてかれているんだ。
それはまあ本望なのかもしれないですね。影の中で。ずっとひっそりやっている。そういう音楽なんです。
燃え上がった炎は、何か燃料が足されない限り、燃え続けることはできません。それがないと消えてしまうのです。だんだん減っていって、消えてなくなる。それもまた運命なのかもしれませんね。
全うではない音楽。
この前の「SONGS」では大先輩LUNA SEAがひたすらに真摯に音楽を追求する姿を見せてくれましたよね。そしてそのLUNA SEAの先輩、YOSHIKIも、彼らをヴィジュアルバンドの代表として、シーンを引っ張っていてほしいというような事も言っていました。
全うではない音楽は、受け入れられない。世間が振り向いてくれない。若気のいたりが相手にされるような時代ではないのです。
official髭男dism「Pretender」の意味は「詐称をする人」「何かの振りをする人」
歌詞の内容に添っているけど、歌詞の中では使われていない言葉です。
皮肉ですね。皮肉。詐称人、何かの振りをしている人。
こういうところで、差がついたんだと思います。終わり。