さわやかトラウマ日記

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SHAZNA「コイノテンポ」日本に「ヴィジュアル系」という言葉を広めた、最初のバンド

 

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1997年、平成9年にSHAZNAが「Melty Love」でメジャーデビューをしました。売上は約80万枚の大ヒットをしました。華やかな「ヴィジュアル系バンド・ブーム」の幕開けだった頃だったのかなと、思います。

そして、ヴォーカルのIZAMは、バンドの代表として、沢山のメディアの取材をこなすことになりました。

その中で、発せられた言葉を僕は忘れません。「僕らはヴィジュアル系バンドです」という言葉です。今まで、自分たちの事をメディアに対して、そのように自分を紹介をした人はいなかったと思います。それは背景に、「ヴィジュアル系」を盛り立てていたテレビ番組「BREATOUT!」の事もあったかもしれません。

そして、自分がそのような格好するようになったルーツのひとつとして、Culture Clubのヴォーカリストボーイ・ジョージを挙げて、その箇所のBGMには、よくCulture Clubの代表曲「カーマは気まぐれ」がかかっていました。

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「カマカマカーマ〜♪」という曲と女装姿のように見えたIZAMの容姿のインパクトがあわさって、後に「ヴィジュアル系=オカマ」のような一部の認識になってしまったのかもしれません。しかし、ルーツをはっきりさせた、自分のルーツとして、何故こんな格好をしているのかという明確化が図れました。

 

当時のIZAMの存在は強烈だったのでしょう。前にブログでも書きましたが、「今、話題のアノ人」みたいな感じで、トーク番組などにも多数出演していました。うつみ宮土理トーク番組になんかにも単独で出ていたのを何故か覚えています。そのようなところでも「SHAZNAヴィジュアル系バンド」などのくだりもありました。なので、この日本における、最初にメディアに「ヴィジュアル系」「ヴィジュアル系バンド」という言葉を広めたのは、SHAZNAに違いないと思います。

そして、同時期の他のバンドには、そういうこと、「僕達はヴィジュアル系バンドです」という発言は無かったと思います。SHAZNAと同期くらいに当たるMALICE MIZERのMana様は後にインタビューで「ヴィジュアル系と呼ばれることはどう思うか」と聞かれ「そこを目指しているわけではないけど、そういう風に呼ばれても別に構わない」とは言っておられましたが。

 

僕は、今まで好きだった、または知っていたバンド達が突然に「ヴィジュアル系」という括りが付けられてしまったことに、強く戸惑いを覚えたことを覚えています。今でもそのように感じています。ほんとうにそうでした。知っていたバンドのほとんどが、メジャーデビューをして、みんなが売れたわけではないけれど、作品をメジャーから沢山出せた。結果を残したバンドもいました。ここに書く程でもない誰でも知っているヴィジュアル系バンドのヒット曲、といえる曲が出ました。Penicillinの「ロマンス」SIAM SHADE「3分の1の純情な感情」などは当時の人だったら、誰でも知っているレベルでヒットをした曲でした。すごい時代でしたね。音楽シーンが活況の時期だったということもあるかもしれませんが。

 

実際に「ヴィジュアル系」という言葉はすごく便利だと思います。「どんなバンド?」と聞かれて「ヴィジュアル系」といえば、話が通じるからです。なので「ヴィジュアル系」はもう固有名詞ではなくなり、ひとつのジャンルとして定着したのかな?そして、それはもう「それが個性」ではなくなったのかな?とも感じます。

ヴィジュアル系」という言葉が定着して、それを表する時点で、もうそれは、どこかの他人と同じだということになってしまうのかな、と思ってます。

 

SHAZNAのデビュー20週年を記念してのプロジェクト再開に併せて「コイノテンポ」を聴いた時、「普通」だな、しかし今となっては普通ではなくなってしまった、この界隈「ヴィジュアル系」の曲だなと感じました。

音もメロディもバックのサウンドもひたすらに優しいのです。そして歌詞は変わらずにメルティーでラブです。ラブソングです。SHAZNAがラブソングに徹したのは、IZAMの信念!なのかはわかりません。そうしたかったからそうしたのでしょう。

ひたすらに、純粋に、恋を歌うということ。素直に表現をする、したいという思いが伝わってきました。この前の記事で若いヴィジュアル系バンドの曲をたくさん聴いてみましたが、手触りがやっぱり違うなと思いました。バンドに思想や過剰で難解なものを持ち込んだり、ギミックも、そして精神的なものや、ネガティブさも感じられない。

まあ大人の音楽といったらそれまでですが。しかし、SHAZNAはそういうもの、シーンにありふれてしまったものを、否定してきたバンドでもあります。

しかし、この「コイノテンポ」の衒いの無い音楽と、お歳を重ねてきたことを隠さない、IZAMの潔さに、やはり、SHAZNAは「堂々と軟弱」していて、この一本気は正しく漢(おとこ)のバンドです!!!と感じました!!!(以下の拙ブログより引用しました!)

 

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