さわやかトラウマ日記

さわやかな音楽ブログです from 2004


さわやかでまえむきな人間になりたい男が
好きな「文化」を語る。
そんなブログです。from 2004yaer。

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ザ・門外漢

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もんがいかん
門外漢
 
  1. その事について専門でない人。転じて、直接それに携わっていない人。
     
     
    慣れないことを始める事、慣れない環境に身を置くことは辛いものだ。
    と、改めて思ってしまった1日でした。
     
    僕は長年、インターネットの世界で生きてきたんだ、と改めてきづきました。アルバイトのコールセンターも、インターネットに関するものだけ、だった。そして初めて契約社員になれた、そして正社員にもなれたのも、インターネットの仕事だった。その後も、ずっとそう。この前までの仕事もインターネットの仕事だった。
     
    そこから離れることは、全然平気だと思っていた。でもそうではないのかもしれない。
     
    文化が、全く違う。
    価値観やコミュニケーション・ツールが違う。何もかもが違うんだ。それに抗うこともやめようと思っていたのに、自分のパフォーマンスが発揮できないのを、そのせいにしてしまっていた。
     
    でも、インターネットを表する企業は、やはり進んでいます。そしてそれ以外のところとは、いろいろな違いと、格差もあるということ。そんなことはわかっていました。
     
    ペーパーレス。紙の時代はもう終わり、だと思っていました。
    前に、務めた会社は、ペーパーレス、紙の時代に対抗をしているような、会社だった。そんなことを語るまでもない国の会社だった。その前の会社もペーパーレスが謳われていた。最後には「コピー禁止」なんて言葉もあった。もう紙に印刷をして、何かを共有するなんてことは、なかったのです。
    メモも禁止されていた。個人情報が出てしまう。企業の情報も。極端かもしれないけど、それは僕にとって良いものだった。
    コールセンターでは、お客様へファックスを送ることも多かった。でもそれはかなり前の話。ファックスがまだ生きていた頃。同じところはあってももう使ってはいないだろう。
     
    口だけで、何かを伝えられて、自分はそれをメモにして、覚えなければならないと言われた。そんなのは無理だ。何かテキストにして、残しておくべきだし、そうしなければいけない、口だけではコミュニケーションの齟齬がうまれてしまう。それを言い出せなかった。
     
    僕にはそういう文化が全く無い。そういう文化の無い会社だけ、で働いていた。
     
     
    そして、今まで業務において重要だったものがなくなってしまった。
    チャット。チャットがない会社なんて、メールが届くのをいちいち待ったりする時間。せっかちなのかもしれないけど、パッとと送ってサッと受け取る。その便利さをもしかして知らないのではないのか?不思議だ。
     
    自分が当たり前のように享受をしていたことが、そうではなかった。それが新鮮、だなんて全く思わないのです。
     
    僕は、門外漢になってしまった。ここから会社に溶け込めるのだろうか。
    正直、インターネットの世界に戻りたい。僕が力を発揮できるのはやはりそこかな。と。わけのわからない、他人が作ったエクセルのマクロを自動で動かすだけ、のような世界は、自分には合わないと思ってしまった。それがメイン業務なのに。
     
    人生とは、ややこしいものです。なんでも簡単にはいかない。いきなり袋小路に入ってしまった。しかし門外漢でも、やるべきこととできることは、あるはずだとも、思ってはいます。
     

【映画の感想】韓国映画『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』軍による民衆の虐殺、事実に基づいた映画です!

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今日は、久しぶりに映画を観に行きました。最後に映画を見たのは上田映劇に長野生活の最後として、見たときです。それは1月の終わりでした。あんなに毎週、なんども映画を見ていたのに、映画から遠ざかっていました。

それは普通に、見たいなと思う映画がなかった。そもそも自分は映画の探し方というものを知らなかったのです。それでも多く映画を見ることができたのは、上田映劇という場所であれば、なんでもいい。とにかくここで上映されているものは、全部見よう。と決めたからです。

 

そして今日『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』を観ようと思ったきっかけは、これです。

 僕の大好きな辺境ライター高野秀行さまが、このようにおすすめをしていたのです。幸い近い新宿にて、上映がされていたので、行くことにしました!

 

まず、この映画は韓国映画です。韓国と僕はなぜか縁があります。

僕はコリアンタウン新大久保に住んでいました。そして、一時期韓国系の企業で働いていました。そして、その時かどうかは忘れてしまいましたが、韓国へ旅行にも行きました。

韓国旅行で一番心に残ったのは「板門店見学ツアー」です。初めて韓国へ旅行をすると決まった時、いきたいところはここだけ、でした。僕は北朝鮮に当然の如く関心がありました。テリー伊藤の「お笑い北朝鮮」をニヤニヤしながら読んでいるような矢張り下世話な入りかたでした><

 

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板門店で撮影した記念ショットです><

 

実際にそこで強く認識したこと、それは「戦争」です。未だに韓国と北朝鮮は戦争中であり、今は停戦中だということ。頭ではわかっていても、そこに漂う緊張感と兵士たちにより、それを認識させられました。ソウルの街は完全なる都会であり、停戦中だとも全く思えないほどです。

韓国系企業の前にも、韓国人の方が同僚にいることもありました。彼らはこのような中で育ってきたんだ、新大久保の街にたくさんいる韓国人たちも、僕たちとは全く違う状況の中で、育ってきたんだとも認識しました。

 

今日は、北朝鮮に関する、新しい動きがあった日です。偶然ですが。

この映画『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』は、1980年に実際に起こった「光州事件」で起きた出来事を基に構成をされた映画です。

光州事件」とは…動画見てください。

正直に言いますと、自分は「光州事件」について、よく知りませんでした。光州という場所がどこなのかも。何があったのか、どのような事件だったのか。

しかし、映画になるような事があった、そしてこの映画が韓国で大ヒットした、ということは知っていました。

たくさんの民衆が政治的な反乱を起こし、軍に虐殺された。事件当時、軍は政府を掌握していて、思うがままに、民衆を殺した。反乱を収めるために。そしてその事実は隠蔽された。それを探るため、真実を残すために、ある東京在住だったドイツ人の記者が、光州に乗り込むためにソウルへ行き、光州へ行くために、タクシーを手配した。主人公はその「タクシー運転手」だった、というのが映画の概要です。

この「軍が民衆を虐殺」ということが、実際にあった。韓国であった、ということは、驚くべきことではないのかもしれません。が、これが起こったのは1980年なのです。自分はもうこの世に産まれた年でした。そしてソウルオリンピックが開催されたのは1988年です。たった8年前に、韓国はまだ民主政治ではなかったのです。そんなことを知らない自分の無知を恥じました。。そのことに気づいた、それだけでも収穫でした。

 

この映画はテーマは重いのですが、主人公のソン・ガンホが演じるタクシー運転手は、人柄のよさとユーモアに溢れる能天気な人です。だからこの事態にも対応できた。観客からは笑いがいくつも溢れていました。まさにエンターテイメントです。

そして先程に挙げた実際にあった映像と全く同じような、「ドイツ人レポーター」が撮影したであろう景色と同じ、地獄の景色が再現されていました。

人々が殺され、家族が殺され、友人も殺され、病院には重傷者と死体に溢れ、軍は銃を乱射し、死体を踏みつける。そのような事をつつみか隠さず全て、再現していました。

 最後には、もう亡くなられたドイツ人レポーターが事件について語る場面もありました。事実だったんだ、とわかりました。そしてもう一人の主人公についても言及もありました。

 

これはあくまで「事実を基に再構成をした」であろう場面もありました。それは最後のカーチェイスの場面です。次々とCGではないような車の衝突と転倒が描かれていました。すごい迫力です。日本映画では、こんなことができるのかな?なんて思ってしまいました。韓国は映画産業に国も力を入れている。ドラマにおいては、日本よりも自国意外でも圧倒的なセールを誇っている。それは、規格を国際基準にあわせてドラマを制作しているから、だから俳優のギャラも高い。なんてことも思い浮かべました。

僕は韓国の映画というものを、あまり見てはいませんでした。以前、今日上映された劇場「シネマート新宿」において上映された、韓国の大ヒット映画「新感染 ファイナルエクスプレス」が見たかったのですが、その時は家探しのための上京で、時間が合いませんでした。なので、また韓国映画を観る機会があり、今日みたかった、というのもあります。

今日は良い映画を見たな、と思いました。いつものように。137分という時間が、あっという間でした。日曜日の朝なのにお客さんがたくさんいました。そして年齢層が以外に高かったです。良い日曜日になりました。おわり!

ゆとり出勤/クビがイタイ/第3じ位の「セクゾン祭り」そしてはてなクソ/会社の飲み会!/厳しい現実

ゆとり出勤

今日もゆとり出勤をしました。「ゆとり出勤」というのが僕の今のトレンドワード(‘д‘)なのですが、ようするに、朝はやめに起きて、なるたけ美味しいものを食べて会社にいく、ということ。そして9時すぎのガラガラの山手線を優雅に楽しむ、というゆとりです(‘д‘)

通勤電車で音楽を聴くことが楽しい、ということがまた感じられたよかった。「今日は何をきこうかなやっぱりクラシックかなビジュアル系(微笑)はもういいややっぱり小沢くんかなそうだ小沢くん小沢くん小沢くんにはなれなかったけど、代々木をすぎたあたりでそうだ「ある光」を聞こうかなそうだああ座れた山手線なのにああ

この曲、ローマからヴェネチアに行く時に聴いたな〜なんて思ったりするのです。ほんとうですよ。

どうでもいいですね。こんな浮かれポンチ!

クビがイタイ

な自分に制裁が加えられたのか、クビが凄くいたいのです。どうやら寝違えたもよう(‘д‘)困りマチア〜。会社の前のビルにドラッグストアがあったので、ドラッグストアベイビーズの僕はそこでなんか対処できるものを買いました。会社のトイレ(広くてきれい)でちょっと脱いで塗ったりしました。スーッととはしましたが、よくはなりませんでした!!

それがよくなかったのか、仕事の調子がいまいちでした><どうにもうまくいきません。仕方ないです。僕は全くの門外漢。文化が違う、WEB企業とは!なんて思ってしまいました。しかしなんとかするしかないなちくしょう

と思っていました。お昼はおいしいフレッシュネスバーガーのスパムバーガーを食べました。

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ただでさえスパムはくそしょっぱいのに、更にしょっぱいソースで胡麻菓子をしているおそろしい品物でした。でも好きです。でも当面いいかな。うつだしのうなんて、思い、「さわやかトラウマ」でTwitter検索をするというかなしい癖のままに、決行しましたところ、なんと自分が過去に書いた記事が紹介され、プチヒットをしていました!

これです

 なんとこの過疎ブログに久々に何百お気に入りがされ、アクセスも倍増しました!稲垣吾郎さまの時いらいのヒットです!あれ…なんかおかしいな…なんでジャニーズネタでこんなに受けるのでしょうか?さっぱりわかりません。ただ、そうなんだと思います。きっと。僕はジャニーズで、やめておきますね!!!

そしてスマートフォンから見たら、「TOP5」が全部セクゾンさまの記事になっていました!家にかえり、PCでもそれを確認しよと思ったら、出ていないです。またはてなのバグです!ほんとにはてなはクソですなんとかしろ俺をいれろ入社させろ!!!

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現実

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PCMacでみると、これですよ!!同じ時間なのに、ひどすぎるはてなはてなよ!

会社の飲み会

ふつうの人(CDなんてもう買わなくなったようなひとたち)だったら、「会社の飲み会」だなんて、うつなはずです。しかも今日は僕ともう一人、同日入社の人の歓迎会です。ふつうの人(女々しくてをカラオケで歌うような人たち)だったら、いやなはずです。でも、僕はもうふつうではないのです。飲み会がたのしみでたのしみで。「おかしいのかな」とちょっとおもう節もありました。

が、本来はそれでいいはずなのです。僕はおかしくない。まわりがおかしいんだ!!

そして、実際にとても楽しかった。同日入社の人は、あきらかにおかしい人なのです。品行方正で2児のパパ。家の住宅ローンがなやみ…という人なのですが、「こいつはあきらかにおかしい」と僕は気づきました。でもいい人なのです。そして今日はその隠している素顔も明かされました!!

こんな感じっです。そして、途中合流したチャラい偉い人!話をよくきいてみたら、女もギャンブルもやらない、なんだか謎の人でした。そしてとても真面目な人。天性のチャラさに気づいていない人でした!面白い!!

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なんと会場は当日でも未定で、歩きながら客引きにつられて決めたテキトーさ加減が良い感じでした!「ボッタクリじゃないですよね?」と同日入社の方の疑り深さに唖然としましたが、ここは良い店でした!なんといってもおごり!でした。僕は食い意地がはっているので、話はそっちのけで、片っ端から食い散らかしていました。みんな呆れていました><でも食べるの大好きなのです。よく「嫌いなものありますk」「ないです!」と即答をします。「僕ってすごいなあなんでも好きなんだほこらしい」と感じる瞬間です!!

厳しい現実

世の中は、楽しいことばかりではないんだ、と感じることもありました。どうにも矛盾がある世の中です。自分の話ではないのですが、身につまされました。

どのみち僕は、この会社でがんばろう、そういう気持ちにもなれました。そして明日明後日休みです!貴重な休みになります。会社はなんと祝日は出勤なのです(‘д‘)なので、来週も普通に出勤です(‘д‘)(‘д‘)(‘д‘)

このような厳しい現実もあります!

でも今日は楽しかった!!!おわり!!

【OL日記…】悩みがあります。僕の頭がBAKUHATU毛が多すぎる、でもサラサラ。おじさんなのに

今日は、文化的なレビュウを書こう書こうとしていました。しかしもうこんな時間です。もうあきらめました。

そのかわり。ずっと今日レビュウなんかよりも書こう書こうキーボードを打とううとうとしていたことを素直に書きますね。

 

僕の頭がBAKUHATUしました。僕は毛の量が多いのです。今日は深夜にシャワーを浴びたので、朝のシャワーを頓挫しました。そのせいか、頭がBAKUHATUしたまま、会社に行ってしまいました。毛の量が多いと寝癖つきやすいのです。困りました。「まだ髪の毛があってよかった」なんてちょっとはやっぱりおもうけれども、また理容室にいかねばならないのです。

しかし、僕の髪は今、さいこうの髪質なのです。

おじさんなのに。

もう止められません悪癖を暴露し自爆しましょう。

僕は、いったん自分の髪をさわると、止められないのです。

深刻に「自分の髪さわり中毒」になって、しまいました…!!

 

そっと指にそれをはさむと、適度な湿度をもったそれが、自分の指をつつみこむのです。しかし、指通りのなめらか。まるで絹の川のようであります。ああ、なんて。

でも、おじさんなのです。「おじさんなのにこんなに髪サラサラでいいのか」なんて思ってしまいます。

よくないです。

でも、「髪サラサラ」だということは、良いことだとは思うのです。

 

そして、今日、自分の手が、異常にしっとりとしている、ということにも気づきました。上質高級まるでシャネルのクリーム、GUCCIのクリームを塗っているかのような質感。

どうしておじさんなのに、こんなに手がしっとり、なめらかキモチー手なのでしょうか。

 

しかし、今日、この前自費で泣きながら受けた高額入社用健康診断の結果を受け取りました。

そこにはこう書かれていました

「腹部周りが基準値以上 成人病に注意」

 

でも、髪がサラサラで、手がしっとりなのです。

どうしたらいいのでしょうか???

 

小袋成彬「分離派の夏」

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分離派の夏

分離派の夏

 

 静かなるものは、語らない。いつか消えていくものは、何も残さない。

だけど、その輝きを記憶しているものには、永遠に残っていく。消えていったものなのに、そこに残り続けるから。

 

小袋成彬という人を、僕はよく知らない。なぜ最初に聴いたのかもよくわからない。僕はシンガーソングライターの音楽というものは、余り好きではない、特に日本の男性シンガーソングライターなんて、あまりというかまったく興味がない。彼ら、とくくってしまうのは、乱暴だけれども、共通することは、「サウンドへのこだわり、挑戦が全くない」という、偏見ともいえる考えがあった。

しかし、前にブログで書いたように、彼のサウンドには感じるものがあった。

 

maemuki.hatenablog.com

いつしか、この「分離派の夏」の待ち遠しく、しかしすっかり発売を忘れていた自分もいた。ある日突然、Apple Musicに先行配信分を除いて全て勝手にダウンロードされていたのだ。聞かなくてはいけないのだろうか。「分離派の夏」の意味も全くわからないのに。ネットの利点である「Google」でまずは「分離派」で検索してみたけれども、さっぱり何がなんだかわかることもできない。絶望である。絶望だ。「分離派とは何ぞや」というところからはじめなくてはいけないなんて!

このコブクロいや失礼大いに失礼小袋成彬は、アルバムの最初から、最高に人をなめたことをしてくれた。「042616 @London」と題されたトラックは、いきなり、彼の友人、ロンドンに住んでいる友人の、一方的なインタビューの語りからはじまる。川端康成がどうこう、伊豆の踊り子がどうこう、川端康成が、いったい何を考えているのだろう。そりゃあ ノーベル文学賞取ったけれども、今どき川端康成なんて読んでいる若者が、いるという事を知ってしまった、どうしたらいいのか、更に、三島由紀夫ベートーヴェン、宮﨑駿がどうこう、芸術がどうこう、作品を残すかどうこう、いきなりファーストデビュー・アルバムの冒頭にて、こんな事を語るだけのトラックを入れるだなんて。彼はもしかしてほんとうの基地外なのではないのでしょうか。しかも、他人の語り。意味がわからないのです。

でも、親近感を感じた。同等だと感じてしまったから、自分と。

 

その後のトラックは、内省きわまりないもの。音響でその内省を表現していると感じた。ひつようの無い音を廃した世界は、すき間から誰かの叫び声が聞こえてくるよう。ほんとうの明けないでもここち良い闇がそこにあるような気がする。

ひつようの無い、音の世界が語りかけてくる、何かを。なくしたもの、うつくしいもの、ながれていったもの、そしてながされてしまった自分を。影はいつでもそこにある。

計算されつくされているのは、空間的なエフェクトだけではない。人の手による、数え切れないデコレーションが絶え間なく、さり気なくいつも流れていて、潤沢なコーラスが耳に華を添えてくれる。彼以外の人の声も表れる。でも、実態の無いような声も。

 

彼、小袋成彬の声は、宇多田ヒカルが指摘していたとおり、稀有なものである。生命力にあふれているのに、力がはいっていない。ゆううつな彩りに満ち溢れた世界の説得力を支えるものだと感じた。そしてトラックメーカーとしても自立をしているということもわからせてくれる。見える世界を音でも見せてくれる。言葉だけに頼っていない。日本のSSW、ならびにほとんどの「ジェイポップ」は幼稚な世界のまま。そこにとどまっている。彼はほんとうの意味での、自立をした大人の精神世界をみせてくれる。

どの曲がどうこういうべきではない。あらがえないリアルな絶望と希望がここには存在している。映画というものにも近いのかもしれない。かならず終わりがある、音楽にはかならず終わりがある。そして、人間にもただ限られたひとときを、過ごすだけ。

 

 静かなるものは、語らない。いつか消えていくものは、何も残さない。

だけど、その輝きを記憶しているものには、永遠に残っていく。消えていったものなのに、そこに残り続けるから。

 

終わり