さわやかトラウマ日記

さわやかな音楽ブログです from 2004


さわやかでまえむきな人間になりたい男が
好きな「文化」を語る。
そんなブログです。from 2004yaer。

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集団行動「集団行動」

 

集団行動

集団行動

 

 全く素性をしらないこの…「集団行動」という作品を何故聴いたのか。「集団行動」というタイトルは気になりました。気になります。「そういえば自分の人生は”集団行動”からほど遠いものになってしまったなあ」と思ったからです。それはいいとして。バンド名(3人組のバンドでした)も「集団行動」なんて。バンド名がまず「集団行動」というのも明らかにおかしいです。まだ「ゲスの極み乙女。」の方がマシだと思えるかもしれないほどです。もし誰かに「バンド名は”集団行動”にしたよ」と告げられたとしたら、どんな気持ちになるのでしょう。「え」「まじですか」みたいな。楽しそうじゃないですか。一人ユニットだったらわかるのです。「一人だけど集団行動」みたいな。劇団ひとり的な感覚です。でも、違う!そして、この作品がリリースされたのが、大手「ビクターエンタテインメント」だという事実!ナゴムとか、殺害塩化ビニールとかではない!驚愕です。A&Rの人は何か文句言わなかったのでしょうか。「そんなバンド名じゃ売れないよ」とか。言わなかった考えなかったのでしょうか。このバンドのメンバーが「相対性理論」という有名なバンドに所属していた人がキーマンだということもわかりました。それでしたら冒険的なバンド名にすることも…あまり考えられません。たとえ前バンドがどんな名前例えば「ゲスの極み乙女。」のようなものであったとしても新バンドが「集団行動」という事実は、重い十字架に違いありません。

そして聴いてみました。PVにもなっている「ホーミングユー」という曲が1曲めです。束の間のイントロへ経て、曲へ。「とりあえず曲の始まりでバンドフロントメンバーが一斉にジャンプ」をしそうな感じではないので、安心しました。岡崎体育さんがパロディでやってましたよね。出だしで一斉にジャンプ。楽しそうすぎて恥ずかしいです。バンドとは集団行動だと思わされる瞬間です。集団行動とは深いのですね。曲はクールでスピーディーでテクニカルでもありますが、基本的に音の数と音像は考え抜かれています。注目すべきは右側から聴こえてくるエレクトリック・ピアノです。コードの間の主音を外して俗に言うテンションコードを多様して浮遊感を演出しています。このバンドのキーマンはギタリストですから、ギターも重要なのですがたまに主張しつつでもフレーズの重要なポイントを引っ張る。そんな感じです。そしてボーカルは女性ボーカル。この方のボーカルは…非常に好きです。私めはアイドル好きなのにも関わらず、”ロック的なものにおける女性ボーカル”というものが基本的に苦手なのであります。なぜかというと「みんなやる気がありすぎる」ということです。男性ボーカルが皆さんやる気ないのか、というとそういうことではありません。女性ボーカルがやる気があると、ボイストレーニングによってボイストレーナーに洗脳されてしまい同じような声になって同じような歌になりそして曲も似たような”さわやかまえむき”的なものになってしまうという偏見が私めにはあります。駅前で歌ってる人等に多いです。この「集団行動」のボーカリストの方は、まず「声が可愛い」ということがいえます。しかし「私ってかわいいでしょ」みたいなものはなく、基本的に「やる気」をあまり感じさせない。けれどもちゃんとやってあげてますよ〜みたいな余裕も感じさせる。私はそういうボーカルが好きなのですが、あまりいないのです。大体の場合は「あああ〜」と声張り上げ系、歌で夢を叶えたい、思い共有したい系なのですが、この「集団行動」の方は、そういうものがありません。起きている事実を淡々と伝えています。

本題でもある「集団行動」との関連性ですが、もちろんのこと直接的に「集団行動はいやだね」とか「集団行動ってすばらしい」とかそんな言及は歌詞ではいっさいありません。「東京ミシュラン24時」という曲がありますが楽しげでパーティーソング、まるでピチカートファイブのような面持ちの曲なのですが、よくよく聴くと何度も繰り返される「東京ミシュラン24時」という言葉のいみがわからずなんだろう東京ミシュラン24時って…ミシュラン・ガイドブックで24時まで営業しているようなところはないだろう。東京にはない。他にもない。東京?24時?ガストとか?ミシュランにはない。しかし歌詞をよくよむと自作料理のような感じもします。ミシュラン的に私の作る料理はおいしい、みたいな曲なのでしょうか。そして楽しくそれをいただく、というような所もありますが、「誰と」それを食べているのかというものはありません。つまりこれは「集団行動」から外れてしまった人が、ミシュラン的なレストランにて食す「集団行動」を夜中に「孤食」にて思う。という曲なのでは。みたいな邪推がいたるところで楽しめるアルバムです。直接的に哀しいとか楽しいとか”集団行動”でなくても特に何もない歌詞達だと感じましたが、それは聴き込みがたらないからだわかりました。「バイ・バイ・ブラックボード」という「バイ・バイ・ブラックバード伊坂幸太郎の作品のおぱくり的オマージュ的な曲名の歌詞、なんだかとても切ない切な系西野カナ系的かもしれない歌詞ですが何かを強烈に欲しています。そして最後に「この日々を懐かしくしたくて」という歌詞に共感を覚えました。僕も毎日そう考えていたからです。この日々を早く懐かしくしたい。それは集団行動から外れてしまったから。かもしれない。です…。

この作品のジャケットですがやはり意味深です。現代的なデザインにて「集団行動」がわかりやすく描かれています。集団行動なのですが、孤立をしている人が一人見えます。孤立している人、集団行動から外れた人。それは集団行動ではない。しかし果たして「集団行動」というものを考えることは、「集団行動」にいない人においての方が、強いともいえると私は思うのです。理由は…もう書きましたね。

「集団行動」という言葉は、気になるものでありました。音楽業界においてです。集団行動的なものばかりが多い、とはみなさま思いませんか?アイドルが矢張りみなさまそう思うと思います。何十人単位の人間が訓練された極めて細かい動きを一斉に寸分違わず同じ動きをする!怖い集団行動〜。それが性別老若男女問わず集団で表れている!こわい!しかしそれは矢張り「ふつう」の考え方です。ほんとうの「集団行動」は他にある。傍観者たち。「集団行動」のファンの方々です。SNSの普及によって、価値観の統一が細かなところにまで及ぶことによって、より意識や行動において統率が取れるようになった。いいことです。しかしより「信者度」は増したことにより「集団行動」が容易になり、それが楽しいー!と思うようになってしまった!と思うのです。

バンド「集団行動」は特にロックらしくもなく(醒めた女性ボーカルは非ロック)ポップスともいいきれない、ポストロックのような冗長な音楽でもない、ジャズともいえない、そんな音楽です。そういう音楽はほかにあると思いますが、「集団行動」というあまり考えたくはないけど避けられない言葉を冠にしたということで、他とは違う行動になっているということで、アルバム「集団行動」はおもしろい、と思いました!

おわり

森高千里の深さ・素晴らしさ その2「ヒット曲から探る森高千里の歌詞の世界 ザ・ストレス」

たまるストレスがたまる

たまるストレスがたまる

まじめなわたし

 

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みなさんこんにちは。ずっとずっと森高千里さまの事書こうと思っていました。

森高千里のヒット曲」について書こうかなと思っていました。

何の曲にしたらいんだろう。でもしかし!森高千里には「ヒット曲」が多すぎると気づきました。

あんまり森高千里のことを知らない人でも知っている曲ってなんだろう。

いっぱいあります!書ききれないです。

個人の女性歌手において、そのような数数のヒット曲を持つ人というのは、いそうであまりいません。松任谷由実中島みゆき松田聖子中森明菜などは別格ですが。

そして曲の知名度と比較して、やはり「数字」は出ていないのが心苦しいです。しかし、問題はそこじゃない!その曲の意味を追求してこそ!このブログだと思う!!

…なんて

考えていました。やはりどこかおかしいです。急にキョロキョロして…。

こんどだけは…ちがうみたい!

ストレスが…!地球をだめにする!!

 

ということで今日はザ・ストレスです。ちなみにPVになっている、シングル・カットされたバージョンの前に、アルバム「見て」(名盤)にて「ストレス」というトラックがあり、シングルは謎の「ストレス中近東バージョン」という項目が追加されています。ちなみに「ストレス中近東バージョン」以外には無いという認識ですが、もしかしたらあるのかもしれません。ありました!ベストアルバム「ザ・森高」収録のザ・ストレス ザ・森高ヴァージョン」1つの名詞に「ザ・」がふたつも!森高千里の世界は深いのです!あなた方が思っているよりも!

ごめんなさい ストレスがたまる。 ああ止まらない。

 

まあ、曲には「いかにも中近東」らしい飾り付けがされています。かなり後の事務所アップフロントの後輩「モーニング娘。」の伝説の「LOVEマシーン」のその直後に出したとは思えない衝撃の曲「恋のダンスサイト」も中近東風味でしたね。でもあの曲よりは、中近東風味ではありません。控えめ中近東。「恋のダンスサイト」はディスコの名曲のオマージュ、いわゆるパクリの曲として有名ですが、「ザ・ストレス中近東バージョン」は、それではありません!PVでは中近東的?な占い師?みたいな、よくわかんないや…つまり…

嗚呼「なぜわたしは中近東についてこれほどまでに語っているのか」と思ってしまいます。

やはりストレスが。ああ、真面目なわたし。

 

そこで前述の「ザ・ストレス」のPVですが、これは森高千里史上最高傑作とも言われているものです!僕はそう感じています!

中近東バージョンと銘打って、ウェイトレス姿で…なぜウェイトレスなのか。

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そして中近東なのに、舞台は中華料理屋です!しかも客はサラリーマン、バンドマン、白人カップル、うるさいOL3人組、いやらしそうな中華屋の店主オヤジ!!いずれも「DQN」(死語)ばっかり!

なるほどこれはストレスたまりますねえ〜なんて!思ったりしてあげるのです!ファンですから。それに、このPVの森高千里さまのうつくしさ!

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こんな格好がほんとうに似合ってしまって、秋葉のなんとかカフェの子たちとやはりくらべてしまいます。なんか、顔の大きさって重要なんだな芸能人は小顔が命なんだなとか、足も細くて長く見えなきゃ、人前に立つことは本当は難しいんだな。声もいやみなほどに甲高くなくて、声もとにかく可愛い。それが重要なんだなって。ごめんなさい!

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かわいいので、酔っぱらい労働者にセクハラを受けてしまいます!森高千里PVでセクハラ被害」なんて今だったらヤフーニュースで見出し付いてトップに載っちゃいそう…

 

すみません、今日の議題は「ヒット曲から探る森高千里の歌詞の世界 ザ・ストレス」でしたね。忘れていました。本題に戻ります。

議題その1「ストレス」の楽曲が産まれたころには、「ストレス」はメジャーな言葉ではありませんでした!

この「ザ・ストレス」に対しての誤解があります。「ストレスを表現するにはあまりにも単純な…」みたいな論評を見たこともあります。ちがいますよ。森高千里がこの曲をアルバム「見て」(名盤)で出した1988年には、今のような普通に使われている言葉ではなかった。もう存在はしていた(日本においては1976年に翻訳された”現代社会とストレス”という本がはじまりのようです)のですが、まだ完全に定着していなかった!新語だった!と当時小学生にて既にノン・ストレスではなかった自分ですが、そうであったと記憶しております。

それを証拠に、以降「ストレス」というタイトルの曲は、すべてこの曲の後にリリースされています。

ストレス 歌詞 - Google 検索

テレビでも、「ストレス」に関する話題の時は、この曲が流れたりしますよね?他の曲で「ストレス」をここまで実直に表現をしている曲がないから!です。

森高千里の歌詞の世界の深さ、素晴らしさのひとつです。「ほかのだーれも歌詞にしないこと」をあえてしてしまう。そんなことは、他の人にはできそうでできないと思います。思いついたけどくだらないからやらない!ということではありませんよ!ハァハア…やはりストレスが

 

2・他曲での”ストレス”への言及について

この曲「ザ・ストレスの歌詞を比較対象することは、ひきょうだと思いますが、してしまいます。

KICK THE CAN CREWさま「ストレス」(03年)

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ヒップホッピングのグループさまでありますので、やはり饒舌です。しかし言っていることはシンプルなこと。イエーイ!YO!YO! ウィース!ストレスためんなYO!みたいな感じだと要約するとそうなりました。YO!YO!そういえば森高千里さまにおいてはラップみたいなのありましたっけ?細野晴臣さまとのラテン・アプローチはありましたが。

言っていることが、シンプルで良い。言葉の数はかなり多いのにそう感じさせる。やはりライムの世界は広いYO!ということでしょうね。

SMAPさま「ストレス」(97年)

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ストレス云々というよりも、本人たち作詞ではないにしろ「…いろいろあったんだな…」と感慨深い歌詞です。今になって思うと。ストレスだらけだったんでしょうね。仕方ないです。安定した立場を失ってでも、逃れたかった。この頃もそうだったのでしょうか。そしてそれから10年!たまってしまったのです。「こんどだけはちがうみたい」と!ストレスが地球をだめにする、ストレスが女をだめにする!ストレスが…男をだめにする…。

ベイビーレイズJAPANさま「ストレス」(2016年)

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名前に「JAPAN」が追加された、そして事務所が大手事務所で今話題の「レプロ」!!そしてメンバーのお名前をわたくしは存じ上げなくて申し訳ない。川島海荷ちゃん…はレプロだけど別のグループでしたね…そんな状況からやはりストレスだらけだと思います。可愛そうです。森高千里さまのいるアップフロントにみなさん移籍したらいいのに。あ!やはりそれは禁句でした。せんげんよしこ!

…そんな感じです。

 

ということでここで言いたいことは、「森高千里の『ザ・ストレス』の歌詞は、無駄がなく、ただひたすらに「ストレス」だけに言及している、ということです。普通だったら恋愛とか仕事とか生活とかそういうものに引っ掛けて表現するところを、全く言及しない!そこが森高千里の深さ、素晴らしさです。もちろん恋愛にかけているものも、あります。例えば…「はだかにはならない」など…また今度にしますね。

 

もっと具体的にこの曲について事象を示して、説明します。

 

3「関係ないセリフ」とは何なのか

この曲の最初のほうに

「あれこれそれあいつ イライラするわ 関係ないセリフ じょうだんじゃない」

とあります。

ふんふんそうなんだ〜と受け流していました。「それより森高かわいいな」とか。そんなになったりしたのですが、ふと気づいたのです。

「関係ないセリフ」ってなんだろう?

何?「じょうだんじゃない」というほどに憤慨する「関係ない」「セリフ」

わけがわかりません。

関係のないセリフ?台本?ドラマのこと?渡る世間が鬼ばかりみたいな?母さんそれは関係ないセリフだろう〜シン!(えなりかずき)おだまり!おばあちゃんにしつれいよ!みたいな??違うような〜

まさか森高千里さま唯一にてそして最後だと思われる主演映画「あいつに恋して」(共演風見しんご)のことかな?その時に「関係ないセリフ」を言わされてストレス…だとしても、わかりやすすぎる。それに当時初めての演技、映画出演でそれどころではなかった。「関係ないセリフ」なのかどうなのかもわからない状況だったはずです。

…もし、自分の生活に「関係ないセリフ」があったらどうだろう。

実は、私の人生の中で、数少ない「初めて森高千里で負けた」と思ったほどに「森高ファン」の人がおりました。その方にわたくしが「森高ファン」だとカミングアウトをした時に「どれくらい好き?森高なら絶対に負けない!!」とせんげんされた程のお方です。

その方にある日「ストレスのさあ〜関係ないセリフ…って何なんだろうね」という話をしたのです。

「…自分も気になってた」「だよね?」と、しばし「関係ないセリフとは何か協議会」が開かれました。

まず

「関係ないセリフ」を理解するために「関係あるセリフ」とはなにかを考えてみました。「冗談じゃない」ではないようなセリフ。正しいセリフ。セリフとは書割にかかれている読まなければ話が成り立たないもの。そこにあるものが「関係あるセリフ」。そうではない、「台本通りではないことを言い出した」

そう納得。はしませんでした。ここで「セリフ」がそもそも何を差すのか、ということになります。果たしてそれは「劇」なのか。それとも生活の中の会話においてなのか。それが他には明示されていない!

ますますわからなくなります。その人とは、社内チャットにて(ごめんなさい)やりとりをしておりました。そのチャットには特定のキーワードを登録することで、そのキーワードを投稿すると「通知」が表示されるという仕様でした。詳しくは過去の記事をごらんください

maemuki.hatenablog.com

 このようにやりとりをしていたので、長く続く「関係ないセリフぎろん」に飽き飽きした私は「うんこ」と打ってしまったのです。そうしたら、わかったのです。「これが関係ないセリフ」なのではと…。

要するに、そういうものなのです。じょうだんじゃない。いらいらするわ。まさにストレスです!相手もやけくそになって「うんこ」を連呼してきました。僕も「うざいうんこ」と返しました。「関係ないねうんこ」「そうだんうんこ」画面は通知でピカピカひかってたような。

ありがとう森高千里さん。よくわからない世界を与えてくれて、真実が見えたような気がします。

ということで、森高千里の歌詞の深さ、素晴らしさ、わかっていただけましたでしょうか?

現実的には、わたくしは今、孤独によるストレスで、「ダメになる」感じです。助けて森高さん…。

 

4,「今度だけは違うみたい」は重要です

やはり「ストレスは悪しきもの」であるという大前提がこの曲にあります。

そしてこの曲の後のほう、そこに「ザ・ストレス」が見事に描写されているのです!

 私 いつもならば 忘れてしまうのに

急に キョロキョロして 今度だけは 違うみたい

 この曲は実際に森高千里が過労にて倒れ、医者から聞いた「ストレス」という言葉を元に制作されたことは教科書的な事実として有名なのですが、ほんとうに「ストレス状態」にあった人、いわば患者の精神状態が!描写されている曲!そんな曲は他にはありません!

「いつもならばわすれてしまう」のに「今度だけは違うみたい」と感じること。まさにストレスそのもの…です!

僕も「今度だけは違うみたい」なんて思いつつも、「でもなんかな〜ねむいだるいつらいだけかも〜」→「今度だけは違うみたい」→「ねむいだるい(以下略)

みたいなループに陥ってしまうのです。が、「今度だけは違う」と感じることは重要なのです。それがストレスの解決の糸口なので・・・す・・

 

やはりストレスがたまっています。明日はひとりぼっちの休日なので、部屋でファミコンして、それからパジャマでテレビ観て、夜はビデオを観るのます!(byあるOLの青春)

 

おわり

 

 

 

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【過去の思い出】サンチェに怒鳴られた  KinKi Kids「B album」

今日、面接に行ったんです。

面接といっても、普通のアルバイト等ではなくて、業務委託みたいなものです。

仕事があるかないかはわからない、不定期になるかもしれないものです。

 

僕はこの地において、良い仕事を見つけることができました。しかしそれは業務委託という形なので、先がわからず、どの程度の収入が入るかわからない。

副業をまた探す必要がある。

今日の面接はその副業になるか、ならないかもしれないけれども、僕の特性を活かせるものだったので、チャンレンジしてみようと考え応募をしました。

 

ハローワークからの求職申し込みからなので、ちゃんとした会社だと思います。恙なく運び、今日の面接の日となりました。

その場所はとても素敵な場所で「良い感じだなあ」と思いました。この前まで見ていたドラマ「カルテット」に出てきた場所でした。

このブログにも登場したドラマ、カルテット。まるで自分が登場人物かのような壮大な妄想を頂いていました。まあ、あの頃の僕はおかしかったから。

また、このような理由でここに来れたことは、よかったんだ、とレンタサイクルを借りて美しい森林を抜ける道を通りながら思いました。

 

面接場所に着くと、課題としてあった実技は行うことができないということで、早速通常の面接となりました。用意した履歴書を提出しました。

「履歴書を出す」ということは、やはり緊張の瞬間です。若い人だったらあまりそういうことはないかもしれない。または「新卒」で会社に入り、僕のような年齢、不惑の年までの会社経験の数は多くない。という人は、そうでもないと思います。

しかし、僕は短期大学卒業後、専門学校1年を経て、その後はフリーターでした。その後も、非正規から正規、それからまた非正規、派遣。うんざりするような「経歴」が並んでいるのです。

そこに書かれている「経歴」の中で、「アルバイト」なのにも関わらず、一際目を引いてしまう項目があること。は、このブログを長らく読んでくださる人だったらおわかりでしょう。ちなみにその記事たちは全て「下書き保存」にしました。

 

あの会社で短い間、アルバイトをしたこと。は事実なので、書きました。あとちゃんとした理由もあります。

「その会社は、お店でのアルバイト経験しかないアルバイトの僕に、初めての社会人教育をしてくれた会社なのです。だから記載しました」

これも、今日言いました。突っ込まれた場合はいつもいいます。あと、「どんなことをそこでやっていたのか」とも聴かれます。それは「ADです」と答えます。その通りです。 

今日の面接でひとつ気になることを聞かれました。

その仕事の現場では、「職人気質の方がいて、もしかしたら怒鳴られたりなんかもあるかもしれないです。大丈夫ですか?」と聞かれました。

「はい。大丈夫だと。。思います・・。やはり新入りですから、でも目的はお客様のためというのはひとつですから」みたいな感じに言いました。

その後も面接は比較的順調だと思しき進行を見せて、終わりました。

 

自分の街へ帰り、近くのスーパーに行くまえに「ブックオフ」によりました。

だいたいいつ来ても、品揃えは変わりません。田舎ですから。

しかし、今日「あ」と思うものを発見しました。

これです。

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この「B album」と「A album」僕はかつて持っていました。買ったのではありません。もらったのです。入社日に、少年隊のアルバムとシングルと一緒に。「JE」というピンクのロゴの入った白い袋とともに。

そして、僕は今日話すべきだったあることを思い出しました

職人気質の方がいて、もしかしたら怒鳴られたりなんかもあるかもしれないです。大丈夫ですか?

 

 「あります」

 

こう答えるべきでした。

 

「あります。サンチェに

「あります振付師に」

「ふりつけしの!サンチェさんに!!!!怒鳴られました…」

 

もしそう言ったら、わかってくれたかもしれない。どんなに辛い経験をしたのかって。その人が「ジャニヲタ」だったのか、または「めちゃイケ」を見ていたのかどうかはわからない。

 

サンチェに怒鳴られた。

サンチェに怒鳴られた人なんて、たくさんいるに違いない。

彼はまだその現場にいると思う。

実力はあり、ただの暴君ではない。そんなところも見た。

 

しかし、僕はサンチェに怒鳴られた

どうでもいいことだろう。

しかしそのあまりにもどうでもよいことかもしれないこと。「サンチェに怒鳴られた」という響きによって、忘れていた。今日も忘れていたけど、思い出した。

 

僕のアイデンティティ。大事なアイデンテイテイ。

それは「サンチェに怒鳴られたことがある」ことなんだ。

彼は僕たちに怒鳴った。

それは、事実上の「勤務初日」のことだった。

「お前らはなにもしていない!!!!」

「お前らはなにしにここにきているんだ!!」

「みんなうごいてはたらいているんだぞ!!」

 

(テレビと一緒だ…)と思った。

しかし、その怒りは納得がいくことだった。コミュニケーションに自分達が起因しないミスがあった。

僕達の役割が伝達されていなかった。

僕らは何もわからない、僕の前職は「茶店のアルバイト」だった。

それを解決する、彼の怒りが収まる方法がわからない。

わからないときは、ひとにきく。

そしてうごく。

そしてなんとかする。

なんとかしなければ!

そしてなんとかなった。

なんとかなった!

怒神の業が収まったのだ!!

安堵という言葉を、初めて認識した。

なぜそれが解決したのかは、もう覚えていない。

 

それが社会人の第一歩だった。

社会人として大事なことを教えてくれたのだ。

「問題があったら、それを解決する」ということ。

社会人の一番大事なことをサンチェさんは教えてくれたんだ。

電話のとり方、挨拶の仕方、そんなことも会社の人は教えてくれたけど、

たいせつなことを…サンチェさんは…

教えてくれた…

 

社会人第一歩が「サンチェに怒鳴られる」

こんなことがあったんだ。

自分にそんなことがあったんだ。

その後の社会人生活であったことなんて、どうでもいい小さなことにように思えてしまう。

それら、全てが「サンチェに怒鳴られた」ことから始まったからだ。

 

違うのだろうか。

街で聞いてみたい。夜なら人が微かにいることに最近気づいた。

ストリート・ミュージシャンもいる。嫌いなのに。

下手くそな歌を下手くそなギターを弾いてうたっている。

僕は彼に問いたい

「あなたはサンチェに怒鳴られたことがありますか」

「誰だいそいつ知らないよ」

「あなたは〜サンチェに〜♪どなられーたー」

 「何だその曲」

「僕がサンチェに怒鳴られた時かもしれない時の曲!少年隊さんの『まいったネ、今夜』です!!」

「しらねーよ 俺はうたうね。ブルースを〜きいてくれ〜♪」

「やめろ!東山紀之さんにあやまれ!彼はちょーいい人だぞ!くそ」

 

今日、僕が言いたいことはこれだけ、で終わらせてしまうのはアレなので、「B album」の感想を…。

この1曲目「スッピンGirl」これは名曲です!CDをもらって「へっへジャニーズねえ」とちょっと矢張りバカにした感じ(当時洋楽や渋谷系好きでしたから)で聴いたのですが、この曲はすごい!曲、アレンジともにキラキラしていて、疾走感があります。これがジャニーズの世界なんだ!と認識しました。なんせ正直光GENJIで僕の中のジャニーズは止まっていましたので。

 全体的に、やはり今となっては贅沢になってしまった「デュオ」の世界が繰り広げられていて、感動しました。ソロパートももちろんあるのですが、二人で唄う場面が多いなあと改めて多いなと気づきました。

楽器で言えば二重奏ですが、その楽器は2人しかもたないもの。貴重な2つの楽器、世の中の2つだけの楽器が、ずっと流れている。

「2人だけ」の世界がジャニーズにおいて、ほとんどなくなって…はいないのですが、やはり、それ以上、もっと沢山!もっともっと大量化!しているのがジャニーズの実情でもあります。

なんだかせつないなあ〜と感じました。せつない曲も多いです。楽しい曲もあります。でもやはり心にくるのはありきたりかもしれない哀愁です。

 

NEWSの「四銃士」のDVDシングルを買った時に、勇気を持って見なかった、最後のスタッフのクレジット。今回は見てみました。僕が知ってる名前はたくさんありました。今でも顔も覚えている人たちばかり。でも僕のことなんて、もう忘れたんだろうな〜

やはり、切ないです。せつない〜恋に〜気づいて〜それはAの方でしたね。失礼しました。

すみません、やはり孤独によって過去への思いが強く、またこの話をしてしまいました。だって、どう考えても今考えても信じられないことだからです。現実を受け入れられないような事が起きた、今はなんもない地方生活者としては、そういうものが愛しく感じられてしまうのです!!!!

 

ということで、過去の思い出シリーズは続きますが、今度はパットしなかったバンド時代を書こうかなと思いますーー

おわり。

 

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【クラシック音楽】金子三勇士ピアノリサイタル鑑賞記 2017/07/01 上田市サントミューゼにて

https://www.instagram.com/p/BV_a_OejYmW/

今からサントミューゼてピアニスト金子三勇士さん、金子ミューゼさんのコンサートをみます。こんな大雨警報のおくそな田舎で一流ピアニストのコンサートがたった2000円で見られるなんて!田舎だと良いこともあるんですね!若手ピアニストの演奏楽しみです

こちらを鑑賞致しましたので鑑賞記を残します。

この地において、安価なチケット価格で、一流の音楽家を招聘してリサイタルを開く、というシリーズの一貫のもので、若手ピアニスト、現在28歳!ピアニストとして、名前が知り渡っている中ではかなり若手の方です。

 

その経歴はなんとなくは知っていました。ハンガリー人のお母様、日本人のお父様ということ。「私は見てはわからないかもしれませんが、ハーフです」という本人の饒舌なマイクを使ったMCもあり、場馴れした感じは、やはり若手とは思えない貫禄がありました。

そして、曲の説明なども間、間にはさんで、連続して曲を演奏する際には「私が腰を上げてから拍手をお願い致します」とのこともあり、初心者には理解が難しい「正しい拍手のタイミング」をわかるように伝達してくれました。

しかし、会場に「私が上田に来た時の演奏を聴いたことがある人は挙手をいただけますか」という問いに約70%くらいの方(金子さま本人の判断です)が挙手していた。みなさん初心者ではなさそうです。

そして「今年は上田に5回くらい来ている。トータルだと何回か…もうわかりません」とのことでした。もう正直上田に飽き飽きしているのでは、と思ってしまったことを反省していますー!

 

その他、今回の上田への来訪は別の目的があり、それは「こどものためのピアノコンクール」がこの会場にて行われそこで審査員を務めるということでした。

そのコンクールには「バルトーク」の曲が課題曲になっている、ということも教えてくれました。そして冒頭はバルトークの子供向けの練習曲集「ミクロコスモス」からの曲でした。金子さんが幼い頃に学んだ曲達とのことです。

 

子供のピアノ教育に対しても一言がありました。「技術だけではなく、表現でも評価するようなコンクールがなく、機械的な演奏だけが評価される風潮がある。それを変えたい」とのことでした!

その言葉は短期大学音楽学科ピアノ専攻だったわたくしにも、深く響きました。

その学内にも、いつも高得点を取る女性がいて、曲はやはり難しいリストとかそんなのばかり。そして「練習の虫」でした。誰よりも練習をしていました。なので、いつも高成績。しかし、学内においては女生徒たちから「機械」「マシーン」「シーケンサー」と陰口を叩いていたり…「シーケンサー」名付けたのは僕でした><ごめんなさい!

 

一流のピアノコンクールでもそのような傾向があるのかないのかは、出たことも見たこともないので、わかりません。しかし、やはり「審査する側も難しい」と仰っていたのは、理解できます。

 

そして演奏についてですが、僕がベートーヴェンソナタで一番好きな「ピアノソナタ 第21番 ハ長調”ワルトシュタイン”」を第1部の最後に演奏してくれました!

ここでも初心者の方へ説明があり、「この曲は他に比べて長い。全3楽章あって、1楽章はとても長いですが、2楽章はとても短いです。3楽章は…とても長いです!」とのことで会場から上品な笑いが起きていました!たしかにこの曲長いです!

しかし、この曲自体がほんとうに素晴らしい曲なので、僕は長さを感じませんでした。特に好きなのが、とても長い同士の第1楽章と第3楽章なので、まったく問題ありません!

この曲が、「現代のピアノに近いかたちが出来たことの喜びに溢れた曲」だという説明もありました。だからこそのハ長調だったのかな、と考えたりもしました。

 

そして第2部、ショパンのプレリュードから「雨だれ」ラフマニノフの「前奏曲

前奏曲」というものに対しての説明もありました。わかりやすかったです。

そしてドビュッシーのベルガマスク組曲より「月の光」を挟んで、ラストはリストの「ラ・カンパネラ」でした。

この曲の説明は、他の曲比べて短かったです。「いつも演っていますが…演らないわけにはいかないでしょう」と笑顔で話していました。

演奏は、もちろん素晴らしかった。当然です。金子三勇士さんは小学生から「バルトーク音楽小学校」もちろんハンガリーの学校に通い、そして飛び級で11歳で「国立リスト音楽院大学」に通った経歴の人です。つまり、バルトークとリストの正統な系統を受けているのです!すごいです!そんな人が日本人でもあるだなんて…!

 

しかし「ラ・カンパネラ」は日本において、日本おいてだけは、特別に有名な曲になってしまいました。老齢の悲劇のご婦人が弾くことによって「感動する曲だ」という触れ込みにおいて、有名になった。

そもそもフランツ・リストはそのようなピアニストではなかったこと。クラシックファンならよく知っていることです。

ガンガンガンガン超絶技巧をひけらかして、キャーキャー言われていた!そのような溌剌で刺激的な存在であり、そしてショパンとも名を張るメロディ・メーカーであったのも事実です!

僕は、「やさしいラ・カンパネラ」なんて認めません。金子さんのような方、若くて力が余りまくっている、在りし日のフランツ・リストのような人が演奏してこそ、本物の「ラ・カンパネラ」だと感じたのです。

この日の演奏も、彼のそのような気迫を感じることができました。僕が感じただけでご本人がどう思っているかはわかりません。しかし、自分が感じたことは事実です。「がんばっていますよ」なんて言わなくても、言葉がなくても伝わることもある…

こんな感じでご本人のTwitterにリプライしてしまいました!恥ずかしいです。

でも、本当ですよ。

「金子さんの様な生気溢れる方が弾くのが一番だ!と気づきました!」というのは、某富士さんへの皮肉ですよ!!!!!ごめんなさい><

 

アンコールはなんとリストの「ハンガリー狂詩曲第2番」

「こういう長い曲…9分半くらいですが…」と恐縮されていましたが、これがやはりぜんぜんよかったのです!さすがリスト音楽院!と思いましたが…

そういう見方はもしかしたら重荷なのかもしれません。あくまで邪推です。でも、「なんだこのやろう」みたいな気概、気合も感じられた演奏でした!

「わかりやすくて聴きやすい曲なのに演奏はめちゃくちゃ難しい」というリストらしい曲ですが、見事に弾きこなしていて、圧巻でした!

 

以上です!

今度はなんとこれまた一流ピアニスト「小川典子」さんが招聘されるようです!

曲目には小川典子さんの十八番!武満徹の曲がありました…上田で武満徹を理解できる人が…いると思います!そう信じたい!

 

【映画の感想】「タレンタイム」「台北ストーリー」上田映劇で鑑賞した映画です。

この地、長野県上田市には現在2つの映画館があります。

ひとつは「TOHOシネマズ上田」全国にあるシネマコンプレックスです。沢山のシアターがあり、沢山の映画が上映されています。「君の名は。」を鑑賞したのもここです。

そのように、全国展開で公開されている映画が、そういうものだけが上映されている映画館です。僕が住んでいたころ、20年くらい前にはなかったものです。

 

そしてもうひとつあります。「上田映劇」です。

上田映劇-トップページ

その歴史は大正時代にまで遡ります。建物も古いもので、天井は戦災で焼け落ちた帝国劇場と同じもの、ということです。

かなり古いのですが、やはり魅力があります。きれい、とはいえませんが、別に不潔ではありません。

何よりも、その雰囲気はまさに「映画的」とも言えるでしょう。味気ないシネマコンプレックスよりも、よほど魅力的だというのは、わかりやすすぎて映画的ではないような気もしますが。

映画館の主役は、もちろん映画です。建物ではありません。

注目すべきはそのラインナップ。今回見た「タレンタイム」「台北ストーリー」どちらも、全国展開で上映されている映画ではありません。いわゆる「単館上映」の範疇にはいるものです。

当然「シネコン」では上映されないもの。そんなものが、この辺境の地において、古い古い、ベージュ色のカーテンに囲まれたスクリーンで観ることができるなんて!

 

やはり古いということで「雨漏り」があるようで、募金を募っているようです。

経営もおそらく苦しいと思われます。 

 

・タレンタイム

はじめてこちらで鑑賞したのが「タレンタイム〜優しい歌」です。

www.moviola.jp

この映画館のラインナップを見て、初めて知った映画でした。しかし、予告などでこの映画の概要を見て、是非観てみたいと思い、足を運びました。

シネマコンプレックスでも観たい映画はありましたが、ここは上映期間が短いということと、シネマコンプレックスのラインナップは「イケメンとよく見る若手女優のキャストをシャッフルしたような映画」ばかりのようですので、こちらを選択しました。

 

観たいと思ったポイントを列挙します。

・マレーシアで早くして逝去した女性監督の傑作だということ

・音楽が舞台、「タレンタイム」という音楽コンクールが舞台の映画ということ

・マレーシアという自分にとっては未知に近い国の実情がみられそうだ、ということ

 

です。実際にその通りの映画でした。「タレンタイム」というコンクールの実情は謎のままでしたが、学生たちと先生たちの部門がある学生が主役の舞台のようで、その前にオーディションが開催されて、その様子から始まります。

その中で、主役となる一人の女の子。父親が白人で比較的恵まれた生活をしていました。「比較的恵まれた」というのは後ほどに出てくる、おそらく平均的、でも国際的、日本人からしたら貧しいとも見える生活の差からでした。

また、マレーシアが「多民族国家」である。ということもわからせてくれました。

主人公の一人は、前述のように白人とマレーシア人のハーフ。そしてその女の子と恋に落ちる男の子はマレーシア人。その他、中国系、イスラム系、アジア系、などそれぞれ独自のアイデンティティ保有していながらも、自然に共存している、でも心の中の軋轢も感じさせてくれました。

日本は、「多民族国家」ではありません。唯一「アイヌ民族」が存在していますが、他国と比べれば、唯一民族といっても良いのかもしれません。実際に自分がアジアの他国にてそれを感じることもありました。

それは「言語」に関してもそうでした。この映画では当然字幕が表示されますが、字幕が違った形で表示されることがありました。

英語では通常の字幕が表示されて、それ以外、マレー語などは違った形で表示されている。ということは出ている人は全員バイリンガル、またはトライリンガルだということ。日本語だけしか話せない自分のような日本人とは、当然違うんだ、とわからせてもくれました。

 

音楽に関しても感銘を受けました。ここでは、生徒役の子たちが、ギター、ピアノを弾いて歌っています。歌声は作曲したプロの方のようですが、その歌声の素晴らしいこと。歌詞は英語だったと記憶しています。発音とかそういう問題ではありません。

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劇中で歌われる曲で一番好きだと感じたのがこの曲です。凄くさわやかでまえむきな曲です。歌詞も「君が好きだ」というような、わりと普通の歌詞ですが、映画の中で聴いた時にはなんて素晴らしいんだろう!と感激した次第です。

 

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このラスト付近で主人公の女の子がオーディションで歌う曲も良かったです。ここは凄く泣ける場面でもあります。

この主人公の女の子が恋をした男の子、主人公の子とは違う、まずしい家の子です。彼は、耳が聴こえません。そして話すこともできない。でも、歌うを唄う彼女を観て、恋をした。

彼は生活するには大きなハンデを負っていました。貧しく、障がいも背負っている。でも堂々と生きて、そして恋もしていました。彼女の家も彼に関して理解を示していた。でも、辛いことも当然のようにあります。でもそれも彼自身で乗り越えていくさまは、普通に感動しました。

 

音楽の素晴らしさ、そしてどんな状況でも幸せに生きようとする、人間としての当然の姿を素直に表現している映画だと感じました。邦題についた「優しい歌」というサブタイトルの意味も理解できました。

平日の午後という時間帯もあったのか、観客は極わずかでした。しかしそれは「シネマコンプレックス」でも同じだと思います。夜はきっともっと入っている。土日はもっと入っている、と信じたいです。しかし果たして「この地」でこの映画を観たいと思う人は、やはりマイノリティです。

「上田映劇」もマイノリティに負けず、生き延びてほしいです。

 

台北ストーリー

taipei-story.com

続いて鑑賞したのはこの映画です。本日観ました。

観客は開始十分前に僕ひとり。「ああどうしようひとりなのか」と思いましたが、直前にもうお一方がいらっしゃいました。最後まで二人だったと思います。東京にて、「鑑賞人数が少ない映画」を観たことはあまりなかったかもしれません。今はなき「銀座シネパトス」でデヴィッド・リンチの「マルホランド・ドライブ」を観た時が一番少なかった気がします。それでも、結構入っていました。さすがに2人ということはなかったです。銀座ですから。

 

この映画、「台北ストーリー」ということで、やはり台湾好き、何度もいや3回くらい?行った台湾の映画ということで、気になりました。

「タレンタイム」もそうですが、この映画も事前にTwitterで映画名にて検索をして評判を探ったところ、どちらもかなり上場の評判だったので期待をして、「タレンタイム」が実際によかったので期待していました。

 

しかし事前にあらすじなどは読まず「80年台の台北が舞台」「主人公は社会人の男女」ということだけを把握して観ました。事前の予習は不要だとそこだけで判断できたからです。

その通りに物語は淡々と進んでいきました。ありきたりにみえるけれども、確実に「過去」の台北であること。その「過去の台北」は観たことも考えたこともなかった、ことにも気づきました。

そこにあるものは「過去の日本」とさほど変わらないもの。もう日本も失った古いもの。ダイヤル式の電話、アナログのCRTのテレビ、ビデオテープ、レコードプレイヤー、おそらくカセット式だと思われる「カラオケ」(その日本語表記もありました)。

日本と台湾は密接にある、と感じさせてくれました。映画内でも日本賛美「好日」のようすを若い女の子が語ります。「東京に行けばなんでもある」「原宿に行きたい」「かわいいものがたくさんある」「日本食は全部おいしい」などと、現在日本にはよくあるような言葉が、1985年に制作されたこの映画で出て来るなんて。だからといってそっくりそのまま受け取れない、という状況である。日本で公開されたのが昨年、そして私が映画館で観たのが2017年という事実によって、それが示されたといえるでしょう。

 

そしてこの映画の大きなこと、だと思っていたことは、実はまったく重要ではなかった、という事実にも気付かされました。

台北ストーリー」という邦題から「台北を舞台にした甘い甘いラブ・ストーリー」かと想像していました。

しかし、冒頭に表示された原題は「青梅竹馬」でした。その時は意味はわかりません。なので、今、調べました。意味は「幼馴染」でした。

この映画を見て、このタイトルの本当の意味を知って、本当のこの映画の言いたい事がわかりました。この映画は「ラブストーリー」ではなくて、「おさななじみ」の物語で間違いありません

 

台北ストーリー」であることには変わりありません。会話の中ではアメリカやら東京やらがたくさん出てきます。しかしロケなどはありません。台北の中だけで繰り広げられた物語だった。そうなってしまった。それも重要な意味でした。

 

この映画の主人公の男性は、まったくもって普通の人。普通の人だから、良い人。でも不器用で、自分をコントロールすることができない。それでも良い人だから周りの人が頼って、そして…結末にたどり着いてしまう。

もう一人の主人公も、「失業」という悩みを抱えて、相談できず、彼に相談をするのですが、一度は冷たく返されて、他の提案も受け入れることができない。

 

「幼馴染」たちの物語は、結局「幼馴染」で終わるのか。

そういう内容です。邦題と原題が違ってしまうことは、よくないことなのかもしれませんが、あまりにも原題が全てを語り尽くしていたから、これで良かったのかも。と感じた映画でした。

 

以上です。

長文になってしまったのは理由があります。

僕はひとりで2つの映画を見ました。まあ、いつも一人なのですが「映画を見てその場で感想を共有する」という楽しみを知らない、そして現実的にこの街でほとんどひとりぼっちで過ごしている、という現実から、心の中にあるものをここで解放しよう、という魂胆からです。

なんと「上田映劇」では大作「クー嶺街少年殺人事件」が公開されるようです。

上映時間なんと236分!どうなってしまうのでしょうか。僕は観ます。過去最長の映画ですが…。足が心配ですが上映後に歩けるのか。

 

終わりです…