CMで流された「エイリアンズ」を持って「キリンジ」を取り巻く状況は急速に変わってしまったように思える。
それによって「キリンジがバカに発見されてしまう」という古参ファンと思しき悲しき「バカ」の悲しい意見もあった。バカに発見されることは、ポップ・ミュージックの本当に意味があることなのに。
しかし、CMのスポット放送は終わって、キリンジの過去の作品、「エイリアンズ」が収録されているアルバム「3」のチャート・アクションの上昇も、無くなった。
結果、バカには発見されなかった。が、「良質なファン」「良質なバカ」「悪質なバカ」の発見には至ったと思う。
はてなの有名なブロガーであり、批評家でもある伊藤聡さんが例のCMをきっかけにキリンジに目覚め、Twitterにて始まった「キリンジ生活」を報告している。
他にも、インフルエンサーと思しき人達が、キリンジに目覚めてはいる。
伊藤聡さんは中でもデビュー作の「ペーパー・ドライバーズ・ミュージック」に感銘を受けたようだ。
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この作品が、20年近くの前の発表だということに、驚きを受けていた。20年もキリンジに気づけなかったことを、悔やんでいた。
正直に言うと、キリンジはまだ「発見」されていないと思う。それは「バカ」にでも「バカではないかもしれない人たち」にも「発見されることがバカに発見されると意見するバカ」が一人いることは確実なのだけれども。
ここで彼のように「エイリアンズ」でキリンジを知ったバカではない素晴らしい人たちが、もしこのブログを読んでいただいているなら、お耳にいれたいことがあります!
キリンジは現在全12枚のアルバムが全部が傑作!
キリンジのアルバムは現在全12枚あり、ナンバリングされているアルバムと、されていないアルバムがある。
それは「3」から始まった。3枚目だから「3」ここに「エイリアンズ」も入っている。
だから「3」をおすすめしたい、と言いたい、となるのが普通の流れなんだけど、「3」は割りとその意外と上級者むけというか、1枚め「ペーパー・ドライバーズ・ミュージック」2枚め「47'45"」をリアルタイムで聴いて「3」を聴いた、ということを踏まえると、あまりその流れではおすすめできない。
というのも普通の流れなので心苦しいというわけではありませんが、はっきりいうと、「キリンジは現在全12枚のアルバム全てが傑作!」と言っても良いのです。
だから、どれからも聴いても問題ない。もしいつも行く店でキリンジの何か(シングルを含めて)が売っていたら買えばよいのです!
なんだかマルチ商法の勧誘みたいで非常にうさんくさいのですが、安心して下さい〜
この「3」のジャッケットの画像をみてください!
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これですこれです。これに尽きます!
過去にも書いているのでよかったらよんでくさい!!
なんとこのブログの記念スべき初レビューはこの「3」だったのです!
「エイリアンズ」のキリンジはもういません!
ファンであれば当然しっていることですが、「エイリアンズ」の頃のキリンジは今、もういないのです。分裂して、片方は「馬の骨」になりました。
いみわかんないでしょうか。でもじっさいそうなのです。アルバムもでました。
そしてあたらしいキリンジは人数が増えて、女性も2人います。そうなのです。
だから「エイリアンズ」は、完全に過去の曲。
でも、どちらも活動中なのです。そして
「今のキリンジ」も過去と同じくらい、いやそれよりもいいかもしれない!!
悲しい分裂でしたが、お互いに今の活動は良い方向に向かっていると思います。
分裂後のキリンジのアルバム「11」「ネオ」これがどれもこれもまた困ったことに、凄くよい!新しいメンバー追加、女性も二人いる。「今までのキリンジ」とは明らかに違う編成になった、普通だったら「よくなかった昔のほうが」とか思うような展開なのに。
すごく良い。2013年に加入したメンバー、ドラム、ベースとトロンボーンを操る人、そしてスティール・パンの名手、そしてギターとボーカル、シンガーソングライターとしての経験もありヴァイオリンも弾ける女性。そして、これまたボーカルとキーボードを兼任してシンガーソングライターとしての経験もある女性!
そして、全員がコーラスを担当している!あああ…
カオス極める新メンバーたち。なのに、その「キリンジ」の魅力は主人公のひとりであった彼が残ることによって、正当にそして進化して継続している。
「11」のオープニングの曲で、シングルにもなった「進水式」アルバムの1曲めとして初めて聴いた曲なのだが、「こんなに良い曲が1曲めでこの後の曲達は”聴き劣り”するんじゃないか」と考えてしまった
新しいメンバーを携えた最初のアルバム、最初の曲にして、この曲。「進水式」という普通の言葉だけれども、音楽、ポピュラーミュージックにおいては見逃されていた言葉、造った船がはじめて水に浮かべて、流れていく。そんな「はじまりの時」にもっとも相応しい言葉の風景がそのままそのまま表現されている。
波が高くとも、すすんでいく。困ったくらいに素晴らしい曲じゃないか!もしかしたらもしかしたら、「過去のキリンジ」よりも良いのかもしれない。なんて思ってしまう。でも「馬の骨」もよかった。から、問題ない。
続く「12」も当然の如くよかった。一曲集中型ではない、新しいけど完璧な「キリンジ」があった。
しかし、話題になった、バカに発見されたのかもしれない曲は、ものすごく前に発表された「3」の「エイリアンズ」だった。なんというかかんというか、でもその事実こそ「キリンジ」たるものだと思ってもしまう。
「ボタンを掛け違えたまま 大人になるのは恥ずべきことだ」
そのような歌詞が過去のキリンジにあったのをみなさまもご存知だろう。名盤「Beautiful Human Life」の1曲め「奴のシャツ」にある歌詞の一部。
この言葉は、今でも、たくさんのリスナーの中に留まっていて、ありとあらゆる解釈がされた事実が検索結果には残っている。
つまり、僕達リスナーは、「ボタンを掛け違えたまま」の大人なのであり、所詮そのような人間なのだ。バカに見つかった以前に、みんなバカだった。
しょっくだけど、結構どうでもいいけど、心に残る。
これからは「ボタンを掛け違えていた過去」ではなくなるのかもしれない。
そして最後に、どうしても言いたいことがあります。
「進水式」のPVを見た時、僕はその顔を過去に見たことを思い出しました。
それはコンサート等ではなく、「居酒屋」でした。
「キリンジの人がきている」と聞いたその宴席は、僕が出演したライブの打ち上げでした。
彼の横には出演していた知人がいました。美しい人でした。
山下達郎の横に、竹内まりやがいるような、そんな感覚を覚えました。
素敵な才能を持つ人には、共通することがあるんだなあ〜と今にして、思い出したりします。あ〜うらやましい・・だめだこりゃ。
終わり