さわやかトラウマ日記

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宇多田ヒカル「初恋」 僕は生涯一度も、誰かを好きになったことがありません

初恋

初恋

 

 こういう人間が、他にいるのか僕にはわからないけど、僕は生まれて一度も、誰かを好きなったということが、ありません。ほんとうです。性別問わず、ありません。それはなにかおかしいことなのかもしれない。人間として、何か大切なものが欠けているのだろうか。ずっと悩んでいます。そういう感情が無い、ということに気づいたのは、最近の事です。自分は何故ずっと一人なんだろう。そう考えた時に、そう気づきました。

 

僕は、一度も、他人を好きになったことが、ない。

それに気づくまで、ものすごく長い時間がかかってしまいました。

 

一昨年、僕は沢山の映画を観ました。映画の中では、かならず、誰かと誰かが、そこに出てきて、何かを感情を持つのです。主人公だけではない。当然だと思います。たったひとりの映画なんて、存在しないと思います。そしてそんな映画なんて、つまらないです。

でも、僕がもし映画の主役であったら、登場人物は、誰もいないのです。誰も出てこない。ブザーがなって、幕が開いても、僕を写すドラマは、ずっと始まらないのです。

 

ドラマが始まらない。ドラマが始まらない。

僕を映すドラマ、僕と誰かを映す物語が、ずっとずっと始まらない。

 

なんてつまらない人生なんだろう。どこでこうなってしまったんだろう。こういうことを書くと、絶対にそのことに対して、無責任な「肯定的な声」が聴こえてくるのかもしれないです。

だったら、どうしたらいいんだろう。この心が開くとでもいうのだろうか。その声で。僕は誰にも、心を開けないというのに。


宇多田ヒカル 『初恋』(Short Version)

初恋を歌った曲、結婚を2回して、子供もできた彼女が何故今、初恋を歌ったのか、わかりません。その気持ちがわかりません。これが、初恋だと、思える瞬間。なんて羨ましいんだろう。僕が知らない心の風景が、優しいメロディで、何かの暗示を持って、僕に聞こえてきます。僕が知らない世界。どんな世界なんだろう。この満たされた気持ちが、僕にいつかやってくるのだろうか。わからない。わからない。

羨ましい。

羨ましい。

 

世の中の全ての人、全ての正常な人が羨ましくてたまらない。いつかこんな気持ちになるんだろうか。うるさいほどに、胸が高まるのだろうか。いつかそうなるのだろうか。いつか、誰かの前で、涙を流したりするのだろうか。I NEED YOUなんて思ったりするのだろうか。わからない。

 

僕の心なんて、誰もわからないんだろ思う。僕はずっと一人。誰かといても、いつもほんとうの自分を見せることに精一杯で、本当の自分の姿は誰にも見せられていない。信じられないだろうけど、そうなのです。本当の自分なんて、誰にもわからない。

そういう回路の中に閉じ込められている人間の気持ちなんて、この曲に共感している何百万の人には、わからないんだろう。

 

この「初恋」を聴いて、みなさんどうお感じになっているのだろうか。僕みたいな気持ちになっている人はいるのだろうか。

きっと、いるに違いない。同じ苦しみ。誰も愛せないという苦しみ。愛されるより、愛したいマジで。そんな曲が思い浮かんだけど、実際そのとおりです。

でもできない。できないのです。誰も愛せない。もう引き返せない。もうずっとそうだったから。誰かを愛すなんて、無理に決まっている。愛されることはできるかもしれないけど、それは返せない。無理です。リーブミーアローンです。近づくな。ひとりにしておいてほしい。ひとりになっているけど、ひとりにしておいてほしい。

そんな気持ちをもって、僕はこの「初恋」を聴いています。なんてひどい曲なんだろう。それだけの、力がある曲だということなのかもしれません。

終わり。