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【ヴィジュアル系】V.A/Emergency Express 1996 名門オムニバスの最終シリーズにして最高傑作だと思います!

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EMERGENCY EXPRE

EMERGENCY EXPRE

 

 収録曲名/参加バンド

 1. You…(GALA)

  2. SPARK!!(Puzzle)

  3. パタフライ(フロート)

  4. REVOLUTION(ANTIQUE DOLL)

  5. PERSONA(FANATICCRISIS)

  6. 想い出に瞳閉じたら(Ma[:]r~Tyrer)

  7. to the Edge of the Earth」(Lluvia)

  8. 時の果てまで(BAUDE-LAIRE)

  9. クリーム(Plastic Tree)

  10. TERROR(MASCHERA)

 

黒夢Gargoyle、Eins:VierにGilles de Raisなど、錚々たるバンドが参加した、「メジャーへの登竜門」と言われていたオムニバス・アルバムとして名高いトイズファクトリーからリリースされた「Emergency Express」今のところ最終となった、1996年のものをレビューします。

なぜこれを選んだのかというと、当時、このアルバムに対して、このアルバムのプロデューサーのZi:Killのドラマー、EBYちゃんさんが「フールズ・メイト」において、インタビューに応えていて、それがとても面白しろかったのを、今でも覚えているからです。

そしてこの1996年は、他のシリーズとは異なり、興味深いもの。そして内容だからです!

他と異なる点というのは、このシリーズは「プロデューサーを迎えて、全バンドが、同じスタジオで、新しくレコーディングをしたものを収録する」というものです。過去のこのシリーズに限らず、オムニバス・アルバムというものは、普通は、個々で録音したものを持ち寄って、みたいなものが主です。

これは、バンドにとっては、かなり難しいものだと思われます。

今までは、音質の差によって、クオリティの高低が判断されたりしました。これはそういうことがなくなります。そして、スタジオでのレコーディング経験の差、当然出てしまいます。そして、ごまかしがきかなくなってしまう。「音の荒さ」や「曲の出来不出来」にも明らかに差がついてしまいます。

先に言ってしまうと。各バンドの差、出ています。均質化がされたことにより、この時点での差がはっきり出てしまった。

しかし、この時点での音源作品としては、非常に興味深く、クオリティは高い、全てレベルが高いと思いました。

 1. You… (GALA)

メンバー:麻田 晋也(Vo) 篠田 達也(G) 田中 雄二(B) Rockey(Dr)

「とても歌がうまい」とEBYちゃんがインタビューで言っていたとおりに、ボーカルの旨さが引き立つ、メロディアスでシンプルな、ラブソングです。GALAはこの後、バンド名を「GALLA」に改名をして、なんとエイベックスから1998年にメジャーデビューしました!

アニメ「頭文字D」の主題歌も担当したそうです。

www.youtube.co

このオムニバスがきっかけになったのかは、わかりませんが。この「奇蹟の薔薇」を聴く限り、オムニバス通りの実力を発揮できていると思います。このオムニバス・シリーズの1曲め、といえば93年盤のトップバッターは黒夢の「狂人」でした!タイトルは、トイズファクトリーからのリリーズだったので「Missing Glory」に変えさせられてしまったのですが、「狂人」はインディーズ時代の黒夢の中でも名曲名高い曲です!本人達も、この「Emergency Express 」の1曲めに収録され、その出来に手応えを感じていた、ということを当時のインタビューで話していました。「自分らが一番良い」とか言っていたような。。。確かにそのとおりだったかも><

というわけで、やはり「Emergency Express 」は名門だったんだなーという1曲めです。

 

 2. SPARK!! (Puzzle)

メンバー:YUMENO(Vo) 田村"YU-KI"貴之(GT) ミズノ”Nickey”タカシ(B) 渡辺”TETSUYA”徹也(Dr)

ストレートなロックンロールバンドです。Puzzleさんについて、調べたのですが、全く詳細はわかりませんでした。「渋谷ラ・ママ」とかに出ていたそうな感じに思いました。やはり「Puzzle」というバンド名だと、まだインターネットの普及が今よりもなかった、Googleのちからもまだなかったころだったので、仕方がないけれども、埋もれてしまう感じなのかな?と思ってしまいました!

しかし、平均点以上のものは感じられます。力にあるバンドだと思いました。こう、対バンによくいそうな感じのバンドさんという感じで、なんだか懐かしいなーなんて。思いました。

  3.バタフライ (フロート)

メンバー:石井秀仁(Vo) SAKYO(G) YO-KI(B) 袋井賢悟(Dr&Perc)

出ました!!これを目的で買ったのかもしれないです。後にcali≠gariに加入した石井秀仁大先生擁する、伝説のヴィジュアル系ミーツ渋谷系バンド、フロートの唯一の公式音源です!!僕はcali≠gariに彼が加入をする前に、これを聴いていました。だから、アノ秀児の後にこの人が入ると知った時!驚いたのです!まあそんなことはどうでもいいでしょう。非常に凝ったアレンジやコーラスワークが光る、良質なポップソングです。いわゆる「渋谷系」のお約束、アコースティックギターを多様したサウンドに、「ヴィジュアル系」では考えられない「パーパっドゥワー」というポップでキュート><♥ラブリーギターポップなコーラスも素敵ですね。

しかし果たしてこれが「渋谷系」なのかというと…あのその僕はその後「渋谷けい」っぽいところに走ってしまったので、言ってしまいますが、違います!それはなぜか。やはりそれは「渋谷系」というものとは圧倒的に違う、石井さんのボーカルです。渋谷系はこんなに歌がうまくありません!ほんとうですよほんとうに。だから「何でもあり」なcali≠gariに加入してよかったのかな、と思いました。

 4. REVOLUTION (ANTIQUE DOLL)

メンバー:FUYUKI(Vo) GEORGE(G) SIN(B) NAO(Dr)

カリスマ・ギタリストGEORGEを中心に結成された、メタル・バンドです。メタルもこの界隈では重要な要素ですよね。ボーカルのFUYUKIはメタルサウンドでも埋もれない、驚異のハイトーンです。冒頭は、GEORGEによる、割と長いアコースティックギターでのソロになります。割と長いです。が、それがドラマティックさを引き出しているのかな?と考えました。ANTIQUE DOLLはその後、2001年にアルバムを出し、解散をしたようです。

5. PERSON(FANATICCRISIS)

 メンバー 石月努(Vo) 和也(G) SHUN(G) RYUJI(B) 徹(Dr)

1stミニアルバム「太陽の虜」に収録されていた曲のセルフカバーです。

このバージョン、僕は好きです。テンポがかなり上がっていて、四つ打ちのドラムも効いていて、まるでダンスナンバーのようになって、かっこいいです。何より素晴らしいのが、演奏です。インタビューでもEBYちゃんさんが、ファナティッククライシスの演奏の上手さ、とくにベースの上手さを褒めていました。

そしてやはり、光るのは石月努のボーカルです。自分の声をどう操ってよいのか、よくわかっていると思います。エスニックなメロディは高低差が激しいのですが、高い表現力でカバーしています。このオムニバスの中で、一番、楽曲、演奏、アレンジ、ボーカルともに、一番だと断言します。そして、メジャーシーンにおいても、一番成功したバンドになったと思います。この時点で、レコーディングも経験していた、ということも大きかった。端々にそれが感じられます。星5つ!!★★★★★

  6. 想い出に瞳閉じたら(Mar~Tyrer)

メンバー:小柳 順(Vo&G) 保井 剛(G) 槙野 隆幸(Dr)

サポートが参加しての音源です。ボーカルは「高野哲」を彷彿させるような高野哲学な感じです。曲もそんな感じだと思います。バンド名はどう読んでいいのか。メーティアかな?メティラーはもう少し後だっと思いますが。「水鏡」の元メンバーを中心に結成されたバンドだそうです。水鏡といえばボーカルがハイパーマニア→RAMARの悠介さんのいたバンドでしょうか?VKDBさまでもグラスレさまでもわからず。90年台V系は深いですね。。

  7. to the Edge of the Earth」(Lluvia)

メンバー:KAORU(Vo) KAZUYA(B) Takanori(G) NAO(Dr)

 L’luvia。新潟から爽やかな「からっ風」が吹いてきた!かのような曲です。フェードインで入ってくる、クリーンなギターサウンド!ああ愛しい「Eins:Vier」を思い出させるような!と当時は思っていました。この曲は、とにかく素晴らしいです。どこか不器用なのですが、ボーカルの方が、とくに不器用なのですが、まっすぐさがあります。厳しい新潟の自然が…とかやめておきますね。僕も「関東甲信越地方」出身なので><

そしてL’luviaはメジャーデビューしました。そうです。その頃は「ヴィジュアル・バブル」真っ盛りの頃だったと思います。テレビからは「ジュビっ子」みたいな言葉も聞こえてきたり>< この曲も後にセルフカバーしましたが、あまり聴けませんでした。

このアルバムで聴けたL’luviaの「不器用なまっすぐさ」が無くなっていたような気がしたからです。ああジュビっ子らよ!永遠に…。

 

  8. 時の果てまで(BAUDE-LAIRE)

メンバー:U-KI(Vo&G) REIJI(G) KEN2(B) Mitchy(Dr)

シンプルなギターサウンド、ギターリフを中心に「ジャム」って作ったような曲なのかな?と邪推してしまいました。オルタナティブ・ロックに影響を受けているのかなとも。音像は、はっきりしていて、かっこいいです。曲展開が、AーB-ーサビー間奏ーBーサビ みたいな感じで、とくに、こう面白みが、と思ってしまいました。そして「対バンにいそうなバンド」という感想を持ってしまいました>< バンド名は「ボードレール」と読むのですかね? Baudelaire!悪の華!シンプルさ、良いと思いますが、ちょっと「ふつう」かなあと思ってしまいました。普通でもよいとは思うのですが、なんというかふつう、ふつうでいいのかなあ、演奏はとてもうまいので、余計にふつうさが目立ってしまった気がします。歌詞もふつうなような、気がします。そうです。ボードレールぽさ、僕も知ったかでよく知らないのですが、フランス文学のような面持ちはなく、正常に日本日本している感じだと感じ、それはふつうのことなのでいいかな、とも。

  9. クリーム(Plastic Tree)

竜太郎(Vo) AKIRA(G) 正(B) SHIN(Dr)

コネ参加!!プロデューサーEBYちゃんさんの!!とか言ってはいけませんよね。お世話になった方なのですから。そのEBYちゃんさんがプロデュースをしたインディーズのデビュー・ミニアルバム「Strange fruits -奇妙な果実-」からのリメイクです。

その前に、Strange fruits -奇妙な果実-がリリースされるかなり前に、Plastic Treeの目黒鹿鳴館ワンマンのライブレポートが、SHOXXかフールズ・メイトかは忘れてしまいましたが、そのゲスト席にはEBYちゃんさんがおり「あそこ、あそこにTUSKがいるよ」と竜太郎のことを言っていた、ということが載っていたのを覚えています。そうです。竜太郎くんは、Zi:killのTUSKの影響をかなり受けていて、歌い方も昔は違っていたのです。しかし「Strange fruits -奇妙な果実-」からは、今と同じようになりました。何があったのかはわかりません。

あ、どうでもいいですね。すみません。僕Plastic Treeについてほとんどレビューとかしていないのですが、好きでしたよ!「Strange fruits -奇妙な果実-」も「リラの樹」も「割れた窓」も「Hide and Seek」も伝説の名盤「Puppet Show」も全部リセットバイバイバイバイ全部リセットしていないですよ!!いつか書きます!

ごめんなさい。この「クリーム」はブリットポップBARIBARIだった元とは違い、「ふわふわ竜ちゃん」みたいな彼の幼児性を引き出してしまったかのような、まあ実験的なトラックです。余裕があった証拠だと思います。そして、この参加バンドの中で、今でも現役なのは、我らがプラトゥリさまだけ、ということ、すごいと思います。好きなようにやれていた、ということの証なのかもしれません。

  10. TERROR(MASCHERA)

メンバー:MICHI(Vo) TAKUYA(Gt) HIRO(B) TOMO(Dr)

姫路の誇り。MASCHERAがトリを飾ります。MASCHERAのことも、EBYちゃんさんが褒めていました。ファナティッククライシスとともに、特にベースがうまいとも指摘していました。そして、レコーディングの際のエピソードとして、ヴォーカルのMICHIがフル・メイクをしてレコーディングに来ていたことに「プロ意識が高い」と評していました。たった1曲のためだけのレコーディングでも、しっかりメイクをして、世界に入り込むということ。この曲だけでも、その後の他のバンドとの差がわかります。

ファナティッククライシスとは違い、彼らはストレートに、重ねも少なく、流れ、リズムのグルーヴ感もよく出ています。もうライブで全国を回っていて、フルアルバムもリリースしていたバンド、トップバンドであった、という誇りもあったのでしょう。

おそらく、こういう状況であるから、最大限に良いものを出せるようにしたのかな、という気概が感じられる音源です。それは、MASCHERAだけではなく、全てのバンドがそうなのだと思います。その後の結果は置いておいて。

 

ライナーノーツ

この後、ほんの少し後にSHAZNAが「Mely Love」でデビューします。僕はその瞬間から、ヴィジュアル系ブームが始まった、と思います。もちろん、SHAZNAを含め、いろんなバンドが事前に活動をしていた。その「ヴィジュアル系」という冠がない時から。

このCDにはフールズ・メイトの編集者加納一美氏がライナーノーツを寄せていて、その中でこのような記述がありました。

 

ここ数年のバンド・シーンを俯瞰して思うことは、特にヴィジュアルをバンド・カラーのひとつとして全面に押し出したバンドの勢力は、供給に需要が追いつかない、ある種飽和状態に陥っているのはないかという事だ。それは状況に甘えるバンド側のみならず、バンドの本質を見極める事さえ難儀にさせるほど、情報や音源を手当たり次第流出していくマスコミやディストリビューター側にも責任があり、誠に遺憾とする所でもあるのだが(以下略) 

 

 この時にはもうそのようになっていて、そして、それが終わったかなりの時間を経過した、今でもそうなってしまっている状況になったと思います。このような言質が、一切されることがなくなってしまった。フールズ・メイトもなくなってしまった。シーンを俯瞰して見ているような人が、メディアにはもういないのかな、とも思ってしまいます。厳しいことを言うこと人はもういなくなってしまったのか。WEBメディアは所詮「そんたく」の塊のようであり、本質を追求しようとしていない、と僕は感じています。

そして、個人メディアも「空気を読んだ」ものばかりのように感じます。ツイッターでも「気遣い」をしない投稿は、さらされて、叩かれる。どんどん縮小していく状況を、みんな受け入れているだけ、のような気がしています。

今日ここでは「ヴィジュアル系」という言葉を使いましたが、加納氏の文章には「ヴィジュアル系」という言葉は、ありませんでした。

 

時代が過ぎ、「ヴィジュアル系バンド」をやりたくて「ヴィジュアル系バンド」を始めた人たちが、今の「ヴィジュアル系バンド」のほとんどだと思います。

その人達は、未だ誰も成功していない、と言っても良いと思います。それは「様式美」という言葉を、知らない人たちが、様式美を引き継いでしまっている。無意識に。「ヴィジュアル系」は様式美を引き継がなかった、それとの戦ったバンド達が勝者になったのかなあーと。このオムニバスを聴いて、考えました。

 

終わり