史上最も、新しい音楽に簡単に出会える音楽サービス「Apple Music」にて、このようなアルバムにも出会えたことは、後悔をすべきではない、ことなのだと、思います。
東郷清丸という云う人のアルバム「2兆円」しかし、このジャケット・ワークは、どうなのでしょうか。
これが、「新着ミュージック」の中の一覧に、アルバム・ジャケットが並んでいるのです。そこには色とりどり有象無象、奇々怪々、商業主義音楽にサブカルチャー、ロックにポップス、アイドル、やはりクソみたいなものから、良さそうだけど別に今聞かなくてもいいかな、みたいなもの。いろんなものがあります。
その中で、「東郷清丸」というなにがしによる「2兆円」というアルバム。そしてこのジャケット。なにを狙っているのでしょうか。
音楽とは、時にてろりずむになると、自分は考えています。人の精神を混乱に導き、破滅させる。そんな意図を感じてしまったのですこのアルバムのアートワークに!
「ゲバ字」(死語)を思い出せるようなフォント使い。「誰かが適当にシャッター押しちゃった感」しかないフォトワーク。そして、低収入まるだしの簡素な家の背景。
あのスカシ音楽があふれる、AppleMusicいやこの今の世の中で、これは「これを聞かないでくれ!」ということを、示唆しているとしか思えないのです。おかしいやはりテロか。
しかし、冷静になり、聴いてみました。
すると、どうでしょう。想像していたのものと、380度違う音楽がそこにはありました。一回転しているのです。
わかりやすく言うと、これはアルバム全体を通しての1回転なのです。
1曲め「ロードムービー」から、その回転ははじまります。
極めて大人いやオトナな、アーバンな乾いたロックに、どうにもどこか乾いているけど、愛らしい声が絡んでくる、ポップソング、ギターを主体としたポップソングが始まってしまうのです。きわめて今時の隙間のある音像に、少し腹も立ちます。でもいい感じです。浮遊感のあるコーラス・ワークにも、残念ですが「何か」を感じたりもしてしまいます。
2曲め「サムタイム」はまた極めて簡素なギター・リフにちょっとほっとします。虚無感の漂う「サマタイム」まるで、70年代の秘蔵発掘大滝詠一フォロワーの出したシングルレコードの2曲目にあるような、曲です。しかしとてもさわやか「サマータイム」な曲のようには聴こえません。そうでした「サマタイム」でした。ルーム・メイクな音楽らしい、夏の曲なんだ。と思いました。夏感は、仮のもの。でもいいでしょう。そんなものです。夏なんて!山下達郎大センセイがこれを聴いたらどう思うかな、なんて、考えてみましたー><
3曲め「SuperRelax」これはサイケですね???サイケデリック??キメちゃってるのかな?通報通報!変速的なビートにのって、踊ろうよというやはりフラワーな感じが漂う曲です。なんだか気持ちよくなってくる気がするのですが、そんな時は「2兆円」のジャケットを目に決めれば、あっというまに吾に帰ることができます。ありがとう東郷サン!
4曲目はスローで落ち着いた曲です。スローで落ち着いた曲なのですが、気持ち悪い音が入っていて、それが特徴の曲です。が、この辺りから他のアーティストとの類似点を感じました。それは「掘込」です。「掘込」のどちらか、です。どちらかは、わかりません。まじめに分析をすれば、でてくるとは思うのですが、「掘込感」は一旦感じてしまうと、この後にも続いてしまいまうのでお気をつけて。
5曲目「深夜特急」このよを愁う夜、電車を続いていく。潜っていけ。そのような曲です。小曲ですが、鋭いきれあじに、心がなんとなく傷つけれたような、気もしてしまう曲です。
6曲目「美しいできごと」やっとラブソングのようなものがきました。イマドキ邦楽のほとんどが、ラブソングなのに、やっとやっとです。しかし、テレビでうたわれる甘いラブソング(でも最近あんまり無い気がしますね大体はゆめかなえようーあおぞらをみてーみたいなのばっかりのような)とは違い、歌っているのは、本当にそこらへんにいそうな彼なのです。といったら、失礼ですが、決してルックスを非難しているわけではありませんよ。彼の歌声は、けっこういけめんなのです。狩野英孝なみに!ほんとうです。最後はスイーツ内面スイーツ丸出しなファルセット・ヴォイスで終わります!三兆円!!
7曲目「劇薬」はまさに「劇薬」です。劇薬の他にしかない。アルバムの劇薬です。劇薬なので、ここでドーンと!回転します。くそみたいに洗煉された、グルーヴィーなサウンド、コーラスワーク、意味深そうな歌詞、禁断ではないアダルトさ、そして…濃密に漂ってしまう「掘込感」そう「ジンキリ感」です。逆なのです。逆!ちょっとよくわからないですが、「ペーパードライバーズミュージック」「3」感にあふれているのです。ごめんなさい。東郷さん。すなおな感想です。でも、ただのフォロワーではないのです。こちらは、間違っても「LINEモバイル」のCMではかからないでしょう!2兆円でLINEを買収すよう!ネイバー!!
8曲目「赤坂プリンスホテル」これがまた、アーバンクライン東武線みたいなカッコイイ曲です。赤坂プリンスホテルですって!バブル回帰かよ…ベッド・イン!でも、これは本気でカッコイイです。このジャケット、「東郷清丸」「2兆円」で、こんだけくそオシャレで聴きやすい曲が入っているだなんて、ちょっとわかりやすいすぎる、なんて思うのは、僕だけでしょうきっと!わかんない…。
9曲目「海に抱かれて」は原点にたちかえった、結局原点が何かどこかというのがわからないのですが、そんな弾き語りフォーク・ソングです。急に彼の声も、ひどくおっさん臭くなります。変幻自在です。
10曲目「任せて!インサツレンジャー!」は人をバカにしたかのような爽やかな曲です。声もさわやかさわやか。特撮ものを意識したのかな?「インサツレンジャー」とはなにでしょうか。いんさつ、コピー、しょせん人間とはコピー、印刷のようなものだけれども、とりあえずがんばろうぜ!みたいな感じなんだと思います。僕ら空気と同じ〜どこにでもいるのさ〜という励ましだかなにだかわからないのですが、ポジティブすぎてちょっと腹立つさわやかなメロディです。そしてノリノリなギター。後ろからハリセンしたくなってしまう。どうしよう。
11曲め「メリーゴーランド」は「終わり」のような曲です。エンディングテーマ。そうです。安堵感と隠せない閉塞感。終わり!の曲です。
あとの50曲!は、自由な感じのインストみたいな感じの曲が入っています。Tスクエアのパクリみたいな曲とか。トゥルース!!
そう、このアルバムは自由です。彼はSoundCloudで曲を発表していたみたいです。あそこはテキトーに曲をアップロードできる、けど聞く人はすくない、というところ、そこにアップロードをしていたトラックなのではないでしょうか。いいと思います。
気になるのは「メガネ丿タカダ1」「メガネ丿タカダ2」という並びの曲です。「メガネのナガタ」かな?あなたのーまちのーめがねのナガタ〜という「メガネのナガタ」のCMは長野県ローカルだと思っていました。すごくダサいCMなんですよーーー
もしかして、彼は長野県民なのかな?かわいそう…
「2兆円」というタイトルは、自分の音楽には「2兆円」の価値がある、ということによるものだと、どこかで見聞きしました。どうなんでしょう。真面目にそんな価値はないかもしれませんが、世の中の、つまんないありきたりな予定調和な音楽よりは、全然価値はあると思うのです!
ほら、一回りしました。そういうことです。うーんでもよくわからないです。でも、わかりたいけどわかりたくもない、けど、面白い!それに付きます。
https://www.youtube.com/watch?v=e5ULRLUMk48