さわやかトラウマ日記

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King Gnu「The hole」四の五の言わずにKing Gnuのこのライブ動画を見てください

四の五の言わずにKing Gnuのこのライブ動画を見てください。

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これが「KING SHOW」に似てるな、なんて思ってはいけません><

 

まず、出だしからピアノの耽美的で技巧的なフレーズ…。この曲は「Sympa」というアルバムに入っている曲で、このフレーズはそこには無いです。そして始まるフレーズはサビと同じフレーズです。後から出てくるものだとわかるのが楽しいな、という発見がありました。

この曲は、とても悲しい曲です。哀しい曲。だから好きになったというわけではありません。言葉には出来ない、比類の無い美しさがこの曲にあります。やるせなさ、どうしようもない状況が、人間の間には存在してしまう。タイトルの「The hole」はそのとおりに「穴」の事です。開いてしまった穴を埋めたいけど、そこは埋めることがどうしてもできない。

ここではその「穴」が何かということを、明示していません。詩人だったら当然そうします。この詞と曲、編曲、そしてこの曲ではピアノを弾いているのは、ギターの常田大希です。長野県伊那市出身。実はここで大きな興味を持ったのですが。更に、東京芸術大学音楽学部器楽科チェロ専攻を中退していた人でもあった。そこでも大きな興味を持ってしまいました。

この流れだと、やはり同じ長野県伊那市出身のボーカル井口理についても触れなければいけませんよね。彼は東京芸術大学音楽学部声楽科を卒業した人です。彼のボーカルが他のJロック邦ロックらの人たちとは別物だと感じた理由がわかりました。

彼のファルセットボイス、ミックスボイスは極めて特殊です。その境をはっきりさせていないのです。声楽を専攻するということは、歌を唄うということの根本から勉強をするものではないかと思います。僕は声楽を学んだわけではないのですが。東京芸術大学に入るくらいだから、その時点でもう基本は出来ていたのかもしれません。ファルセットにある意味に騙されてしまって、普通に聞こえてしまっているかもしれないですが、よくよく聴いたらすごいことを彼、井口理はやっています。

「The hole」は常人が歌いこなせることはできない曲です。でもサラと歌っている。それがこの曲にはとても重要なことなのだと感じています。どこでもありそうな悲しみ、でも実はとても大きい穴になって、人の心の疎通を阻害してしまう。何よりも美しい声だと感じました。今までにない声だと思います。強烈さは感じられないけど、不思議な魅力があります。何度でも聴きたくなる、その都度に。

 

トラックも非常に素晴らしい。途中で入ってくるストリングもさりげなく美しくそして、とても哀しいこの曲を盛り上げています。相反するような音像が存在しているということです。そして大げさすぎる飾り立てもなく、曲は終わります。ストリングスが悲しいリフレインを残して、ピアノで出だしにフレーズが途切れるのを待つように終わっていきます。

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この曲のプロモーションビデオも強烈ですね。この内容について言及するのは止めておきます。いろいろな解釈をここからするのは、僕には向いていないです。ただ、この曲だけを聴いていたいかなと思いました。

 

このバンドに2人東京芸術大学関係者いることを書きました。やはり彼らの高いクオリティの因としてそれは大きいと思います。それはパッと聞きではわからないかもしれない。

まず、東京芸大のみならず、音楽学科出身ということは、入試の段階で、聴音や楽典、新曲視唱(譜面を初見で歌う)もあるはずです。国立だから当然他の学科もあります。それだけで凄いのです。また音楽学科には、全教科(邦楽はわからないけど)において、ピアノの試験もあります。常田井口氏が鍵盤も弾けるのは、当たり前のことなのです。

そして、今日ここで名前を上げなかったベース、ドラムのメンバーも相応の経験を積んできた人達であり、すばらしい演奏者でもあります。一流のクリエイターが揃っているということです。つまり、ポッと出かもしれませんが、下地はあった。基礎があるということです。音楽素人ではない、深い知識を持っている人達。やはり憧れます><

King Gnuはまだ新規(Vけいみたい)なのですが、いろいろ良い曲がたくさんありました。また書くかもしれません。おわり