さわやかトラウマ日記

さわやかな音楽ブログです from 2004


さわやかでまえむきな人間になりたい男が
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タイの「フリッパーズになれなかった僕ら」に完全に敗北しました!V.A Smallroom 006「 Flipper's Player」タイに行くつもりじゃなかった

僕はタイが好きなんです。

海外旅行で一番行ったのはタイです。正直、最初と2回めの人といった時と、ラオスミャンマーに行った時を含めて、一人でバンコクに行ったのは何回いったのか覚えていないくらいです。それくらい行きました。

 

バンコクは面白いです。

都会で最新鋭だけど、どこかずれていて、なんだかおかしいのです。

デパートはきれいなのに、店員さんは自由だし、あんまり高級じゃないデパートではもっとやりたい放題。寝具売り場では店員さんが昼寝してます。そんなの当たり前なんです。みんなリラックスしてように見えます。見えるだけです。「あなたたちはいつもリラックスしてますね。私は日本人なのでいつも緊張してますよ」とか、誰かに英語で言った覚えがあります。伝わったかはわかりません。

 

キレイなデパートがバンコクの一部に固まってあります。サイアムということろです・

そこによく行きました。それは何かがほしいわけではなく、「涼しかったから」です。バンコクに行くのはなぜか雨季が多かったです。ムシムシして凄く熱いです。一番熱い「暑季」にも行きました。3月くらいですかね。ほんとうに暑かった。そういう時は外をうろうろせず、ホテルか、デパートにいくのです。ホテルにはだいたいプールがあったりします。そんなに高いお金をださなくても五つ星ホテルに泊まれるのがバンコクです。手軽にリゾート気分を味わえるので行ってしまったのです。

 

デパートの中に「HMV的な店」がありました。要するにCDショップです。

そこの僕はあるCDを探して買いに行き、そして買いました。それが「タイのアーティストによるフリッパーズ・ギターの1stアルバムのトリビュートカバーアルバム」です。

 

Smallroom 006: Flipper's Players: Tribute To Flipper's Guitar

Smallroom 006: Flipper's Players: Tribute To Flipper's Guitar

 

  これです。タイのレーベルsmallroomからリリースされました。一時期「サイアム系」と言われていたレーベルです。今では普通のレーベルになったようです。が、一時期はレーベルの作品、特にオムニバスのジャケットの感じが「どっかで見た感じだハイラインレコードとか渋谷HMVで売ってたようなやつだああ」みたいな感じでした。

 

フリッパーズのトリビュートアルバム」というと、もちろん日本から出ています。片方の評判の悪さといったらまさに悪夢レベルです。せっかくなのでここに紹介しますね。 
TRIBUTE TO FLIPPER’S GUITAR~FRIENDS AGAIN~フリッパーズ ギター トリビュート

TRIBUTE TO FLIPPER’S GUITAR~FRIENDS AGAIN~フリッパーズ ギター トリビュート

 

 このレビューの炎上っぷりがひどいです。みんな怒りまくってます!これほどまでに絶望感が伝わるレビューが並んでいると、悲しくなってきます。

なので、このアルバムを聴いたことはありません!聴きたくないから!。人生の無駄です。だって、だって今日紹介するバンコク、サイアムの「Smallroom」の「フリッパーズ・ギターの1stアルバムのトリビュートアルバム」が最高だから!

どの曲も、どのバンドも、センスが日本人と違うからか、上に聴こえます。サウンドもすごくオシャレです。渋谷系を超えてます!ほんとに!そう思ったのは僕だけじゃないはずです。まず英語がうまいです。小山田圭吾より。哀しいほどに、英語に聞こえます!

「FMファン」というマニアックな雑誌で「日本人アーティストの英語の歌を批評する」というコーナーがあり、そこでフリッパーズ・ギター最低点を獲得していました。評価対象はもちろんこの全編英詩の「three cheers for our side ~海へ行くつもりじゃなかった~」でした。「英語になってない」「これ英語なの?」「日本語に聴こえる」「曲は悪くない」などメタクソで、僕は笑いました。でも、僕も英語がわからないです。しかしフリッパーズの1stは全英詩ですが、全部歌詞を見なくても歌えるようになりました!そんだけ聴いちゃったのです。だから英語が逆にできなくなったのかも。。。

 

このアルバムは日本版もでました。僕は持ってません。

しかし、AmazonのCDレビューに興味深いものがありました。

このアルバムに一つ星を付けた人がいました。 

flipper’s players~タイへ行くつもりじゃなかった~

flipper’s players~タイへ行くつもりじゃなかった~

 

 

 

★ひとつ タイトル「最悪です」

原曲を何も理解しないままカバーしているアルバムです。
パッと見では曲順も考えてあって、久々にまともなカバーかと思いましたが
そんなことはありませんでした。
これを作った人たちは本当にフリッパーズが好きなのでしょうか?
大半がファンでもないのに企画に乗ってCD出したような雰囲気がするのですが。

気になる方は試聴してみてから購入を判断してください。
私はこんなアルバムを作ってしまう人たちには一銭たりとも投資するつもりはありません

 

 それに下記のコメントがつきました。

 

国内で発売されたトリビュートアルバムのどれにも、このアルバムほど原曲への愛情を感じることはありません。smallroomのこのアルバムは実に素晴らしい仕上がりです。
この評者はタイや台湾の若者にUKロックやべスパなどのモッズカルチャーがどれぐらい昔から当たり前に根付いているかなど何も知らないのでしょうし、そんな彼らが渋谷系をどう解釈したかなんて、想像すら出来ないのでしょう。

 

 

なんて素晴らしい返信。その通りです。原曲への愛。それが感じられるような、それは表面的に感じるのは難しいかもしれません。しかしカバーは原曲そのままに、コピーをすることが吉だと思っている日本人が多すぎると常日頃思っていました。そっくりそのままコピー。バンドスコアを見てバンドを始める人が多かった影響でしょうか。そんなことは格好悪いこと。自分達のセンスが無い、我が無いことを表すだけなのに。

 

それをひっくるめてこのアルバムは本当に素晴らしいです。フリッパーズへの尊敬とか影響とかどうでもよくなってくるくらい上質です。

小山田圭吾小沢健二の耳に敵うかどうかはわかりませんが、少なくとも、聴いたことはないけど、日本版よりは。っていうかこのアルバムに★を付けてる人は視聴しただけで買ってないのでしょうか。最悪ですね。僕も「日本版」を試聴しようかなと思ったのですが、このアルバムの先導者、イズミカワソラさん(過去にこのブログにも登場しています)のグルーヴ・チューブ、略してグルチュを聴こうと思ったのですが、ありませんでした。あー残念。

 

フリッパーズ・ギターの1stは「僕ら」にとっては神聖なものです。このアルバムを紹介してくれた友達も「僕ら」の一員です。「☆ミ心の中にいつもフリッパーズの1stがあった」と言うのはちょっと恥ずかしいけれど、そんな僕らが聴いても、良い、悪いどころか「負けた」と思ってしまったのです。どこかどうこう負けたのか説明するのはわかりません。しかし、日本に後継のバンドは現れず、僕らを「負けた」と思わせるような人たちはついには表れなかった。僕らはずっとそれを引きずって行きていくのです。

そんな高い壁をタイの彼ら、サイアムの彼らはラクラクと飛び越えてしまった。哀しい事実です。

youtubeにはこの音源が上げられていましたので、今からコンプレックスに悩まされながらもピックアップしてレビューします。

 

その前に。「タイであった音楽体験で素敵なこと」を書きます。

このCDを買ったデパートだったかはもう忘れましたが、大きなサイアムのショッピングモールの吹き抜けのところで、男の子4人のバンドが演奏を始めるようでした。

「へえ〜デパートでアマチュアのひとたちが演奏か」と思いました。CDとか、ポスターとかなかったので、たぶんアマチュアです。

「どんな音楽かな」と思って、その辺のベンチに座ってみてみました。

それはそれは、ゆるいゆるーい、ソウル・ミュージックでした。ゆるすぎた。ボーカルの人は力なく、優しく、ギターはさわやか。ドラムとベースは軽やか。外は酷暑だけど、建物の中は寒いバンコクで、僕はほろほろと癒やされました。涼しいのがさらに涼しくなる気がしました。「タイっていいな」と思いました。

日本で公共の場で奏でられる音楽は、ほとんど自分に取って苦痛なもの(※過去の例)ばかりでしたが、バンコクでこんな素敵な音楽が聴けるなんて。いつしか演奏が終わって、僕は前にかけよって、思いっきり拍手をしました。が、話しかけられなかったのです。照れ屋だったから。英語が・・・自信なかったからかもしれない。

 

その時に買ったCDの中にタイのバンド「lemon soup」のアルバムがありました。このアルバムにも参加して「Joyride」をカバーしてますが、アルバムはまた別のボーカルのようで、もしかしてこのバンドじゃないかと思いましたが、違うかもしれません。

www.youtube.com

 この曲を聴くと、あのバンド、あのショッピングモールを思い出すのです。

また、あの空間でこんな音楽を聴きたいです。バンコク好き!

 

というわけでピックアップしてレビューします!

1.Hallo / YURIS NOMINEE

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基本的に元のアルバム通り曲が入ってます!ということで「Hallo」からスタートです!いきなり良い感じです。本物にはないアクセントやアイデアが盛りだくさんで、原曲の良さをさらに良くしてます!1曲めからそれがわかりました。この後も最高なカバーばかりです。これを視聴して買わなくてレビューで★ひとつで酷評した千葉のおじさん、ファックでハローって感じです!ボーカルも「小山田くん直系の囁き系」ですが、日本人の「小山田くんのモノマネ系」よりもなんだかよく聴こえます!となりの芝生はなんとかやらかもしれません!近親憎悪!まーいっか負けたって感じです!

 

2.Boys Fire the Tricot / fono 

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原曲のアズテック・カメラはどこへやら!クールなR&Bに変化しています!

女性ボーカルが良い感じにセクシィです!大好きなセルジオ・メンデスの「Timeless」みたいです!古さが新しくなるように加工してあります!「Timeless」はタイのホテルのプールでよくききましたよ〜うへへ。このトラックも良い感じだと僕は思います!日本人にはできない。。。とそう感じます。おかしいですよね。どうしてこうなるのか、本当に不思議です。原曲への愛とかそういう問題じゃないと気付かされました。かっこいいです負けました〜

3.Joyride / Lemon soup

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joyrideはさきほどの「Lemon Soup」がカバーしてます。このトラックはボーカルが違って、かなり低音の声です。「Kのカルヴィンみたい」と思いました!米国音楽〜!

曲もバンドのRIDEみたいになってると思いました。気のせいでしょう。しかしやっぱり日本人じゃない。と思いました。日本人が作った曲なのに。なんかそういう運命のもとに生まれた「海へ行くつもりじゃなかった」なのではと考えてみたりしました。全英語詩にした意味が・・・解き明かされ・・てません!こりゃだめだ。

 

4,coffee milk crazy/Cyndi Seui

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キターこの曲ですよ!カフェ・オレをそう呼ぶことがあるという曲ですよ!

ボサ・ノヴァな曲ですが、なんだかエレクトリカルなアレンジになってます。

「ちゅ、ちゅる」という可愛いサンプリングのコーラスも入ってます!

男の子の世界だった原曲(当たり前ですが)ここは女の子の世界です!

かわいいです!女の子かわいい!別にボサ・ノヴァじゃなくても、コーヒーミルクでクレイジーなのです!ニューヨークのティファニーでも「コーヒーミルク」というメニューがあるようです!まいったねNYっていえばオザケンこと小沢健二じゃねーか!

なんだか日本より日本だけどあんまりこっちからみたらあってない日本ではないかと思ったけど、余計なお世話ですね!典型的なボサ・ノヴァカバーじゃなくてよかったよ!

この曲もいい感じ!負けた!

 

5,MY RED SHOES /tattoo colour

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聴いていくと「ふんふんなんか普通だな」と思うですが、原曲とは全く違うギタのフレーズが間奏で出てきます!お祭りみたい!なんだこれダサい!都会的な化粧品のCMを見てたら、次に長野のローカルCMが流れた時みたいな感覚です><ビミョー!でも違和感ないかも。東京にいたときは「面白いな」と思えてましたが、今はそう思えません。祭りの季節まで長野にいたくないとか思っちゃいます><ありゃー、でも声も良い感じです。負けました・・

Exotic Lollipop (and other red roses)/penguin villa

 この曲はyoutubeにありませんでした!

なので聴いてレビューします!

これは「exotic」をそのままexoticに解釈したような変なフレーズが入ってきます。exoticな「お祭り」を感じさせます。日本的かもしれません。また祭りか。彼らにしたら「日本こそエキゾチック(異国的)なんだぞ」というメッセージが感じられます!モーニング娘。でいうと「恋のダンスサイト」でしょうか。あんな感じですが、歌の部分は「普通」です。でも間奏はすべて、「お祭り」お祭りへの強烈な意識の高さが伺えます。彼らは遠い国ですが、日本と同じ仏教国なのでした!タイ大好き!

7.Happy Like a Honeybee / 15th scenery

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ピクニックには!なんて!良い日いいいーーー斎藤工風)の曲です!僕にとっては神聖な聖歌です〜♪

このカバーは女性ボーカルによるカバーですが、聞きどころは間奏以降のちょっとサイケデリックでエレクトリカルな展開です!なんか日本人が作ったみたいな展開ですが、タイ人です!曲を作ったのは日本人!でも原曲の「ピクニック感」が別なところでも発揮されていました!すごいです!負けました〜

8.Samba Prade / OnofoN

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日本は「観光立国」を目指しています。そのことばかりテレビではやっています。ほんとうの「観光立国」それはタイなのです。観光客は日本とは桁違い。それは立地的な理由もありますが、行ってみるとわかるのですが「観光立国」です。日本なんて、日本人以外が来て、満足して帰ることできるのか、本当に不安です。だから、タイ人にこの曲は合うのでは。サンバ=ブラジル=ブラジル人はタイによく行くみたいな。ブラジル人が実際にタイに行ってるのかはわかりません。実際に行ったのですが、白色人種のかたが多くて、ブラジル人は人種が決まっていないので、何人かはわかりません。わかるのはお隣の国の人だけです。中国人はすぐわかります・・。理由は・・・想像の通りです。

しかし、この曲は「サンバ感」を増大させることはなく、というかそもそも原曲もサンバのかけらもありませんでした。それを気づかせてくれた、良いカバーです。「だるくてだるくてしかたないけどハッピー」みたいな女性ボーカルは日本人には難しいです。日本の女性はみんなやる気があって、素敵な女性ばかりだから・・・負けました!

9.goodbye,our pastels badges/ball jaruluk

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僕らのーーアノラックーーー!パステルズバッヂ!です!神聖な曲です!

カラオケでは「take!」のところで両手をパッと広げて出すのは常識です!この曲ももちろん英語の詩ですが、歌えます!なぜ歌えるのか、それは日本語として認識しているからだと、最近気づきました!きっと小山田くんそうだったと思います!

これはMr.ballさんによる、正統派R&Bにこの曲は汚されてしまいセクシーな男、アメリカのボビー・バレンチノ、アッシャーのようなアレンジに、普通の渋谷系なら「わたしたちのパステルズバッチをおかされた」と思うかもしれませんが、僕はこういう黒人系のR&Bが一時期好きで聴いてたんです。だから平気なんです。「おう、パステルズバッチ、お前はクールでタンクだぜ」って感じなんですよーラッキー!この曲もかっこいいです。歌っているballさん、有名な方かと思ったら、youtubeの動画の検索ではこの曲が3位でした。アマチュアですかね・・まあいいです!平井堅さんの更なるカバーを希望します!負けーた!

10.The Chime will Ring/the richman toy

この曲もYoutubeにありませんでしたので、レビューだけです!

このバンド「the richiman toy」は結構人気あるみたいですね

原曲では「さわやか青春ネオアコ」なスピーディーな涙あふれる名曲ですが、このカバーではなんと!エモ!エモに変身しています!「エモって何」って言われるとうまく説明できないのですが、エモはエモです。エモーショナル!フリッパーズ・ギターに、表面的には一番足りてないものを補足しやがったのです!でもかっこいい!サビの早口のところでバックがトーンダウンするのが残念ですが、最後のサビではボーカルが爆裂して、エモーショーナールで熱くなります!暑い!タイは暑い!いつも半袖だけど、熱心な仏教徒は半袖着ないでやせ我慢!なんて国だあ!負けたよおおおお

 

ということでいつになくハイテンションで書いてしまいました。

でも楽しかったです!

本当は本来の「three cheers for our side ~海へ行くつもりじゃなかった~」のレビューを最初に書きたかったのですが、まあそれはいつか。

ここまで読んでくれてありがとう!