お披露目ライブを確認して以来、migimimi Sleep Tightの事は、静かに見守ってきたのですが、新しいシングルがリリースされたので、それをきっかけに書いてみますね。
今までと異なる世界に行こうとしているんだな、と活動からとれました。Migimimiがでているライブハウスは、僕がかつて、バンド時代に行っていた、そして出ていたところがあったりします。全く違うジャンル、僕は渋谷系女性ボーカルのバンドと、インディーポップ、まあわかりやすく言えば、ナンバーガール・・ちょっと違うか。まあパンクとかそんな感じです。その、後述の方のバンドで出ていたライブハウスが、migimimiがよくでているライブハウスだったりしています。
そして、お披露目ライブの渋谷VENOSは、そのバンドの最後のライブとなった会場だったのです。
なぜこのような事を説明したのには、理由があります。
僕は色んなジャンルの音楽を聞き、バンドも経験してきました。それぞれのジャンルで異なる価値観は当然にあります。例もあげられないくらいです。
僕がやっていたバンドは、まず、衣装というものはありませんでした。当然メイクも。女子メンバーがヘアメイク云々とか、まず気にしたことありませんでした。それはそのシーンのどのバンドでも同じです。
これは、普通すぎるかもしれませんが、ヴィジュアル系ではありえないことですよね?僕はヴィジュアル系のバンドをやったことがないので、ちょっと不安です。
でも、それは小さい事です。
一番違うのは、もちろん音楽です。全く異なるリスナーとしての過程を経ての、バンドなので、それぞれに全く異なるのです。どういうものがお互いに評価されるかなんて、わからないと思います。その必要もないはずです。本来は。
しかし、涼平率いるmigimimi Sleep Tightはそれまでとは違うシーンにバンド毎行こうとしているんだと思います。そんな事は意識していない、と、僕は思いません。
涼平くんは、ヴィジュアル系の世界ではセレブと言ってもいいかもしれません。もう伝説のようになった、けど違う形で同じ名前で存在しているというよくわからない事態になっている、彼が作った名付けた彩冷える、そして華々しく解散ができたメガマソ。それを経てのバンドなのです。
それが、楽屋もほとんど無いような下北沢のキャパ200くらいのライブハウスのイベントに出たり、そして世間的にも知名度が全く無いバンドと胎盤をしたり、しているという事実。
当然、もうヴィジュアル界からは注目されていないと思います。かつてのファンはまだいますが、もう別世界なんだ、ということは、音源にも現れています。
微かにあったこれまでの萌芽が、だんだんなくなってきているのを、今回の音源で感じ取れました。
僕は、色んなジャンルを都度聞き分けるのですが、それは価値判断の基準も変えるということです。彩冷えるの結成くらいから、彼の音楽を聴いてきた僕が、今のMigimimiの音を聴いて、どう思うか。
魅力がどこにも感じられませんでした。
残念ですが、これは厳しいです。エレクトロニカとしても、クラブミュージックとしても、エクスペリメンタルとしても、そして歌モノとしても中途半端です。シーケンスに常に支配されていて、音の根本が見えないのです。彼の音楽にたびたび入ってくる、チープな音色のシンセサイザーも、今回は浮いてみえるのです。クールじゃないし、ポップでもない。輸入版を取り扱うようなショップの人がこれを気に入ることは、無いでしょう。残念ですが。
こんなことを書いて申し訳ないのですが、そう感じました。
今朝、通勤時に、彩冷えるの「鉄の島」を聴きました。ほんとうに独特な音楽だったんだ、と改めて思いました。やることは不器用だけど、自分達にしかできないものをやろう、新しい世界を作ろう、という気概を感じました。
でも、その世界はもう存在しないものになってしまった。惜しいですね。ああ、切ないです。
そして、彩冷えるの最初の曲で、僕が一番好きだった曲「ロマンサー」の動画と歌詞を自己満足のためですが、貼っておきます。
美しい歌詞!世界!色彩感!ヴィジュアル系、最高!!
終わり