さわやかトラウマ日記

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【レビュー】浜田麻里「Tomorrow Never Dies」 この高き誇りを受け止めよ!

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なぜロックがあり、メタルがあるのか。なぜ人はそれを手段として選び、演奏をするのであろう。その理由は人それぞれだが、おおよそが、これまでの好きな音楽を「なぞって」いく事が目的であることが殆どなのだろう。

そうした形成された様式美によってジャンルは成り立っていき、広がりを持っていく。しかしそれは時として薄まりも呼んでしまうこともあるのだろう。

 

浜田麻里は80年代にデビューをし、今日に至るまで根本は変わらずにある。時として、シングルがヒットチャートの上位、オリコン1位を取る事もあったロックシンガーだが、それでも根本にあるものは揺るがなかった。

それは自身の描く理想ヴォーカリスト像を実現する事であり、存在する誰々のようなものではなかったのだろう。実際に浜田麻里のような歌手は日本におらず、海外においてもこれだけの長きに渡りシーンのトップにいるHR/HMシーンのソロの歌手というものは、見当たらないのが現状なのだと思う。

アルバム「Soar」に収録された「Tomorrow Never Dies」は、そんな彼女の誇りが高らかに詰め込まれている。その声と伸びはバックに控える海外のゲストミュージシャン達をも軽く凌駕する説得力に満ちあふれている。

このハイスピードメタルサウンドは、重厚でもあるが、どこか軽やかにも聴こえてくる。それは絶妙なサウンドプロダクションと、あくまでもボーカルを引き立てるものに過ぎない、と思わせるようになっているとも感じさせた。それは浜田麻里の培ってきたものもあるのだろう。決して、誰にも負けない、携えてきたものが他とは違うのだということがあると感じた。

このような音楽はメタル・ミュージックでしか成し得ないものであろう。全ての音符と音圧が一体となり、そこに全てにおいて上位にある、いわゆるボーカルのキーの高さも。それにあてはまる関係性がなければ、成り立たないもの。シリアスでありドラマティックなもの、そして上位に浜田麻里の歌がある。そのような世界は、他にはない誇りに満ちあふれているのだ。ここまで変わらずにあったもの、それは自分自身であり、これからも揺るがない。しかし時間は無限には無い。我々も、この誇りを軽んじることなく受け止める必要があるのだ。