さわやかトラウマ日記

さわやかな音楽ブログです from 2004


さわやかでまえむきな人間になりたい男が
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病んでる青少年は今すぐ聴け!君の居場所はここにある! 筋肉少女帯の持ってる音源レビュー

今日は自分のルーツといっても過言ではない、筋肉少女帯について
特に何のタイミングというわけでもないのですが、なんとなく振り返りたかったので書いてみます。


筋少との出会いは強烈でした。。。
筋少の唯一のヒット曲といえば「元祖高木ブー伝説」です(確かオリコンで10位くらいに入ったと記憶している)
やはり出会いはそれでした。
ちょっと微妙な部分に触れますがw実は僕は高木ブーの中の人と、同じ苗字なんです。
実家は当時、長野の山奥にあって、、、。本当に山奥すぎるので、家からすぐ近くのところにスキー場があったんです。
僕には妹がいて、妹は引きこもり気味で、外に出ない(寒いの苦手)僕と違い運動とかスキーとかも好きだったので、スキー場に足繁く通っていたのですが、ある日泣いて帰ってきたんです。
「どうしたの」と母が聞くと、「なんか高木ブーって流れて、、」と言っています。
どうやらスキー場で音楽が流れて、そこで「高木ブー」と叫ぶ曲があり、あたり一面に
「高木っっブーーー!!!!」響き渡って、当時まだ小学生の傷付き易い妹は泣いて帰ってきたらしいんです。
なんてかわいそうな妹よ!そんな音楽は一家の敵!大嫌い!許さない!と普通はなる筈ですが
「えっそんな音楽があるんだ、そういえばちょっと聞いたこともあるかも?」と興味を持ってしまった中2の冬。。。
頭のおかしい兄がいる妹が今でも不憫でなりません。


それですぐに「高木ブー伝説」を聞くようなリソースは当時の僕には無く、初めて買ったのは「断罪!断罪!また断罪!」というミニアルバムでした。ここに入っている「踊るダメ人間」という曲に惹かれたんです。

地方の中学生にとっては、刺激的すぎる歌詞とサウンドとボーカリゼーションですよね。これ以来どっぷりハマっていきます。
家族の冷たい視線を気にしながら。。。



仏陀L(紙ジャケット仕様)

仏陀L(紙ジャケット仕様)

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仏陀L(1988年6月21日発売)
というわけで、「断罪断罪」以前の音源は後追いですね。
ファンになって1年後くらいに、次の「シスターストロベリー」と一緒にレンタル落ちのCDを買いました。
トイズファクトリーからのメジャーデビューアルバムですが、オーケンは「大学の留年が決まって、親に言い訳をするためメジャーデビューした」と本で書いてましたね。ちょっと話盛りすぎだろと思いましたが、当時はバンドブームの前の「インディーズブーム」で人気が盛り上がっていたからこそそんな事ができたんでしょうね。
内容に関しては、まさにインディーズ自体の集大成という感じです。
音も細いですが、三柴江戸蔵さんがメンバーなんでやはりアレンジは凝っていて聴き応えがあります。
ラッシャー木村はえらい!」で始まる「オレンヂ・エビス」が強烈で好きでした。
「サンフランシスコ」筋少の代表曲の一つですね。歌詞にサーカスが出るので「サーカス団パノラマ島に帰る」に入ればいいのになって少年心に思ってました。
ナゴム時代から応援していた人に取っては、やはりこれが1番好きなんだろうなと感じさせるアルバムです。(★★★)

SISTER STRAWBERRY(1988年12月21日)
早速メンバーチェンジがあり、ドラムに全盛期を支えた太田明が加入して、ギタリストは速弾きギタリストの横関敦がゲスト参加しているミニアルバムです。
これが強烈な名盤!これをベストと上げる人もいるのではないでしょうか。
この曲がリリースされた当時の「ロッキンf」のインタビューを読んだことがあるのですが、横関敦さんが「みんな演奏が上手すぎてびっくりした」と仰ってましたね。とにかくボーカル以外が全て上手い!いや、ボーカルも僕は全然好きなんですけど、耳が良い感じに腐ってない人には辛いかもね!
冒頭のマタンゴのイントロでは三柴江戸蔵氏がバッハの「平均律クラヴィーア曲集」の16番のフーガを弾いてるのですが、これが上手い。当時武蔵野音大の学生だったらしいですが、きっとトップの奏者だったのではないでしょうか。
バッハがカットアウトされてからは、ハイスピードで大槻ケンヂが叫びまくり、それをバックで超絶技巧で固める高性能さと映画「マタンゴ」をヒントにした世界観に圧倒されて「もう家から出るのは止めよう」と決意させてくれる曲です。
現実からの逃避を歌った「キノコパワー」。遠く遠くへ逃げよう!キノコパワー!キノコパワー!僕もリュックサックに子猫を詰めて逃げよう!当時本気で思ってたのだから、大槻ケンヂは責任を取ってほしい!しかし、間奏での超絶技巧ピアノと脅威の速弾きバトルが、僕の耳にもたらした功績は大きい。ありがとう大槻さん。いや、まわりの優秀な人ありがとう。大槻ケンヂ以外ありがとう!キノコパワー!!
「日本の米」もバンドの代表曲。米米クラブに対抗したのかと当時思ってましたが、どうやら違うようですね。「米米米米!」とひたすら叫ぶこの曲ですが、一度天候不順でコメ不足になった時、この曲がよくVTRのバックにかかってましたね。
ライブの定番のようですが、CDで「米米!」だけだと辛いと判断したのか、ドラマが挿入されてます。
ラストの9分間にも及ぶ「いくじなし」は圧巻。「フェティシストの兄はいくじなし!」から始まり、姉とその恋人の兄との物語?を延々と語るプログレッシブな曲で、ラストの鉄棒でぐるぐる回る謎の感動のラストは必聴です。結局「いくじなし」とは?何故フェティシストの兄とアンテナ売りの旅に出たのか?と考えてるうちにこんな年齢になってしまった事だけは後悔しています。あまり考えすぎないようにしましょうね。
ちなみにアルバムタイトルは大槻ケンヂによると「ユーミンを意識した」とのことです。絶対テキトーだと思う。(★★★★★)


余談・・・この「いくじなし」に影響されたというか、まんまカバーのような曲があります。D+ressというヴィジュアル系バンドリリースした「破戒」というアルバムの「Verfolgungswahn」という曲がソレです。曲の構成、ピアノ、盛り上げ方、叫び方など、かなりパクっていてすごい面白いです。



猫のテブクロ

猫のテブクロ

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猫のテブクロ 1989年7月5日発売
Wikipediaを見てビックリしたのですが、このミニアルバムはオリコン6位だったんですね。。。
さすがバンドブーム!怖いものなんてありませんね。。。
全盛期を支えた橘高文彦が正式加入して最初の音源ですね。冒頭の「これでいいのだ」はドラマティックというかドラマを挿入した名曲ですが、橘高さんは早速「ここまでやるのか、、」と戸惑ったらしいですね。
本人達も認めているように、ほんと橘高さんなんで筋少に入ったんでしょうね。本人達が一番疑問に思ってるのがスゴイですよね。
「日本印度化計画」は後に大槻ケンヂが「夜もヒッパレ」に出演した時に「俺にカレーを食わせろ〜♪唯一の俺のヒット曲。。。」と口ずさんでました。そんなにヒットしたっけw 
しかしやはり「日本を印度にしてしまえ!」「俺にカレーを食わせろ!」「ナチュラルハイ!トビマストビマス!」なんていうぶっとんだ曲は未だにお目にかかれない。「僕達変わってま〜す」というバンドはこの後もたくさん現れましたが、これを凌駕する人達がこなかったのが淋しいですね。黒夢の「キチガイ!メ●●!●●●!ハクチ!」とかもスゴイですけど、なんかベクトルが違うんですよね。ダークじゃない方向でインパクトを残すのは難しい。


後半はもともとの持ち曲だった「最期の遠足」に持っていくためのコンセプトアルバム的な感じになるのですが、ちょっとこの部分は蛇足というか、やっぱり過渡期なのかな〜という感じです。三柴江戸蔵さんが脱退して音楽的にはかなりヤバい状況だったらしいですね。エディがいない筋少なんて筋少じゃない!みたいな感じでファンも離れていったらしいです。(★★★)



サーカス団パノラマ島へ帰る

サーカス団パノラマ島へ帰る

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サーカス団パノラマ島へ帰る 1989年7月5日
このアルバムがリリースされた時はオーケンは精神状態が良くなかったとあらゆるところで自分で書きまくってましたよね。
セールス的にはバンドのピークにあるなかで、当時まだ若かった(22歳くらい?)大槻ケンヂ的にはいろいろ戸惑うところがあったんでしょうね。
「誰も歌など聴いてはないし この世の全てが作り物なら 港に繋がれたサーカス団のあの舟に乗って帰ろう」という中2病全開な詩を基にしたコンセプト・アルバムです。。。が、昔からの曲も多くて、コンセプトアルバムとして聴くとちょっと肩透かしな印象のアルバムです。もちろん昔の曲はどれもイイです。「労働者M」「23の瞳」どれも良い感じです。
橘高さんもなんとか馴染んで来てwサウンドが固まってきた印象ですね。サーカス団のSEに続いて始まる「ビッキーホリディの歌」なんかはメジャー感すら漂っててスゴイ。さすが武道館バンド!
元祖高木ブー伝説」は僕にとっても曰くつきwの曲ですが、パンク色の濃かったナゴム時代のアレンジとは代わり、プログレッシブでダークなアレンジになってますね。これがイイ!
「ブー!ブー!高木ブー!」と狂ったように叫ぶだけの曲と世間に認知されているかもしれませんが、この曲は「恋人との別れの瞬間、何もできなかった惨めな自分は、二人で土曜の夜に見ていた高木ブーのようじゃないか」という切ない失恋ソングなんですね。
今風でいうと泣き歌?着うた系?モティーフは高木ブーだけど曲の内容は西野カナの会いたいソングと一緒です。
「俺は高木ブーだよお!」という叫びが狂気を引きずるようなリズムで表現された後は、惨めな男の独白と未練がましい叫びが続き、哀愁のナイロンギターソロから、フルオーケストラによる激しい演奏が加わり、男の荒れ狂う内面が表現されていく、プログレ史上、いや音楽史上に残る(ご縁のある曲なので大げさに絶賛)名曲になっています。俺は高木ブーだよぉ!最高!(★★★★)

月光蟲

月光蟲

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月光蟲 (1990年11月21日)
あまりに前の事で記憶が定かでない><のですが、「断罪断罪」を買う前に、この「月光蟲」を聴いてたかもしれないです。
「シスターストロベリー」と共に、これをベストに挙げる人も多い名盤中の名盤ですね。
あれだけ盛り上がったバンドブームもすぐに翳りを迎え(ほんと早かった)筋少もセールス苦戦の時代が始まります。
しかし、音楽的には充実していきこのアルバムの濃さはスゴイ。音的にはますますメタル要素が強くなってます。
典型的なメタルサウンドでダークに責める「風車男ルリヲ」から始まります。その当時の最新技術の3D 録音(Corneliusより早かった!!)でオーケン様の下手な歌が流れてくるムダ使いな感じにドキドキします。
うまくいかないことは全てルリヲのせいだから、ルリヲを今すぐ殺しに行こうという歌詞が最高ですね。今でも嫌な事があると「ルリヲのせいだ。。。ルリヲを殺しに行かなくちゃ。。」とブツブツ呟いたりするんです。やっぱり病気かな?病気なのもルリヲのせいかな?あれ?やっぱり?ブツブツ。。。
オーケンの作曲家としての才能が開花した(本人は作詞ばっかり評価されて作曲が評価されないのが不満らしい)「サボテンとバントライン」は映画好きのオーケンの姿を投影した泣ける名曲。爆破して映画館共に少年が死ぬところがいいんだよなあ。やっぱ死なないとね。こういうドラマティックな曲は後年増えた気もしますね。大槻ケンヂも人の子です。
変拍子デュエットソング「夜歩くプラネタリウム人間」はシスターストロベリーの「夜歩く」の続編でしょうか。あっちもよかったけどこっちも最高。夜をさまようなのような変則的なリズムに、ピンク・フロイド的な浮遊感のあるメロディとサビの無駄な広がり。。。まるで自分がプラネタリウム人間になったかのような錯覚を覚えます。ハードロックなサビ後の展開もいい。「人間!」「プラネタリウム!」「人間!」「水族館!」とかここだけ聴いたら何の曲かわからないですよね。いや、全部聴いてもわからないか俗な奴らには…僕はプラネタリウム人間だから他の人には見えないからいいんだ。フフフ…楽しい…タスケテ…
「ジュリーみたいでやだ」とオーケンは嫌いだったクイーン的なバラード「少女の王国」も現実逃避な歌詞がヤバくて最高。「薄紫の炎よ ほらあの地球を燃やしておくれ!」という所が好きです。やっぱり地球燃やさないとね。曲の最後のつぶやき「私は、月で少女たちと生きたい」には共感しますね。たしか鈴木その子先生も似たような事を言ってましたね。
橘高先生による様式美メタル「イワンのばか」ロシアのツンドラを思わせる叙情的な曲で、このパターンが新たな定番になりました。イワンが三年殺し(技をかけられて3年後に死ぬというロシアのサンボの裏技)をかけられて、ヤケクソになって少年たちを殺して土に埋めた。イワンのばか!という歌詞が最高!
とにかく全曲名曲!全曲聴いていてラクになれる僕にとっては癒しのアルバム
これを読んでいるかもしれない、病んでる青少年wは今すぐ聴かなきゃだめだ!君の居場所はここにある!(★★★★★)
月光蟲全曲レビュー書きました!

maemuki.hatenablog.com



断罪!断罪!また断罪!!

断罪!断罪!また断罪!!

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断罪!断罪!また断罪!!(1991年7月21日)
やっとここに行き着きました。ミニアルバムということであまり語られることもない1作ですが、内容的には充実してますね。
とにかく「ダメ人間」であり、それ以外何者でもない悪いかという逆ギレソング「踊るダメ人間」アンプラグドな「猫のお腹はバラでいっぱい」、橘高メタル路線パブロフの犬もいいですが、太田さん作曲のバラード「代わりの男」は大人になってから好きになりました。夜勤で働いた辛い時にこの曲を聴いて「僕にも代わりの男が来てくれないかな」と思ってました。来るはずないんですけどね。初音ミクでカバーした変わった人がいたので、動画を貼っておきます。全てを諦めたかのようなメロディが良いと思います。

ラストの「何処へでも行ける切手」筋少の中でも一番難解な曲のひとつですね。歌詞が抽象的で、曲もこれまたピンク・フロイド的な彷徨い感が強く、中学生で初めて聴くにはちょっと難しい曲ですねw
これを聴いてエヴァンゲリオンを作った人は偉いと思う。実はエヴァンゲリオンを観たことがないので、今度観てみようかなと思います。(★★★★)

筋少の大車輪

筋少の大車輪

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筋少の大車輪 
初のベストアルバムです。ここまでのアルバムまでの曲と、代表曲の「釈迦」を特別に撮り直して「大釈迦」として収められています。また、「仏陀L」の特典ソノシートに入っていた「パンクでポン」が入ってます。
「パンクでポン」は曲ではなくて、コント?
オーケンが自宅の部屋で、テープレコーダーに向かって「ロックとは何か」を語るような感じで進んでいくのですが、自宅なのでお母さんが入ってきて「あんた何やってんの?勉強してんの?」「今、録音してんの!」などの心温まるやり取りの様子が入ってます。
「真のロッカーとはラ・ムーのボーカリスト、きくちぃ ももこさんだよぉ〜!」とのことです。

エリーゼのために

エリーゼのために

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エリーゼのために
さんざん筋肉少女帯が好きな人を気取ってここまで書いてきましたが、自分はこの「エリーゼのために」が当時好きになれなくて、バンギャ様でいう「あがった」状態ですよ。好きになる期間、短くないですか?若いって怖い。まあこの後「レティクル座妄想」で筋少熱が復活するんですけどね。
レティクル座」で復活したという経緯でピンとキタあなたは偉い。この「エリーゼのために」は明るいんですよね。
「月光蟲」のような「自分が不幸なのはルリヲのせいだから殺してやる」みたいなネガティブ要素があまり無く、ポジティブな雰囲気に溢れていて、当時高校生だけど絶賛中2病だった自分は受け付けませんでした。
ただし、今聴くと音もいいし、大槻ケンヂの歌が上手くなっていて結構聞けるんですよね。
先行シングルの「戦え!何を?人生を!」はホント泣けますね。戦え!何を?人生を!素晴らしい言葉ですね。何でこの曲売れなかったんだろう。メロディーとかあんまり無かったからかなw
内田雄一郎による歌謡曲路線「悲しくて御免なさい」はのほほんメロディのバラードで好き。君のために曲を作ったけど、哀しくてやりきれない歌でごめんなさい。という当時恋愛中だった大槻ケンヂの心象が反映された心あたたまる曲です。僕のカラオケの18番です。
(★★★)

UFOと恋人

UFOと恋人

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UFOと恋人 1993年4月25日
うーん正直、ほとんど聴いてないんです。
この時期のシングル「暴いておやりよ!ドルバッキー」とかはまあまあ好きなんですけど、どうも空気が合わないんですよね。
このアルバムと。何故なんでしょう。「キャンプという感覚を日本に取り入れた」とのことなんですけど、今でもあんまり理解できないですw
「高円寺心中」なんかイイ曲カナなんて思ったりするんですけど。うーん。
また今度聴いてみようと思います。すみません。(★)

レティクル座妄想

レティクル座妄想

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レティクル座妄想 1994年4月21日
先行シングルの進研ゼミCMソング蜘蛛の糸がリリースされた時、大槻ケンヂの元には
こういう曲を待ってました!最高です!」というファンからの手紙が沢山来たらしいですね。
ほんと、ファンって単純ですね。全くもう。。。っていうか僕もそうなんですけどね!アハハハハハハ
進研ゼミのCM(メガネを掛けたオタク風中学生が、ゲームセンターでゲームに熱中してる場面に、大槻ケンヂのナレーションで〚いつかきっと君の時代が来るよ〛と入る、今だったら炎上しそうな内容)では「ダイジョブダイジョブダイジョブだよねえ〜」の部分が流れていて「また前向きソングか???大槻日和ったな!!!さわやか野郎め!」といったところですが
続くAメロでは「友達はいないから、ノートに猫の絵を書く」「友達はいないから、痩せた子猫の絵を書く〜」と今まで以上に暗い深刻な曲すぎて、ちょっと戸惑いますね。ここまで直接的な歌詞はなかった気がします。「あの人は暗いから話しかける止めとこう」など、なんだか昔、よく聞かされたような言葉が出てきて辛い!ここでの救いは蜘蛛の糸に登って、みんな燃やして!焼き尽くしてやる!に行き着くんだからスゴイ。仮にもCMソングなのに。進研ゼミやりますねえ。ところで最近会社で皆が僕を笑ってる気がするんだけど、気のせいかな?

そして全国のネクラ人間の期待を一心に背負って発売された「レティクル座妄想」は、「期待した以上に暗い」という困ったアルバムになりました。
1曲目レティクル座超特急」ではこの曲のコンセプトが明かされます。
ニーソックスを吐いた少女が濁った目で「この世で愛されなかった人達だけが レティクル座の花園に行けるの。レティクル座の入り口ではジム・モリソンが私たちのために『水晶の船』を歌って歓迎してくれるの」というセリフを入れます。ついにネクラもここまでという感が漂いますね。
明るい曲調ながら、完全に女の子を見下した歌詞とタイトルの(モフモフとジャムパン食べている〜の部分とか)「香菜、頭をよくしてあげよう」は聴けば聴くほど、背筋が凍ってくる恐ろしい明るいポップソング。大槻ケンヂはモテ過ぎて女の子を馬鹿にしてたところがあったんじゃないかな。僕には理解できない!えーん。僕って犬以下。
昔の曲を蘇らせた「ノゾミ・カナエ・タマエ」も救いがなく(全て焼き尽くして燃やす系)、突然大林寅彦盤の映画「時をかける少女」の劇中歌が入ってくる「愛のためいき」もイッちゃってます。
「ノゾミのなくならない世界」は、私の心を歌ってくれてる!と好きになったバンドマンが前向きソングを出したり、髪切ったりしてファン辞めたけど大人になって会って抱かれて、全部嘘だったらいいなと抱かれながら目を閉じたけどやっぱり世界は無くならない、というバンギャ様の絶望をポルカ調に表現した辛い曲。。。
「この世で愛されなかった〜」のモチーフが病的に表現されるレティクル座の花園」に関してもう完全にあっちの世界・・・。
大槻ケンヂが一体何を表現したかったのか、ファンの求めるものを演じてただけなのかは不明ですが、ここまで救いの無い世界を表現したコンセプトアルバムは、これ以降出ていないような気がします。
上部を取り繕った健康的な音楽がはびこる中で、このアルバムの存在感は貴重だと思いますし、ピンとくるものがあれば是非聴いていただきたいです。
僕もレティクル座に行こうかなと思いましたが、ある条件に当てはまっている人はレティクル座には行けません。僕はそれに当てはまるから行けないんですよね。(★★★★★)



オンリー・ユー

オンリー・ユー

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オンリー・ユー 1995年3月8日(※大槻ケンヂのソロ)
この後筋少は活動を停止して、大槻ケンヂはソロ活動としてアルバムを3枚も出しました。
ていうか3枚目「わたくしだから」を出していたのは知らなかったです。。。今度聴いてみようかな。
「オンリー・ユー・」は先行シングルの「オンリー・ユー」を含めて、全て大槻ケンヂが影響を受けた日本のアングラロックのカバー集ですね。オンリー・ユーは田口トモロヲのいた「ばちかぶり」の曲ですが、泣けるビートロック的な曲でイイ曲です。
その他スターリンじゃがたらINU,有頂天、左とん平など、幅広いながらも選りすぐりとも言える名曲揃いのカヴァー・アルバムです。ばちかぶり、今度ちゃんと聴いてみようかな〜(★★★)



I STAND HERE FOR YOU

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I STAND HERE FOR YOU 1995年8月23日
半年も立たずにまたアルバムを出しました。今度はカバーもありますが、オリジナルもあります。
オリジナル曲モンブランケーキ」は名曲!輪廻転生というか、生命は物質であり廻って行くという観念的な歌詞の曲ですが、筋少を思わせるドラマティックな展開と大げさなアレンジが泣ける名曲。
特に曲の最期に菅野美穂がセリフを読み上げるのですが、菅野美穂のソフトながらも凄みのある声調に鳥肌が立ちます。「生きていこう 生きていこう 生きていこう 生きていこう、、、、」と何度も何度も繰り返すところはスゴイ!なぜかそのまま死の世界へ引きずり込まれそうになります。

オリジナル曲は後に辻希美オタを騒がせた(辻希美のニックネームが”のの”だった)「ののの唄」も良い感じ。のほほんとしてます。この頃はのほほんが大槻ケンヂのお気に入りキーワードでしたね。「のほほん革命」というヤバいタイトルの本も出してました。
その他、小沢健二の「天使たちのシーン」のカバー!(当時『音楽と人』で対談してましたね)など聴き応えのあるアルバムです。(★★★)

ステーシーの美術

ステーシーの美術

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ステーシーの美術
活動休止期間を経て、再始動のアルバム。「月光蟲」の後が明るい「エリーゼのために」だったように「レティクル座妄想」の後だからか、明るいというかスッキリした感が溢れるアルバムです。
大槻ケンヂの小説「ステーシー」とリンクしたアルバムらしいですが、その小説は読んでないです。というか大槻ケンヂの小説は「新興宗教オモイデ教」以外読んだことないかも。。。実は定番「グミ・チョコレート・パイン」も読んでない!モグリと言われてもしょうがないですね。でもエッセイ集は大体読んでましたよ!
ヒーローアニメ賛歌「おもちゃやめぐり」は、同好の士の方も多いジャンルなので、もっと評価されてもいい1曲。別に好きでもないのにヒーローアニメっていいよねと思いたくなる心温まる曲です。これまた軽いポップス「星座の名前は言えるかい」ものほほん路線で結構好き。「リテイク」も美しく真摯な感動バラードで、この頃にはすっかり大人になって、つまらない人間になった自分には輝いて聴こえましたね。今でも勿論。
ということで、明るく割りとフツーになった筋少を受け入れられた事で、自分の中で筋少は終了してしまった、、、という感じで今回のレビューはここで終わりです。この後のアルバムも勿論いいんですけどね。青春を良い形で終わらせてくれてありがとう!と言った感じで自分の中で完結してしまったんです。わかりますかね?この気持ち。(★★★)
筋少は僕の青春でした♪


というわけで終わりです。