爆発。
日本が爆発した。
1987年、僕は小学生だった。
それは突然やってきた。
「ジャニーズ事務所の新グループ」
人数が多い。3人とかじゃない。7人いる。
2人と5人に分かれている。
「光」と「GENJI」で1つ。光GENJI。
光源氏といえば「源氏物語」紫式部。関係あるのか。意味があるのか
小学生だからわからない。
しかし、抵抗できない何かが巻き起こって、周りがその色に染められた。
そして爆発した。
爆発は日常的に起こって、しばらく続いていた。
そしてテレビも毎日彼らで爆発していた。
誰もが「光GENJI」に夢中になった。
世の中の誰もが、夢中になった。それは長野の山奥にいても、感じられた。
当時は小学生で、クラスは毎日光GENJIの話で埋め尽くされた。
女子はかならず「担当」が決まっていた。
「担当」という言葉は僕のまわりでは当時無かった。
便利な言葉だ。その時に無かったのが不思議だ。
女子はみんな光GENJIのファンになっていた。
たとえばクラスの中心的存在の小林さんと大山さんは「かあくん」(諸星和巳)面食いの高山さんは「あっくん」(佐藤敦啓)外国人好きな宮本さんは「赤坂晃」ちょっと地味な本田さんは「ヒロくん」(佐藤寛之)
などなど、それぞれに好きなメンバーがいた。
おそらく女子全員が好きだった。
学校の女子全員が好きだったのではないか。
あまりに昔のことなので、「あまのじゃく」な興味のない子もいたかもしれないが、記憶にはない。もうあまりに昔のことだから。
でも、爆発していた。
みんな好きだった。
男子も光GENJIを悪く言うものもいたけど、光GENJIを意識してバク転に挑戦して、確か怪我人が出て社会問題になったような気がする。性別年代を超えた、時代の中心だった。
デビュー曲「STAR LIGHT」
初めてテレビで見た時は、「暗くて青い中でローラースケートでくるくる多人数でまわっている」という印象を持った気がする。特に当時、この曲に強い印象を受け無かった。 そう。大人数。ジャニーズのグループは3人組の少年隊とシブがき隊が一番多かったのだ。だから異様さがあった。しかも年齢もバラバラ。なんかものすごく若そうなのもいる。
「イロモノ」と見られても仕方なかったのかもしれないけど、爆発した。
なんでだろう。
光GENJIのデビュー曲「STAR LIGHT」
しかし、もう時代が流れすぎてて、今、昔の曲を聴くと、もっと深くその曲の持つ表情を見られることができる。
この「ジャニーズのデビュー曲は神曲」シリーズは、それが言いたくて始めたのです。
STAR LIGHT 光GENJI 夜ヒット (1987.7.29) 第1回
光GENJI STAR LIGHT (TVver.) フル高音質
この曲の1番の歌詞。
これがずっと気になっていた。わかりやすい単語、わかりやすい言葉なのに
「情景」がさっぱり想像できない
淡いブルーの 季節の中で
何かを見てる STAR LIGHT STAR LIGHT
そんな 夢は果てない NON STOP DREAM
無常感に包まれて、現実感に乏しい。
しかし徐々に目が覚めていくような描写、主人公の少年たちが目覚め始めた?
そしてサビに入る。
夢はFREEDOM FREEDOM シャボンのように
FREEDOM FREEDOM 風の色
伸ばした手のひらに
届けROLLING ROLLING 消えないように
ROLLING ROLLING 抱きしめて
見つけた Ah STAR LIGHT
意味はわかるけど、意味がわからない。
そんなことを真剣に考えても意味がないけど、夢はフリーダムでシャボンようにで風の色、手のひらを伸ばして、届いてほしい、ローリンローリン。消えないように(シャボンの風の色が?)ローリンローリン抱きしめて(誰を?何を)
「見つけた Ah STAR LIGHT」でサビは終わるのだが、真剣に考えれば考えるほど、よくわからないけど、すごく素敵だと思う。やはり飛鳥涼さんは天才です。
アイドルの歌詞がわかりやすくなったのはいつからなのでしょうか。「昔はよかった」というわけではなく、「わかりやすく誰かへの愛情を伝える」というのが主流になっている気がします。いや、今のアイドルの曲を全部聴いているわけではないです。さまざまなアプローチのある今のアイドルがいることもわかってます。
でも、このデビュー曲の「迷宮感」は異常だと思います。
爆発したのはこの曲だからか?そんなことを考えている人はいるのか?
これはMTGを開催する必要があります。参加希望者を募ります。
しかし2番以降は「やんちゃで強気な男の子」といった感じの歌詞です。またこれも迷宮といえば迷宮ですが、それよりいわゆる「Cメロ」の素晴らしさ。これも必聴です。
Aマイナーで疾走してきたところで、Aメジャーに転調し甘い雰囲気の中
山本パンジー淳一が「あーどうしてー こんなにー くるしいのー」と来て
変声期前の赤坂晃が「むねーにーすーんでる きみのーこーとー」
なんて愛くるしい少年の音程なんでしょう。
たどたどしく自分の運命を受け入れるような危険な雰囲気です。でも美しい!美しいメロディです。赤坂晃さんも美しいです。近くのペンションの同級生が赤坂くんのファンでした。その子「ウィーン少年合唱団」の美少年のファンで、「ああ、外国人が好きなんだな」って。赤坂さんって外国人顔ですよね。
ああ、そろそろ終わりにします。
当時は「なんかひどいな」「でも人気でてるな」ぐらいにしか感じていなかった曲が今となって聞くと、特別な意味を持っているように聞こえるのです。
それは当時ファンだった人は当然そうだと思いますが、別にファンでもなかったけど、「爆発」をリアルタイムで体験した人はわかってくれると思います。
夢はフリーダム。フリーダム。シャボンのように。
美しいフレーズです。
本当は2曲めの「ガラスの十代」も超名曲だと思うので、そちらもレビューしようかと思いますが、これでやめにします。
ということで光GENJIの「STAR LIGHT」は間違いなく名曲です(★★★★★)
STAR LIGHTなので黄色で大サイズで★5つです!!!
ここまで読んでくれてありがとう