さわやかトラウマ日記

さわやかな音楽ブログです from 2004


さわやかでまえむきな人間になりたい男が
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愛狂います。全肯定!『愛狂います。2006-2012』Bタイプ全曲レビュー

2月22日のライブを持って、愛狂います。が解散しました。
2009年くらい注目してきたのですが、結局ライブを見ることもなく、音源ファンで終わってしまいました。
ラストライブのチケット買おうかなと思って、プレイガイドのサイトを覗いてその時はまだ売っていたんだけど、最後だからってノコノコ行くのはずっと応援してきたファンの人に悪いかなと思って、直前にチケット余ってたら行こうかなと思ったんです。そしたらソールドになってたから、まあこれでよかったかなって…。


愛狂います。とかいて「アイクル」とか、どう考えても「びじゅなびに登録してすぐ解散する」レベルのバンド名だと思うのですが(まあそこはどのバンドも紙一重ですけど)これだけの音源を残してくれてありがとうという感じです。ちょっと残しすぎのような気もしますね!出し惜しみしてもよかった。
近来稀に見るほどの斬新なサウンドと際立った個性と演奏力を持つバンドだと思うのですが、最後までイマイチそこは評価されなかったような…やっぱり惜しい!のでインターネット界にその名を刻むため、解散の際に出してベストを全曲レビューします。

DVD付きのAタイプとDVD無しで収録曲が少し多いBタイプとありますが、僕はBタイプを買いました。
ちょっと高いです。。。6800円。。。3枚組だし仕方ないかなとも思うのですが
いろんな人が買えないのが残念ですよね。Aタイプは更に高く7800円。あと2千円は安くして欲しかったですね。装丁もかなりシンプルですし。まあ仕方ないですね。


AタイプとBタイプはDVD有り無しの他に収録曲の違いがあり、次の曲がAタイプには入っていないです。
これ以外は同じ収録曲です。下記の曲はいずれも配布音源か、VA収録曲ですね。

  • 妄想マルチ
  • チョコサンドビスケットクリーム
  • くるくる。と胎児は廻る
  • 東京スカイツリー


また両タイプともに下記の音源が入っていないので、コンプリートベストとは言えないです。

  • シングル「皇帝ペンギン」の曲(皇帝ペンギン カンガエル 明日、地球が終わるなら・・・)
  • アルバム「アルク」収録の一部の曲(ひらり。 ハイファイダンサー ゴミ 春夏秋冬 ショコラ)




Disc1

No 曲名 レビュー 収録音源
1 妄想マルチ 元がVA収録ってことで、聴いたことがなかった音源。YouTubeにはあったけどね。マルチってマルチ商法かと勝手に思っててさすがセンスがいいなあと思ったけど、歌詞を見るかぎりたぶん「マルチメディア」の事かな?電波系で楽しいよみたいな。初期音源ということでまだこなれていない感じですが、基本(ちょいカオスでサビはポップ)はこの頃から変わってないです オムニバス「u-20亥」(2007/09/05)
2 球形無限連鎖 〜ミズタマ〜 出会いの曲だけに思い入れが深い曲。このバンドアンサンブルがいいんだよなあ。メインイントロの3連符のギターメロディーとユニゾンの高速キメが入るところとか。コピーしたら楽しそうな曲です。これが核になる曲だと思ってるんだけど違うのかな?円周率と水玉を掛けた歌詞も面白い!えみる様天才!またCDブックレットからは「独色マーブル」からの出典とありますが、このベストに入ってるバージョンは「完全受注生産型1曲入りワンコインデモンストレーション音源」のバージョンだと思われます。イントロにシンセのSEが入ってるのと「アナタを閉じ込めました。」にピー音が入ってない。こっちの方がスキなので嬉しい! single「独色マーヴル。」(2007/12/19)
3 僕は魔王 正直微妙な曲。割りと初期音源ということもあるのだがちょっとボーカルがキツイ感じ。この時期の他の曲では全然普通なのに。 single「独色マーヴル。」(2007/12/19)
4 眼球ワルツ 素晴らしい曲!目玉をくり抜こう!でいきなり明るく始まるあたり僕の中2ハートは鷲掴み!ちなみに眼球のワルツじゃなくて、眼球ワルツを表現した曲です。でもところどころ3拍子に感じられるようにフレーズが組み立てられてて面白いし、メロディも起伏があって爽快感があります。愛狂います。らしい凝りまくった拍子とフレーズの間奏とに弾きまくりのギターソロもいい感じ。 Single「怪体新書」(2008/03/26)
5 猫の刻参り 丑の刻参りが元ネタだけあってどこか和風な雰囲気。Bメロが1番と2番でリズムが変わって面白い。あと愛狂います。の曲の特徴のサビのメロディが「ドレミファソー」の音階の曲が多いのだけど、この曲は珍しくシンプルなサビのメロディ。こういう展開がもっとあってもよかったのでは。結構あっさり終わるのが逆にいい感じ。 同上
6 デスロリ調ポップス 「夢はもう醒めない 二人で結ばれよう」と爽やかに始まったと思ったらカオスに突入していくこれまた中2が泣いて喜ぶ名曲。Aメロの超早口はヴィドールに似たような曲があった気がする。その後のギャーウと変拍子が混在するところが聴き者。バンギャ様はこの変拍子に合わせて振りとか逆ダイとかキメてたの?狂ってる!まさに愛狂ってます!ライブ行けばよかった>< なぜか歌詞を追いながら聴くと独特のカタルシスが得られます。ポップスだけにラブソングなんですよね。 同上
7 シドロモドロ これまた歌詞に「芥川」「太宰」「四谷の白濁」など大正時代を思わせる和風な感じですが、曲調はストレートでちょいミディアムよりな感じでそんなに和風じゃないですね。歌詞が何を意味してるのか、僕の文章解析能力じゃよくわかんなかった。とりあえずカオスってことですかね。 Single「シドロモドロ」(2008/07/16)
8 星空、堕ちた 後期によく出てくる感じの爽やか系の走りですかね。ただ歌詞は飛び降り自殺がテーマなのでかなり中2な雰囲気なので、そういうのがスキな人はぜひって感じです。ただちょっとこの曲は独特なノリが災いして曲の雰囲気を掴みきれてない気もしますネ!若者よ命を大切に! 同上
9 ネクロノミコン 世の中を恨む少年マッドサイエンティストを表現した曲ですね。割りと乗りやすい普通・・・ではないけど、いい曲だと思います。スキなんですけどこういう曲ばっかりだったらそこまで評価しなかったかも。妙に上手いギターソロがいい感じなのでいつも最後まで聴いてしまいます。 Single「ネクロノミコン」(2008/08/20)
10 裏姫 これは凄い。裏姫という人物を元に曲が展開されるんだけどAメロの複雑さは何かの嫌がらせレベル。愛狂います。は全曲えみる氏が作詞作曲だからこういう技ができるわけですよね。ただしBメロサビは聴きやすい感じで粛々と進行していく感じが逆に恐ろしい 同上
11 トウメイニンゲン 前に書きました。こちら。曲調と歌詞がシンクロして場面転換をしているという点ではミュージカル的、映像的とも言えますね。こういう試みはV系と相性がいいんだと思います。他のバンドもぜひ4/4拍子に捕らわれずに挑戦してほしいですねえ。 Single「トウメイニンゲン」2008/09/24
12 スイマセンでした。 爽やか系の曲ですが、歌詞が完全に中2病。だんだん思春期を過ぎて素直になってきている印象もあり。アンコールのラストの曲って感じです。 同上



Disc2

No 曲名 レビュー 収録音源
1 〜おしまい〜 ここからは1stフルアルバム「心臓」が収録曲順で入ってます.「心臓」は名盤なんですけどいまいち評価されなかったような気がしますね。この曲はSEです。最初のSEがおしまいっていう中2具合が相変わらず最高ですね Album「心臓」2009/03/25
2 心臓 いよいよ大人の世界に旅立った感のある、さわやか系の曲ですね。昔でいったらメジャーデビューの曲っぽいです。昔からのファンが離れる雰囲気がプンプンして危険ですがもう時代も変わってこういうのを受け入れる感じになったんでしょうかねえ。よくわからないです。たまに聴くのですが普通にいい曲だよ思います!貴女へ鳴らせ 僕の心臓っていうキメフレーズはイマイチ。貴女へ届け 僕の心臓 の方がよくない? 同上
3 豚の王様「ニトログリセリン ファン離れが危惧されるほどの爽やか系ソングの後に別の意味にふるいにかけるような凄まじい曲!この曲は素晴らしい!愛狂います。の系譜的先輩(だと思われる)メガマソが初期にやろうとしていて見事に失敗していた「V系におけるSYSTEM OF A DOWN的表現」を完璧にこなしてます。言葉では表せないほどのカオスとパワーとV系ならではのファンタジーが込められた最高傑作!と書いてどんな感動的な曲かと思っちゃいけないですよ。豚がブヒーでギャーな感じですよ。でもいいんですよこの世で重要なのは個性ですよ。これだけは譲れない! 同上
4 文化≠包丁 オサレ系を彷彿とさせるシャッフルの曲。後半に切ります切ります切りますのフレーズでスペイシーな癒し系みたいな雰囲気になるところが笑えて好き。もしかしてオサレ系シャッフルということで、後期バロックのスペイシーな表現を足したのか?えみる・・・恐ろしい子!まあ偶然でしょうね。演奏が上手いことがよくわかる良トラックですね 同上
5 【d2b2】 V系によくある「羊を数える」タイプの曲ですね。お約束!曲調はツタツタで「球形無限連鎖 〜ミズタマ〜」を思わせる感じでもちろん好きです。ドラムの玲音さんのフレーズとか音が結構好きなんですよね。軽くて無駄がないけど、手堅い感じで、こういうツタツタ曲だとちょうどいい感じ。トンじゃって残念。 同上
6 ...うしろ。 後ろから何かが迫ってくる様子を様々なフレーズとリズムで表現した理知的な曲。「トウメイニンゲン」みたいな歌詞とシンクロした感じですが、こちらは「見えたそこ、見えた」という同じ箇所を様々なパターンで表現して「何か」を表現していて聴いていて想像力が刺激されて非常に面白い曲。こんな独創的な曲をやるバンドがV系にいたなんて嬉しい 同上
7 骸骨のうた 高速6/8拍子でギターが活躍するホネホネロック。たしかにこのリズムは骸骨っぽい。同期の使い方が効果的!なんでもキラキラ入れりゃあもんじゃないよという気概が伝わる良曲。 同上
8 メルトダウン この頃は「メルトダウン」という曲が出せたんですね。こんな未来がやってくるとは。事実は小説より…という言葉が思い浮かびます><まあアルバムでそろそろ来るだろうなって感じでやってきた爽やかアップテンポな曲ですね。サビは超早口な感じで甘々な雰囲気を避けてますね。ただし全体的にはキャッチーなふんいきで僕は好き。 同上
9 オカルト・キラー アルバムの一番の盛り上がりの曲の位置づけですかね?しかし意外にストレートで最近のV系って感じの乗りやすい曲。ライブハウスでいえば浦和ナルシスか池袋サイバーって感じ。「オカルトキラーオカルトキラーー」とサビの連呼はどうしても「お買い得なお買い得な」と聴こえてしまう。ほんとだったらこの辺で10分くらいの大曲を入れてほしかったところ。 同上
10 首輪 アルバム最後の曲は猫をテーマにした可愛い曲。まあ捻くれたところの無い素直な曲もあっていいと思いますよ。この曲アンカフェみたいで好きです★坊くん元気かな★★ 同上
11 ハンマー≦ヘッド アルバムで一区切り置いた後のシングルの曲です。そういえばこのシングルからギターが一人抜けたので4人になったんですね。サウンドが寂しくなるどころか(ライブはわかんないけど)レコーディングに関してはギターの密度が増してますね。Aメロの段階で細かいオブリガードやリフが炸裂していて、頭がおかしくなりそうです。哲学的な歌詞もあいまって狂人が暴走している感じがして好きな曲です。ダブっぽい展開もあり。 Single「地球戯。」(2009/08/05)
12 相対性【秘密】理論〜タイムマシン2〜 前の曲がダブっぽい展開があるんだけど、この曲はどこかHIPHOPぽいですね。えみるさんのお年は存じ上げないのですが、なんか若い世代の人が作る曲って感じです。相変わらずシンセのセンスもいいですね。ちょっと甘い雰囲気の曲でおじさんは苦手ですが若い子は好きそう 同上
13 うさぎ ここに入っている曲では唯一、えみるとベースのさらんで作曲が共同クレジットになってますね。かなりストレートな、モータウン調、だけどモータウン調ってことをあんまり考慮していないモータウンっぽいリズムの曲ですね。要するにアイドルっぽい!歌詞は吉川ひなのの「うさぎちゃん Say GoodBye」と同じテーマなのでますますアイドルっぽく聴こえます。どうでもいいけど「うさぎちゃん Say GoodBye」は名曲! 同上
14 サイコxレタア シングル攻勢が続きますね。バンドのレパートリーがシングルっぽい曲ばかりになるのって意外に不利なんじゃないのって思いますね。やっぱり核となる曲をバーンとおいて、それを中心に渋い曲を増やした方がファンもやりやすいような気がするんですけど。やっぱり今のV系インディーズは音源出しすぎ。もうちょっと出し惜しみしたほうがいいと思うけど、活動資金捻出のためには仕方ないのかな… 曲はキャッチーで悪くないと思います Single「サイコ×レタア」(2009/12/16)
15 オーバードライブ そういう状況を想像して聴くとなんとも感慨が深い曲。自分を揶揄したかのような歌詞にストレートな曲調にちょっと切なくなる私小説的な曲…のように聴こえますがどうなんでしょう。 同上
16 まみむめモンスター君 エレクトリックインダストリアルメタルを思わせる硬質なビートの曲。もちろんサビはいつもの通りにポップ。お約束ともいえる個性の強い曲でこれがタイトル曲でいいのにと思った。 同上




Disc3

No 曲名 レビュー 収録音源
1 ケセラ:セラ 2010年もとりあえずシングルをリリースしまくるアイクルさん。この曲は愛の伝道師・えみるさんの面目躍如といった感じのでラブリーで疾走する曲ですね。ここのところダークというかネガティブな曲が多かったですからね。 Single「ケセラ・セラ」(2010/03/17)
2 あおいろ1号 タイトル曲がポジティブだったらやっぱりネガティブな曲。青春を思わせる爽やかな曲調ですが、歌詞はブルーな感じですね。まあある意味こういうのはV系のお約束って感じのような気もしますね。 同上
3 暗殺-ANSATSU- この曲は例によって展開の多いカオス曲ですが、一番良いのはシンセの使い方だと思います。サビのキラキラ系やAメロのピチカートなど上手いなあ〜と思います。 同上
4 スターマイン 遂にキラキラ系???それほど捻りもない爽やかサウンドに、ポジティブな心理描写まさにキラキラ!ただしシングルのタイトルが「エキゾチック」とあり、これが本筋じゃないってことかな?異国情緒に手をだしてみました。ってことかな?深読みしすぎかな  Single「エキゾチック」(2010/03/17)
5 ゴメンなさい。 2007/03/07の公式初音源に入ってた曲の再録。「スイマセンでした。」とは姉妹曲?なんでしょうねえ。曲調も歌詞も似ています。 同上
6 Cとソプラノ 2007年の「独色マーブル」に入っていた曲の再録。サウンドはもちろんボーカルが大分上手くなったのがわかりますね。でも正直再録してシングルの1曲目に入れるほどの曲なのかとも思うんですけどね。ただサビのメロディはよく聴くとすごく綺麗だと気づきました。このリズムじゃなくて4つ打ちでスピーディーな感じの方がこのメロディには合うような気がするんだけど、まあそれは個人差ですね。 Single「ドラマチック」(2010/09/15)
7 ネジリウム 世を憂う系の歌詞にストレートな曲調。こういう曲だとアレンジ力と演奏力が物を言いますが、やはり上手ですね。広がりのあるBメロのアレンジがいいです。コーラスを重ねるのは結構このバンドにしては珍しいですよね。この後セカンドアルバム「アルク」をリリースします。 同上
8 チョコサンドビスケットクリーム 「ゴメンなさい。」と共に公式発音源に収録されていた曲の再録で、こちらは年代が少し遡って2008年のワンマンライブで配布されたバージョン。元と聞き比べると1年そこらで歌が随分まともになったんだな〜という印象です。間奏の和風なギターフレーズとか2000年代前半のV系っぽいくて微笑ましい!バンギャ様が手をフリフリしている映像が浮かびます。 愛狂います。三部作集大成単独公演『銀河制服〜シンアイナルシストウキョウ〜【あかいいと】配布音源(2008/11/25)
9 くるくる。と胎児は廻る。 2010年にR指定とSHOXXの通販限定でリリースされたスプリットシングルに収録された曲 R指定が完全に売れかけているので辛い…スプリットシングルって必ずどちらかが売れてどちらかが消えちゃうって気がする。いや、ヴィドールカリメロだって、最終的にはカリメロの次のバンドがちょっと売れたので、きっと愛狂います。のメンバーも次のバンドで大丈夫だと思う!実はこのシングル持ってないんです。「チョコサンドビスケットクリーム」も入っているんだけど、どのバージョンなのか気になる。曲はまさに愛狂います。って感じのカオス疾走曲。イントロの「くーるーくーるー」は伝説のバンド「螺旋ウィルス」の「でーんでーんむーしむーし」を彷彿とさせますね。続いて変拍子で疾走する感じもやっぱりいいです。全体的にとんでもなく疾走してますね!意外と珍しい語りパートがあるのも特徴か。愛狂います。最高! SHOXX誌上限定CD「愛狂います。×R指定 SPLIT CD」(2010年8月)
10 東京スカイツリー いよいよ最後の曲。セカンドアルバム「アルク」のレコ発で配布される予定だった曲(震災の影響で中止)「スカイツリーで僕らやんややんや」という爽やか系の曲なのかなと思いきや、スカイツリー?ペッ(唾)みたいなヤサグレ加減が気に入りました。終始ヘビーで、攻撃的でまあサビはいつもの通りpopですが…。バンドの最後の方は迷走していたなんて言われたけど、このやさぐれ系の攻撃吐き捨て系でよかったんじゃなかったないかな。この曲Amazonでダウンロードできます。(チャリティらしい) 2011年4月



以上です。お疲れ様でした〜<過去の記事>愛狂います。は結構狂ってる http://d.hatena.ne.jp/maemuki/20090901/p1