自分は月並みという概念に対して憎しみを抱いている。
新鮮みがなく、ありふれていて平凡なこと。また、そのさま。
なんて愚かしいのだろう。小さい頃からそうだった。そうなってしまっていた。
キン肉マンなどにウツツを抜かしている回りが理解できなかった。なぜあんなものが。そんなものだったら家にある、漫画「サザエさん」の方がよっぽど勉強になるのに。幼少にて「インフレ」「デフレ」「オイルショックによる紙不足」という昭和30年代から政治経済や「グループサウンズ、ジュリーは長髪で白い目で年寄り(波平)には見られていた」「美空ひばりの黒いつながり」などの昭和50年代より前の社会風俗について教えてくれたもの、それが漫画の「サザエさん」だった。
しかし月並みのやろう達にとってはサザエさんといえばアニメなのだろう。もちろんアニメは見ていたけれども、既出のようにサザエさんはそのような漫画でもあった。アニメのようなヌルい家族賛美みたいなものだけではないのに!わからないのだろう。
月並みどもには!
ほんとうに愚かしい。
このように、知った知らないで他人を心の奥底で見下すという、最悪な人間になってしまっていた。いや、最悪なのだろうか、最高なんだと40代になった自分は思うようにもなった。よいことではないか。自分はいつでも最高である。
その考えを乱すのが、おろかしい他人どもである。ほんとうにいつもそうだ。
今は、なるべく他人を排除することによって自分の矜持を守ろうとはしている。しかし他人というものは、必ず自分という不可侵領域に立ち入ってくるのだろう。ほんとうに愚かしい。おろかしい。「新鮮みがなく、ありふれていて平凡なこと。また、そのさま」を実行していて、はづかしくないのだろうか?
「今年なんて振り返らないし来年の目標もありません」というのはその苦しみの現れである。なぜ、なぜみな同じようなことばかり考えるのだろうか。
この文章を読んで、貴方様方は何を思うのだろうか。このひっとちょとおかしいわなんて思うのだろうか。全くおかしくない。おかしいのは、いつも貴方様方なのである。
気がついてほしい。おろかしい、月並みだということ。
そんな僕が、ほんとうは月並みなのかもしれないということにも、気がついてください。
終わり