La’Mule 「INSPIRE」(98年)
「CDよりPVの方がクオリティが高い」と自分の周りでは評判だった懐かしのLa’Mule。事実上のデビュー曲といっても良いと思うこの「INSPIRE」はテレビ埼玉のCMや番組で流れまくってました。この内容で…あんなに流して本当に良かったんだろうか。まだユルい時代だったんですね!良い時代です。
https://www.youtube.com/watch?v=uhIFYBxdCLw
この頃のLa’Muleは発展途上と言う事もあって、その未成熟ながらも熱いドロドロしたパワーの音楽と、血みどろ手術室の完成度の高すぎるセット、そして映像に「何かが始まった!」感も感じます。
この曲をきっかけにしてシーンを突っ走り、2003年に活動停止。この曲とPVのインパクトが残したものは大きいのでは。ちなみにこの次の「Curse」も強烈。さすがにこれはテレビ埼玉ではPVのオンエアがNGになったという噂が(最初は放映されてました)…このやり過ぎ感に日本ぽさを感じる。
楽曲はテンプレともいえる王道。ギターのフレーズやヴォーカルのメロディもどこかで聴いたことあるような無いような感じがまた最高!まさにヴィジュアル系!ふぎゃく!あびゃくぅ!
黒蝪蝶「Night Melody」(97年)
懐かしすぎる黒蝪蝶!
意外と数少ないX Japanの系統のメタル風味のバンド。結成は92年くらい?最初は雅さんという方ボーカルでした。この方とギターのGIZZELLEさんはGASTUNKのファンで、雑誌でもそのような事をおっしゃっていて、デモテープでもそんな感じのサウンドだったので、そのボーカルが脱退後、徐々に「X化」していく様は面白かったですね。
1stアルバム「帝王切開」はフールズ・メイトで大絶賛されてましたね~買っちゃいましたよ!
この「Night Melody」その輝くばかりの存在感のボーカルの躯(むくろ)さんが光ってますね。とにかくアツい!いろいろな意味で!何がどうアツいのかはPVを見ていただければきっと伝わる筈。
とにかくアツい躯さん。歌詞もアツい!
曲も、ほとんど存在しなかった「X Japanフォロワー」という名誉を満たすには十分なパフォーマンスですね。ラストシーンは必見!
CANARY「Misty」(97年)
こ、れ、ぞクールジャパン!
元Deshabillzのメンバーが2人(Bass:時雨 Drum:Jun)いた事から、結成当初から注目を集めていたCANARY 結成後、早速ミニアルバムを2枚リリースするなど積極的に活動していました。そんな中でインディーズ・シーンでは珍しかったPV集をリリースして、今日はその中から「Misty」です。
ドラマ仕立てで、メンバー同士、一人の女を巡って殺し合う…そしてやがて誰もいなくなる…これだけ聞くと「ふーんそうなんだ ありがちじゃない?」と思うだろうけど、違うんですよ!
何かって言うとこのロケで使われている家!家具!撮影された97年の「感じ」がそのまま出ているんです。
そうそう、この頃はこんな感じだった。ヴィジュアル系のPVというと作りこまれたセットにキラキラ照明というイメージですが、まあはっきりいうと溢れる「手作り感」から来る「当時の感じがそのまま」が感じられるPVもあるヴィジュアル系はやはりクール!これぞ日本の真の姿!
当時の感じ
GUNIW TOOLS 優しさは暖かな支配者 (97年)
果たしてこのバンドをここの括りに入れていいんだろうか。古川さんからクレームが来そうで怯えています。でもとにかく凄いPV。アルバム「NIWLUN」全曲をPVにした「VV NIWLUN」中の1曲。GUNIWが映像も売りで、実際にアルバム前にリリースされた「1992-1994」も観ていたので、どんなに凄いのかは分かっていたつもりだったけど、このPVはやはりアニメーション!
バンドがアニメまで操るなんて…今もなかなかないですよね。外注はあっても、メンバー、というかVoの古川さん自らこれらをつくり上げるなんて!
メンバー写真を元に幻想的な処理が施されたその内容。初めて見終わった時は、これは何かの間違いなんじゃないかと思いました。まだアナログ時代が残っていた当時の自分。知らないところでテクノロジーは進化してる!と恐ろしさを感じました。
映像が素晴らしすぎる「VV NIWLUN」は必見ですね。そういう意味ではヴィジュアル・ショックなバンドではあります。
少女ロリヰタ-23区- 「うさぎ逃げる花園」(05年)
少女 ロリヰタ 23区 うさぎにげる花園 - YouTube
なぜこのPVと曲が好きなのか、自分でもよくわからない。
少女ロリヰタ-23区-自体、ほとんど知らない。ちょっとは聴いていたけど、「現代のバンド」って感じだった。このバンドが活動していた2000中盤あたりのV系シーンは実は結構面白かったと思う。特に高田馬場AREA周辺。「オサレ」ブームが落ち着きつつあり、シーンが今のようなカオスに突入する直前の時代。
「うさぎ逃げる花園」のPV…PVというより「オフショット」集。よく見たことある場所(やはり高田馬場界隈)でメンバーがお戯れになっている、ワンマンライブで配布されただけの映像ということもありかなりラフ。でも、なんだか外国のバンドでよくある「ロード・ムービー」に通じるような哀愁を感じてしまうのが不思議。この時から時間も経っているのだが、もう無くなってしまった時間の輝きがあるような気がする。
この「うさぎ逃げる花園」も凄く良い曲!甘すぎる情緒が特徴的かなと思いましたが、花園=V系シーン、うさぎ=バンギャ と考えると急に切なく聴こえます。今日もうさぎは花園で走り続ける。でもまた逢いに行くよ…